測量士補の過去問
令和2年度(2020年)
問17
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問題
測量士補試験 令和2年度(2020年) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)
次のa~eの文は、写真地図について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
ただし、注記など重ね合わせるデータはないものとする。
a.写真地図は、図上で水平距離を計測することができない。
b.写真地図は、図上で土地の傾斜を計測することができない。
c.写真地図は、写真地図データファイルに位置情報が付加されていなくても、位置情報ファイルがあれば地図上に重ね合わせることができる。
d.写真地図は、正射投影されているので、隣接する写真が重複していれば実体視することができる。
e.写真地図には、平たんな場所より起伏の激しい場所の方が、標高差の影響によるゆがみが残りやすい。
ただし、注記など重ね合わせるデータはないものとする。
a.写真地図は、図上で水平距離を計測することができない。
b.写真地図は、図上で土地の傾斜を計測することができない。
c.写真地図は、写真地図データファイルに位置情報が付加されていなくても、位置情報ファイルがあれば地図上に重ね合わせることができる。
d.写真地図は、正射投影されているので、隣接する写真が重複していれば実体視することができる。
e.写真地図には、平たんな場所より起伏の激しい場所の方が、標高差の影響によるゆがみが残りやすい。
- a, c
- a, d
- b, d
- b, e
- c, e
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この過去問の解説 (3件)
01
a:✕
写真地図は中心投影である空中写真を地図と同じ正射投影に変換した写真画像であり、写真の縮尺が解れば水平距離の計測が行えます。
b:〇
写真地図には地形図のように等高線が描かれているわけではないため、画像上で傾斜を計測することはできません。
c:〇
位置情報ファイル(ワールドファイル)とは、座標位置情報が書かれたテキストファイルで、正確な位置に画像を表示することができます。
写真地図は写された像の形状が正しく、位置も正しく配置されているため、地図データなどと重ね合わせて利用することができます。
d:✕
実体視を行うためには中心投影である必要があり、正射投影に変換された写真地図では実体視を行うことはできません。
e:〇
写真地図は対象物の比高によるズレ(中心投影による倒れ込み)を正射変換により修正するため、平坦地よりも比高のズレが大きい起伏の激しい場所の方が地形の影響によるひずみが生じやすくなります。
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02
写真地図に関する問題です。
a:×
縮尺が均一であり、写真地図の縮尺がわかれば水平距離の計測を行うことができます。
d:×
真上から撮影する正射投影では実体視することは出来ません。
実体視するのは中心投影になります。
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03
写真地図に関する問題です。地上を上空の航空機からカメラで写真を写すと、中心投影の写真が写りますが、写真地図は、これを正射投影に変換して作成します。中心投影と正射投影の違いをマスターしておけば、この問題は解けます。
(a)写真地図は、中心投影で写された写真を正射投影に変換して作成されるため、写真地図は正射投影されています。正射投影は、写真に写っているすべての場所を、その真上から見ているように写しているので、写真上で水平距離の計測ができます。従って、誤りです。
(d)写真地図は、正射投影である点を除けば、普通の写真と変わりないので、等高線が描かれていません。よって、写真地図の図上で土地の傾斜を測定することはできないため、正しいです。
(c)位置情報ファイルがあれば、写真地図データファイルの位置情報の代わりに写真地図の位置を把握できるので、写真地図を重ね合わせることができます。従って、正しいです。
(d)1対(2枚1組)の写真を用いて実体感(立体感)を得ることを実体視といいますが、実体視は中心投影されている写真では可能ですが、すべての点をその真上から写しているように写す正射投影されている写真ではできません。よって、誤りです。なお、中心投影の場合、写真全体を1点から写しているので、実体視が可能です。
(e)写真地図を作成する際、正射変換をしますが、その際、平坦な土地よりも起伏の激しい土地の方が、ゆがみが残りやすくなりますので、正しいです。
写真地図の分野に関しては、中心投影と正射変換の違いに関する問題が多く出ますので、ここでしっかり習得しておきましょう。
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