登録販売者の過去問
令和元年度(東京都)
医薬品の適正使用と安全対策 問110

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問題

登録販売者試験 令和元年度(東京都) 医薬品の適正使用と安全対策 問110 (訂正依頼・報告はこちら)

次の一般用医薬品の漢方処方製剤等のうち、その添付文書等において、偽アルドステロン症を生じやすいため、「相談すること」の項目中に「高齢者」と記載することとされているものはどれか。
  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
  • 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
  • メトキシフェナミン塩酸塩
  • スコポラミン臭化水素酸塩水和物

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この過去問の解説 (3件)

01

2.小青竜湯はカンゾウを含むため、偽アルドステロン症に注意が必要です。

間違われやすいものとして、1.半夏厚朴湯は、カンゾウを含みません。
体力中等度を目安として、幅広く応用できる漢方処方です。

3.辛夷清肺湯は、小青竜湯と同じ目的で用いられますが、カンゾウを含みません。

4.メトキシフェナミン塩酸塩は、交感神経を刺激するので、心臓病や高血圧、糖尿病、甲状腺機能障害のある人に注意が必要です。

5.スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、抗コリン成分です。
緑内障の人は、服用する前の相談が必要です。

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02

解答:

1.誤
半夏厚朴湯はのどにつかえた感じがあるときに使用されます。
カンゾウを含みません。

2.正
小青竜湯はカンゾウを含有するため、偽アルドステロン症や低カリウム血症に注意が必要です。
偽アルドステロン症はアルドステロン分泌が増加して、体からカリウムが失われ、手足の脱力や多尿などの症状が出てきます。
高齢者や小柄な人がなりやすいと言われています。

3.誤
辛夷清肺湯は鼻づまりなどに使用される漢方製剤で、食欲不振などに注意が必要です。カンゾウは含みません。

4.誤
メトキシフェナミン塩酸塩は気管支を広げ、喘息などに使用します。
眠気やめまいに注意が必要です。

5.誤
スコポラミン臭化水素酸塩水和物は抗コリン成分で消化管の緊張を低下させます。
眠気や目のかすみ、異常なまぶしさなどを引き起こす可能性があるため、運転などは控えるようにします。

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03

偽アルドステロン症は、体内に塩分(ナトリウム)と水が貯留し、体からカリウムが失われることで生じる病態で、副腎皮質からのアルドステロン分泌が増加していないのに、このような状態となることから、偽アルドステロン症と呼ばれます。

偽アルドステロン症を起こす主な原因成分として、グリチルリチン酸、カンゾウが挙げられますが、カンゾウは食品に含まれている場合もあり、複数の医薬品や、医薬品と食品との相互作用によって起こることもあります。

選択肢1. 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

×

半夏厚朴湯は、体力中等度を目安として、幅広く応用できる漢方処方製剤です。

気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気等を伴う不安神経症、神経性胃炎、つわり、咳、しわがれ声、のどのつかえ感に適するとされます。

構成生薬にカンゾウを含まず、偽アルドステロン症や高齢者についての記載はありません。

選択肢2. 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

小青竜湯は、体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出るものの気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症に適するとされる、漢方処方製剤です。

構成生薬にカンゾウを含むため、まれに重篤な副作用として、偽アルドステロン症や、他に肝機能障害、間質性肺炎を起こすことが知られています。

選択肢3. 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)

×

辛夷清肺湯は、体力中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴うものの鼻づまり、慢性鼻炎蓄膿症に適するとされる、漢方処方製剤です。

こちらも構成生薬にカンゾウを含まず、偽アルドステロン症や高齢者についての記載はありません。

選択肢4. メトキシフェナミン塩酸塩

×

メトキシフェナミン塩酸塩は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる、気管支拡張成分です。アドレナリン作動成分とも呼ばれます。

アドレナリン作動成分の共通の注意として、心拍数の増加や末梢血管収縮(血圧上昇)、血糖値の上昇を起こすことがあるため、心臓病、高血圧、糖尿病の診断を受けた人では、使用前に医師又は薬剤師に相談することが望ましいです。

高齢者では、上記の基礎疾患がある場合が多いため、また一般的に心悸亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいため、使用前にその適否を十分に考慮し、慎重に判断されるべきです。

選択肢5. スコポラミン臭化水素酸塩水和物

×

スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、抗コリン成分の一つです。

抗コリン成分の共通の注意として、排尿困難の症状がある人や、心臓病又は緑内障の診断を受けた人では、その症状の悪化を招く恐れがあるため、使用前に医師又は薬剤師に相談します。

こちらも上記4で記載の通り、高齢者では使用前にその適否を十分に考慮し、慎重に判断されるべきです。

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