一般用医薬品の販売時におけるコミュニケーションにおいて、医薬品の販売等に従事する専門家として留意すべき事項に関する問題です。
各選択肢をみながら、解説と照らし合わせてみましょう。
a. 医薬品の販売に従事する専門家においては、購入者等が、自分自身や家族の健康に対する責任感を持ち、適切な医薬品を選択して、適正に使用するよう、働きかけていくことが重要である。
これにより、この選択肢は正解です。
b. 医薬品の販売等に従事する専門家が購入者等から確認しておきたい基本的なポイントとしては、次のような事項が挙げられる。
① 何のためにその医薬品を購入しようとしているか(購入者等のニーズ、購入の動機)
② その医薬品を使用するのは情報提供を受けている当人か、又はその家族等が想定されるか
③ その医薬品を使用する人として、小児や高齢者、妊婦等が想定されるか
④ その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか
⑤ その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか
⑥ その医薬品を使用する人が相互作用や飲み合わせで問題を生じるおそれのある他の医薬品
の使用や食品の摂取をしていないか
なお、第一類医薬品を販売する場合は、③~⑤の事項を販売する薬剤師が確認しなければなら
ず、第二類医薬品を販売する場合は、③~⑤の事項を販売する薬剤師又は登録販売者が確認する
よう努めなければならない。
さらに、一般用医薬品は、すぐに使用する必要に迫られて購入されるとは限らず、家庭におけ
る常備薬として購入されることも多いことから、その販売等に従事する専門家においては、以下
の点に関して把握に努めることが望ましい。
⑦ その医薬品がすぐに使用される状況にあるか(その医薬品によって対処しようとする症状
等が現にあるか)
⑧ 症状等がある場合、それはいつ頃からか、その原因や患部等の特定はなされているか
これにより、この選択肢は正解です。
c. 購入者側の状況を把握するには、医薬品の販売等に従事する専門家から購入者等に尋ねることが少なくないが、会話しやすい雰囲気づくりに努め、購入者等が健康への高い関心を有する生活者として参加意識を持って、医薬品を使用する状況等について自らの意志で伝えてもらえるよう促していくことが重要である。
しかし、購入者自身、何を期待して医薬品を購入するのか漠然としている場合もあり、また、購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しく、コミュニケーションが成立しがたい場合もある。
医薬品の販売等に従事する専門家は、そうした場合であっても、購入者側から医薬品の使用状況に係る情報をできる限り引き出し、可能な情報提供を行っていくためのコミュニケーション技術を身につけるべきである。
例えば、情報提供を受ける購入者等が医薬品を使用する本人で、かつ、現に症状等がある場合には、言葉によるコミュニケーションから得られる情報のほか、その人の状態や様子全般から得られる情報も、状況把握につながる重要な手がかりとなる。
これにより、この選択肢は正解です。
d. 購入者等が医薬品を使用する状況は随時変化する可能性があるため、販売数量は一時期に使用する必要量とする等、販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することも重要である。
これにより、この選択肢は正解です。