測量士補の過去問
令和5年度(2023年)
問10
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問題
測量士補試験 令和5年度(2023年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
次のa〜eの文は、公共測量における1級水準測量について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
a 三脚の沈下による誤差を軽減するため、標尺を後視、後視、前視、前視の順に読み取る。
b 標尺補正のための温度測定は、観測の開始時、終了時及び固定点到着時ごとに実施する。
c 電子レベルの点検調整においては、円形水準器及び視準線の点検調整並びにコンペンセータの点検を行う。
d 点検調整は、観測着手前と観測期間中おおむね10日ごとに実施する。
e 正標高補正計算を行うため、気圧を測定する。
a 三脚の沈下による誤差を軽減するため、標尺を後視、後視、前視、前視の順に読み取る。
b 標尺補正のための温度測定は、観測の開始時、終了時及び固定点到着時ごとに実施する。
c 電子レベルの点検調整においては、円形水準器及び視準線の点検調整並びにコンペンセータの点検を行う。
d 点検調整は、観測着手前と観測期間中おおむね10日ごとに実施する。
e 正標高補正計算を行うため、気圧を測定する。
- a,b
- a,e
- b,c
- c,d
- d,e
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、公共測量における1級水準測量について、誤っている記述を選ぶものです。
a:誤りの記述です。
作業規程の準則の第64条の2の一のロの表を見ると、
後視→前視→前視→後視の順で観測することになっております。
ちなみに、「前視」とは、進行方向を観測し、「後視」は、後退方向を観測することです。
b:正しい記述です。
作業規程の準則の第64条第2項第4号に記載されています。
そこでは1℃単位で温度測定をすることになっており、誤差を防ぐための作業です。
c:正しい記述です。
作業規程の準則の第64条第2項に記載されています。
d:正しい記述です。
cと同じく作業規程の準則の第64条第2項に記載されています。
e:誤りの記述です。
正標高補正計算を行うには、重力値を使いますが、気圧は関係ありません。
作業規程の準則の第67条に記載されています。
よって、a,eの二つが誤っています。
準則に記載されていることが根拠ではありますが、何条に書いてあるかを覚えるだけでなく、
どういう理由かなど、自分で合わせて覚えられれば良いです。
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02
公共測量における1級水準測量に関する問題です。
a.間違い
この場合、標尺は後視、前視、前視、後視の順に読み取ります。
b.正しい
温度測定は、観測の開始時、終了時及び固定点への到着時ごとに実施しなければなりません。
c.正しい
その他に円形気泡管の点検や自動レベル、電子レベルの点検があります。
d.正しい
点検調整は観測着手前に実施し、観測期間中おおむね10日ごとに行います。
e.間違い
正標高補正計算は標高などの他に、重力値を用いて計算します。気圧は関係ありません。
したがって明らかに間違っているのはa, eです。
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03
「公共測量における〇〇」に関する問題は、測量士補試験で非常に多く出題されますが、「公共測量に関する〇〇」ときたら、ほぼ100%近く、国土交通省告示「作業規程の準則」からの出題となります。
(a)1級水準測量においては、標尺は、後視→前視→前視→後視の順で読み取ります。(国土交通省告示「作業規程の準則」第64条第2項(ロ)表参照。)よって、誤りです。
(b)国土交通省告示「作業規程の準則」第64条第2項第4号は「1級水準測量においては、観測の開始時、終了時及び固定点到着時ごとに、気温を1度単位で測定 するものとする」と規定しているため、正しいです。
(c)国土交通省告示「作業規程の準則」第64条第2項前半は「点検調整は、観測着手前に次の項目について行い、水準測量作業用電卓又は観測手簿に記録する。」と規定し、同項第2号では「自動レベル、電子レベルは、円形水準器及び視準線の点検調整並びにコンペンセータの点検を行う ものとする。」と規定しているため、正しいです。
(d)国土交通省告示「作業規程の準則」第64条第2項は「点検調整は、観測着手前に次の項目について行い、水準測量作業用電卓又は観測手簿に記録する。た だし、1級水準測量及び2級水準測量では、観測期間中おおむね10日ごとに行うものとする。」と規定しているので、正しいです。
(e) 国土交通省告示「作業規程の準則」第67条は「この章において「計算」とは、新点の標高を求めるため、次に定めるところにより行うものと する。」と規定し、その第1号は「 標尺補正計算及び正規正標高補正計算(楕円補正)は、1級水準測量及び2級水準測量について行 う。ただし、1級水準測量においては、正規正標高補正計算に代えて正標高補正計算(実測の重力値 による補正)を用いることができる。」と規定しています。正標高補正計算には、重力値は関係ありますが気圧は関係ないので、気圧を測定する必要はなく、本肢は誤りです。
この問題で難しかったのは「正標高補正計算」(楕円補正)だと思います。それ以外の選択肢は、過去問等でよく見る論点です。測量士補試験は、択一式の問題なので、「正標高補正計算」が何かわからなくても、他の論点が分かっていてば、十分正解は可能です。
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