測量士補の過去問 令和5年度(2023年) 問4
この過去問の解説 (3件)
地球の形状および測量の基準する問題です。ほぼ毎年出題されますが、基本的な事項を問う問題が多いため、基本的な用語の定義とそのおおまかな特徴を押さえておくだけで対応できるでしょう。
測量法で規定する位置の表示方法の一つとして、地心直交座標系があります。これは、地球を楕円体としてとらえ、その中心(重心)を原点とした(X、Y、Z)の座標値で地球上の位置を表現する方法です。この楕円体について、日本では、GSR80楕円体というモデルを採用しています。よって、正しいです。
回転楕円体は、中心は地球の重心と一致しますが、その短軸が地球の自転軸と一致します。設問では、長軸が自転軸と一致するとしているため、誤りです。
GNSS測量(汎地球測位システム又は衛星測位システム)では、楕円体高が求められます。したがって、正しいです。
ジオイドは、平均海面を陸側に延長したと仮定した場合に形成される面です。楕円体高から、ジオイド高を引くと、標高が求められます。従って、正しいです。
地心直交座標系は、地球を楕円体としてとらえ、その中心(重心)を原点とした(X、Y、Z)の座標値で地球上の位置を表現する方法ですが、Xが緯度、Yが経度、Zが楕円体高に対応しているので、正しいです。
この問題の中で、標高=楕円体高-ジオイド高の関係は、毎年毎年、必ず出題される事項です。この問題を機会に、この式(イメージ図と合わせると覚えやすい)を習得しておきましょう。
地球の形状と測量についての問題です。
正しい。
地球上の位置を緯度、経度で表すための基準として、地球の形状と大きさに近似した回転楕円体が用いられます。日本では、回転楕円体としてGRS80を採用しています。
間違い。
地球上の位置を緯度、経度で表すための基準として、地球の形状と大きさに近似した回転楕円体が用いられますが、地球の自転軸と一致するのは短軸です。
正しい。
GNSS測量における基準は地心直交座標であるITRF座標系であり、ここでの高さは準拠楕円体からの高さである楕円体高です。
正しい。
標高=楕円体高-ジオイド高で計算できます。
正しい。
地心直交座標はX,Y,Zの3つの成分で表すものであり、緯度、経度、楕円体高を計算できます。
この問題は、地球の形状および測量基準について、誤った記述を選ぶものです。
正しい記述です。
地球上の緯度、経度を表すために、地球の形状と大きさに近似した回転楕円体が用いられます。
これにより、地球表面の山や谷といった凸凹を省略し、表示します。
誤った記述です。
地球の自転軸と一致するのは、短軸の方です。
正しい記述です。
GNSS測量の基準になるのは、回転楕円体であり、得られる高さは、そこからの高さで、
楕円体高になります。
正しい記述です。
ジオイドは平均海面を基準にしたものであります。
標高はジオイドから陸地までの高さです。
そして楕円体高は、山や谷の凸凹を無視した地球に近似した回転楕円体からの高さです。
よって、回転楕円体からジオイド面までのジオイド高は、楕円体高ー標高で計算できます。
正しい記述です。
地心直交座標系では、座標は、X、Y、Zの3つの成分で表されています。
そこから、計算によって、緯度、経度、楕円体高を求めることができます。
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