測量士補の過去問
令和5年度(2023年)
問18
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
測量士補試験 令和5年度(2023年) 問18 (訂正依頼・報告はこちら)
次のa〜eの文は、公共測量における写真地図作成について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
a 正射変換とは、数値写真を中心投影から正射投影に変換し、正射投影画像を作成する作業をいう。
b 写真地図は、図上で水平距離を計測することができる。
c ブレークライン法により標高を取得する場合、なるべく段差の小さい斜面等の地性線をブレークラインとして選定する。
d 使用する数値写真は、撮影時期、天候、撮影コースと太陽位置との関係などによって現れる色調差や被写体の変化を考慮する必要がある。
e モザイクとは、隣接する中心投影の数値写真をデジタル処理により結合する作業をいう。
a 正射変換とは、数値写真を中心投影から正射投影に変換し、正射投影画像を作成する作業をいう。
b 写真地図は、図上で水平距離を計測することができる。
c ブレークライン法により標高を取得する場合、なるべく段差の小さい斜面等の地性線をブレークラインとして選定する。
d 使用する数値写真は、撮影時期、天候、撮影コースと太陽位置との関係などによって現れる色調差や被写体の変化を考慮する必要がある。
e モザイクとは、隣接する中心投影の数値写真をデジタル処理により結合する作業をいう。
- a,c
- a,d
- b,d
- b,e
- c,e
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
公共測量における写真地図に関する問題です。国土交通省告示「作業規程の準則」では第309条から第331条までが、この分野の範囲の規定となっています。
(a)国土交通省告示「作業規程の準則」第322条は「 「正射変換」とは、数値写真を中心投影から正射投影に変換し、正射投影画像を作成する作 業をいう。」と規定しているので、正しいです。ちなみに、中心投影は、空中の1点から全体を見る写真の形で、正射投影は、すべての地点を真上から見ている写真の形のことです。
(b)写真地図は正射投影です。正射投影は、すべての地点を真上から見ている写真の形ですので、距離が測定できますので、正しいです。ちなみに、中心投影の写真上では、地上の距離を測定できません。
(c)国土交通省告示「作業規程の準則」第317条第3項は、「 ブレークライン法によりブレークラインを選定する位置は、次のとおりとする。 」と規定し、条文上の「次のとおり」を表示する第1号は「 段差の大きい人工斜面、被覆等の地性線」と規定しています。従って、誤りです。ちなみに、ブレークライン法は、地形の傾斜が急激に変化する個所を連続的に線として取得する方法のことをいいます。
(d)国土交通省告示「作業規程の準則」第315条第2項は「 使用する数値写真は、撮影時期、天候、撮影コースと太陽位置との関係等によって現れる色調差や被 写体の変化を考慮して用いるものとする。 」と規定しているため、正しいです。
(e)国土交通省告示「作業規程の準則」第324条は「 「モザイク」とは、隣接する正射投影画像をデジタル処理により結合させ、モザイク画像を 作成する作業をいう。」と規定しています。設問では「隣接する中心投影の数値写真をデジタル処理により結合させ」とあるので、誤りです。
写真地図作成の問題では、中心投影と正射投影の違いを確認する問題や、写真地図が中心投影の写真を正射投影に変換したものであることの理解を問う問題が、多く出題されます。注意しておきましょう。
参考になった数9
この解説の修正を提案する
02
この問題は、写真地図作成について、誤っている記述の組み合わせを選ぶものです。
a.正しい記述です。
空中写真は通常中心投影で撮影されます。
しかし、それでは、画面端にいくにつれ、放射状にズレが出てしまいます。
そこで、その写真を正射投影に変換することでそのズレがなくなります。
これを、「正射変換」といいます。
b.正しい記述です。
図上の長さに、縮尺の分母をかけることで、水平距離を求めることができます。
c.誤った記述です。
ブレークライン法とは、地形が激しく変わる箇所について、連続的な線とする方法です。
その線(ブレークライン)については作業規程の準則の第401条より、
段差の大きい斜面、橋などの両縁、尾根、谷、地性線などとなっています。
d.正しい記述です。
同じ場所から撮る数値写真でも、時期や天候で写り方が変わり、誤差が出るかもしれないからです。
e.誤った記述です。
モザイクでは、隣接する正射投影画像を用います。
中心投影の写真では、放射状のズレがあるので、結合に影響が出ます。
よって、誤った記述は、c, eです。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
03
公共測量における写真地図作成に関する問題です。
a.正しい
正射変換とは、本来中心投影で撮影されている空中写真を、正射投影機を用いて正射投影した像に変換する作業のことをいいます。
b.正しい
縮尺が均一であり、写真地図の縮尺がわかるのであれば、図上で水平距離の計測を行うことができます。
c.間違い
ブレークライン法は、数値図化により地形形状が連続的に変化する被覆の上端・下端や地性. 線等を三次元の線として取得する方法です。
作業規程の準則第401条には以下のようにあります。
3 ブレークライン法によりブレークラインを選定する位置は、次のとおりとする。
一 段差の大きい人工斜面、被覆等の地性線
二 高架橋及び立体交差の両縁
三 尾根若しくは谷又は主な水涯線
四 地形傾斜の連続的な変化を表す地性線
五 その他地形を明確にするための地性線
d.正しい
作業規程の準則第第399条には以下のようにあります。
数値写真は、作業着手前1年以内に撮影されたものを用いることを原則とする。
2 使用する数値写真は、撮影時期、天候、撮影コースと太陽位置との関係等によって現れる色調差や被写体の変化を考慮して用いるものとする。
e.間違い
モザイクとは、隣接する正射投影画像をデジタル処理により結合させ、モザイク画像を作成する作業のことをいいます。
したがって、明らかに間違っているのはc, eです
参考になった数1
この解説の修正を提案する
前の問題(問17)へ
令和5年度(2023年)問題一覧
次の問題(問19)へ