登録販売者の過去問 令和元年度 医薬品の適正使用と安全対策 問119

小柴胡湯とインターフェロン製剤の併用による、間質性肺炎が報告されました。
この成分は併用が禁忌になり、イエローレターが発出されました。

今ではありえないことですが、当時は、漢方処方では副作用はおきないと考えられていました。

一般の肺炎は細菌感染で起こり、肺胞に炎症を起こします。
薬剤などによっておきる間質性肺炎は、肺胞のみならず、末端の気管支まで慢性炎症が起こる症状です。

間質性肺炎の症状としては、呼吸困難や発熱などが多くなっています。
胸部画像では、スリガラス状の陰影が６割程度で確認できることが特徴です。
医薬品による間質性肺炎は、処置を迅速に行えばほぼ全例で完治します。

正答：1

小柴胡湯（しょうさいことう）による（ａ：間質性肺炎）については、1991年4月以降、使用上の注意に記載されていたが、その後、小柴胡湯と（ｂ：インターフェロン製剤）の併用例による（ａ：間質性肺炎）が報告されたことから、1994年1月、（ｂ：インターフェロン製剤）との併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされた。しかし、それ以降も慢性肝炎患者が小柴胡湯を使用して（ａ：間質性肺炎）が発症し、死亡を含む重篤な転帰に至った例もあったことから、1996年3月、厚生省（当時）より関係製薬企業に対して（ｃ：緊急安全性情報）の配布が指示された。

他に、一般用風邪薬によると疑われる間質性肺炎の発生事例も報告されています。
これに関しては、

・一般用風邪薬は、一般の消費者が自らの選択で購入して使用するものであること
・間質性肺炎は重篤な副作用であり、その初期症状は、一般用風邪薬の効能である風邪の諸症状と区別が難しく、症状が悪化した場合には注意が必要なこと

を踏まえて、一般用風邪薬全般について、使用上の注意の改訂が指示され、注意喚起がなされることになりました。

解答:1

小柴胡湯による（　a.間質性肺炎　）については、1991年4月以降、使用上の注意に記載されていたが、その後、小柴胡湯と（　b.インターフェロン製剤　）の併用例による（　a.間質性肺炎　）が報告されたことから、1994年1月、（　b.インターフェロン製剤　）との併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされた。しかし、それ以降も慢性肝炎患者が小柴胡湯を使用して（　a.間質性肺炎　）が発症し、死亡を含む重篤な転帰に至った例もあったことから、1996年3月、厚生省（当時）より関係製薬企業に対して（　c.緊急安全性情報　）の配布が指示された。

小柴胡湯とインターフェロン製剤は現在は併用禁忌となっています。
間質性肺炎の初期症状は、咳、呼吸困難、発熱などで、小柴胡湯の中止により回復する例がほとんどです。