測量士補の過去問
令和5年度(2023年)
問20

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

測量士補試験 令和5年度(2023年) 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文は、公共測量における航空レーザ測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
  • グラウンドデータとは、オリジナルデータから、地表面以外のデータを取り除くフィルタリング処理を行い作成した、地表面の三次元座標データである。
  • 航空レーザ測量では、主に近赤外波長のレーザ光を用いているため、レーザ計測で得られるデータは雲の影響を受けない。
  • 対地高度以外の計測諸元が同じ場合、対地高度が高くなると、取得点間距離は長くなる。
  • 航空レーザ測量システムは、GNSS/IMU装置、レーザ測距装置及び解析ソフトウェアから構成される。
  • フィルタリング及び点検のために撮影する数値写真は、航空レーザ計測と同時期に撮影する。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、航空レーザ測量について、誤っている記述を選ぶものです。

選択肢1. グラウンドデータとは、オリジナルデータから、地表面以外のデータを取り除くフィルタリング処理を行い作成した、地表面の三次元座標データである。

正しい記述です。

グラウンドデータは、オリジナルデータにフィルタリング処理をして、作成した三次元座標データです。

選択肢2. 航空レーザ測量では、主に近赤外波長のレーザ光を用いているため、レーザ計測で得られるデータは雲の影響を受けない。

誤った記述です。

レーザ光は、雲で屈折するなど、天候の影響を受けます。

選択肢3. 対地高度以外の計測諸元が同じ場合、対地高度が高くなると、取得点間距離は長くなる。

正しい記述です。

対地高度と、取得点間距離は相対しており、対地高度が高くなると、取得点間距離も長くなります。

選択肢4. 航空レーザ測量システムは、GNSS/IMU装置、レーザ測距装置及び解析ソフトウェアから構成される。

正しい記述です。

選択肢の記述にあるような、各種機器やソフトでシステムは構成されています。

なお、作業規程の準則の第542条で定められています。

選択肢5. フィルタリング及び点検のために撮影する数値写真は、航空レーザ計測と同時期に撮影する。

正しい記述です。

撮影・測量時の天候等でデータにズレが生じるため、同時期に撮影します。

なお、作業規程の準則の第544条で定められています。

まとめ

作業規程の準則に定められている記載もありますが、状況をイメージすれば、

答えがわかるものも多いです。

なぜ、そういう定めがあるのか、考えることが大切です。

参考になった数1

02

公共測量における航空レーザ測量に関する問題です。基本的には国土交通省告示「作業規程の準則」からの出題ですが、常識的な判断を問う選択肢も含まれています。

選択肢1. グラウンドデータとは、オリジナルデータから、地表面以外のデータを取り除くフィルタリング処理を行い作成した、地表面の三次元座標データである。

国土交通省告示「作業規程の準則」第559条は「 「グラウンドデータの作成」とは、オリジナルデータからフィルタリング処理により地表面 の点群データを作成する作業をいう。」と規定しているので、正しいです。なお、同準則第第557条は「 「オリジナルデータの作成」とは、点群データから調整点成果を用いて点検・調整した三次元点群データを作成する作業をいう。」と規定しているため、第559条の「点群データ」は「三次元点群データ(三次元座標データ)」であることが分かります。

選択肢2. 航空レーザ測量では、主に近赤外波長のレーザ光を用いているため、レーザ計測で得られるデータは雲の影響を受けない。

航空レーザー測量では、上空の航空機から地表に向けてレーザー光を発し、その反射光を計測することで、距離や地上の地物の状態を測定する手法のため、雲の影響を受けます。従って、誤りです。

選択肢3. 対地高度以外の計測諸元が同じ場合、対地高度が高くなると、取得点間距離は長くなる。

測量士補試験で定番の撮影高度の問題を考えてみると、撮影高度が高くなると、同一の写真上の素子寸法に対応する地上画素寸法が長くなります。これを言い換えると、対地高度が高くなると、取得点間距離が長くなりますので、正しいです。

選択肢4. 航空レーザ測量システムは、GNSS/IMU装置、レーザ測距装置及び解析ソフトウェアから構成される。

国土交通省告示「作業規程の準則」第542条は「航空レーザ測量システムは、GNSS/IMU装置、レーザ測距装置及び解析ソフトウェア から構成するものとする。第557条 「オリジナルデータの作成」とは、点群データから調整点成果を用いて点検・調整した三次 元点群データを作成する作業をいう。」と規定しているので、正しいです。ちなみに、「GNSS」は衛星測位システムの総称で、「IUM」は3次元の慣性運動(直行3軸方向の並進運動および回転運動)を検出する装置のことです。

選択肢5. フィルタリング及び点検のために撮影する数値写真は、航空レーザ計測と同時期に撮影する。

国土交通省告示「作業規程の準則」第544条第1項は「 航空レーザ用数値写真は、空中から地表を撮影した画像データで、フィルタリング及び点検 のために撮影するものとする。」 と規定し、同条第2項は「 航空レーザ用数値写真は、次の各号に留意して撮影するものとする。」と規定し、条文上の「次の各号」の1つである第1号は「 航空レーザ計測と同時期に撮影することを標準とする。」と規定しています。よって、正しいです。

まとめ

この問題は、「作業規程の準則」から3つの選択肢、一般常識から2つの選択肢で構成されています。「作業規程の準則」も大事ですが、科学や写真に関する一般的な知識を身につけるることも、得点力アップに役立ちます。

参考になった数0

03

航空レーザ測量についての問題です。

選択肢1. グラウンドデータとは、オリジナルデータから、地表面以外のデータを取り除くフィルタリング処理を行い作成した、地表面の三次元座標データである。

正しい

作業規程の準則第382条には

「グラウンドデータは、オリジナルデータのうち地表面の高さを示すデータのみを抽出したデータを標準とし、オリジナルデータからフィルタリングを行い作成する。」

とあります。

選択肢2. 航空レーザ測量では、主に近赤外波長のレーザ光を用いているため、レーザ計測で得られるデータは雲の影響を受けない。

間違い。

航空レーザーは天候に左右されます。

選択肢3. 対地高度以外の計測諸元が同じ場合、対地高度が高くなると、取得点間距離は長くなる。

正しい。

航空レーザ測量で取得するデータは空中から地表を撮影した画像データであるため、対地高度が高くなると、取得点間距離は広くなります。

選択肢4. 航空レーザ測量システムは、GNSS/IMU装置、レーザ測距装置及び解析ソフトウェアから構成される。

正しい。

作業規程の準則第542条には

「航空レーザ測量システムは、GNSS/IMU装置、レーザ測距装置及び解析ソフトウェアから構成するものとする。」

とあります。

選択肢5. フィルタリング及び点検のために撮影する数値写真は、航空レーザ計測と同時期に撮影する。

正しい。

作業規程の準則第544条には

「航空レーザ用数値写真は、空中から地表を撮影した画像データで、フィルタリング及び点検のために撮影するものとする。

2 航空レーザ用数値写真は、次の各号に留意して撮影するものとする。 一 航空レーザ計測と同時期に撮影することを標準とする。」

とあります。

参考になった数0