測量士補の過去問
令和5年度(2023年)
問19

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問題

測量士補試験 令和5年度(2023年) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、公共測量において無人航空機(以下「UAV」という。)により撮影した数値写真を用いて三次元点群データを作成する作業(以下「UAV写真点群測量」という。)について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
  • UAVを飛行させるに当たっては、機器の点検を実施し、撮影飛行中に機体に異常が見られた場合、直ちに撮影飛行を中止する。
  • 三次元形状復元計算とは、撮影した数値写真及び標定点を用いて、地形、地物などの三次元形状を復元し、反射強度画像を作成する作業をいう。
  • 検証点は、標定点からできるだけ離れた場所に、作業地域内に均等に配置する。
  • UAV写真点群測量は、裸地などの対象物の認識が可能な区域に適用することが標準である。
  • カメラのキャリブレーションについては、三次元形状復元計算において、セルフキャリブレーションを行うことが標準である。

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この過去問の解説 (3件)

01

「公共測量において」から始まる問題なので、例にもれず、国土交通省告示「作業規程の準則」からの出題となります。なお、「UAV写真点群測量」は、「作業規程の準則」の第409条から第436条までに規定されています。

選択肢1. UAVを飛行させるに当たっては、機器の点検を実施し、撮影飛行中に機体に異常が見られた場合、直ちに撮影飛行を中止する。

国土交通省告示「作業規程の準則」第422条は「 UAVによる撮影飛行は、第148条の規定を準用する。」と規定し、その第148条は「撮影飛行は、次の各号により行うものとする。」と規定し、条文上の「次の各号」のうちの第3号は「機体に異常が見られた場合は、直ちに撮影飛行を中止する。 」と規定しています。よって、正しいです。なお、この選択肢は、準則を知らなくても、常識で判断できます。

選択肢2. 三次元形状復元計算とは、撮影した数値写真及び標定点を用いて、地形、地物などの三次元形状を復元し、反射強度画像を作成する作業をいう。

国土交通省告示「作業規程の準則」第426条は「 「三次元形状復元計算」とは、撮影した数値写真及び標定点を用いて、数値写真の外部標定 要素及び数値写真に撮像された地点(以下この章において「特徴点」という。)の位置座標を求め、地形、 地物等の三次元形状を復元し、オリジナルデータを作成する作業をいう。」と規定しています。設問の「反射強度画像を作成する作業」は、三次元形状復元計算と全く関係がないため、誤りです。

選択肢3. 検証点は、標定点からできるだけ離れた場所に、作業地域内に均等に配置する。

国土交通省告示「作業規程の準則」第414条第2項は「 検証点は、標定点とは別に、次の各号のとおり配置するものとする。 」と規定し、条文上の「次の各号」の1つである第1号「 検証点は、標定点からできるだけ離れた場所に、作業地域内に均等に配置することを標準とする。」と規定しています。よって、正しいです。

選択肢4. UAV写真点群測量は、裸地などの対象物の認識が可能な区域に適用することが標準である。

国土交通省告示「作業規程の準則」第409条第2項は「UAV写真点群測量は、裸地等の対象物の認識が可能な区域に適用することを標準とする。」と規定しているため、正しいです。

選択肢5. カメラのキャリブレーションについては、三次元形状復元計算において、セルフキャリブレーションを行うことが標準である。

国土交通省告示「作業規程の準則」第426条第5項は「 カメラのキャリブレーションについては、三次元形状復元計算において、セルフキャリブレーション を行うことを標準とする。」と規定しているため、正しいです。ちなみに「三次元形状復元計算」は「目盛り」や「調整」という意味を持つ言葉です。

まとめ

この問題は、「三次元形状復元計算」や「キャリブレーション」など、

測量士補試験では、頻出の用語ではないものが、出題されています。

よって、難しい問題といえるでしょう。

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02

無人航空機についての問題です。

選択肢1. UAVを飛行させるに当たっては、機器の点検を実施し、撮影飛行中に機体に異常が見られた場合、直ちに撮影飛行を中止する。

正しい

作業規程の準則第148条には

「機体に異常が見られた場合は、直ちに撮影飛行を中止する。 」

とあります。

選択肢2. 三次元形状復元計算とは、撮影した数値写真及び標定点を用いて、地形、地物などの三次元形状を復元し、反射強度画像を作成する作業をいう。

間違い

作業規程の準則第426条には

「三次元形状復元計算」とは、撮影した数値写真及び標定点を用いて、数値写真の外部標定要素及び数値写真に撮像された地点(以下この章において「特徴点」という。)の位置座標を求め、地形、地物等の三次元形状を復元し、オリジナルデータを作成する作業をいう。

とあります。

反射強度画像を作成するものではありません。

選択肢3. 検証点は、標定点からできるだけ離れた場所に、作業地域内に均等に配置する。

正しい

作業規程の準則第414条2には

「検証点は、標定点からできるだけ離れた場所に、計測対象範囲内に均等に配置することを標準とする。」

とあります。

選択肢4. UAV写真点群測量は、裸地などの対象物の認識が可能な区域に適用することが標準である。

正しい。

作業規程の準則第409条には

「UAV写真点群測量は、裸地等の対象物の認識が可能な区域に適用することを標準とする。」

とあります。

選択肢5. カメラのキャリブレーションについては、三次元形状復元計算において、セルフキャリブレーションを行うことが標準である。

正しい。

作業規程の準則第426条には

「カメラのキャリブレーションについては、三次元形状復元計算において、セルフキャリブレーションを行うことを標準とする。」

とあります。

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03

この問題は、UAVで撮影した数値写真から、三次元点群データを作成する作業において、

誤った記述を選ぶものです。

選択肢1. UAVを飛行させるに当たっては、機器の点検を実施し、撮影飛行中に機体に異常が見られた場合、直ちに撮影飛行を中止する。

正しい記述です。

UAVに故障や異常があると、正しいデータが得られません。

また、墜落やコントロール不能に陥ることで、付近に被害が出る可能性もあります。

事前の点検作業はもちろん、飛行中にも異常が見られたら、中止します。

なお、作業規程の準則の第148条で定められています。

選択肢2. 三次元形状復元計算とは、撮影した数値写真及び標定点を用いて、地形、地物などの三次元形状を復元し、反射強度画像を作成する作業をいう。

誤った記述です。

「三次元形状復元計算」とは、撮影した数値写真及び標定点から、

位置座標を求め、地形や地物の三次元形状を復元したオリジナルデータを作成する作業です。

反射光の強度を示した反射強度画像の作成とは関係ありません。

なお、作業規程の準則の第426条で定められています。

選択肢3. 検証点は、標定点からできるだけ離れた場所に、作業地域内に均等に配置する。

正しい記述です。

検証点と標定点が近いと、誤差の確認が取りづらいので、離れた場所に均等に配置します。

なお、作業規程の準則の第414条の第2項で定められています。

選択肢4. UAV写真点群測量は、裸地などの対象物の認識が可能な区域に適用することが標準である。

正しい記述です。

写真では、対象物の認識ができない場所では、うまく測量できません。

なお、作業規程の準則の第409条で定められています。

選択肢5. カメラのキャリブレーションについては、三次元形状復元計算において、セルフキャリブレーションを行うことが標準である。

正しい記述です。

三次元形状復元計算では、セルフキャリブレーションを標準とします。

キャリブレーションとは、機器の誤差などを調整する作業です。

なお、作業規程の準則の第426条で定められています。

参考になった数2