登録販売者の過去問
令和5年度(東京都)
医薬品に共通する特性と基本的な知識 問17

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問題

登録販売者試験 令和5年度(東京都) 医薬品に共通する特性と基本的な知識 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a  サリドマイド訴訟は、サリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
b  サリドマイドは、催眠鎮静成分として承認され、鎮静作用を目的として胃腸薬にも配合されていた。
c  サリドマイドの副作用のうち血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体のうち、一方の異性体(S体)のみが有する作用であるため、もう一方の異性体(R体)を分離して製剤化すれば避けることができる。
d  サリドマイドによる薬害事件は、日本のみならず世界的にも問題となったため、WHO加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。
  • a:正  b:正  c:誤  d:正
  • a:誤  b:正  c:誤  d:正
  • a:誤  b:正  c:正  d:誤
  • a:正  b:誤  c:正  d:誤
  • a:誤  b:誤  c:正  d:正

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この過去問の解説 (3件)

01

サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する問題です。

各選択肢をみながら、解説と照らし合わせてみましょう。

 

 

a. 催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。

 

 1963年6月に製薬企業を被告として、さらに1964年12月には国及び製薬企業を被告として提訴され、1974年10月に和解が成立した。

 

これにより、この選択肢は正解です。

 

b. サリドマイドは催眠鎮静成分として承認された(その鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合された)が、副作用として血管新生を妨げる作用もあった。

 

 

これにより、この選択肢は正解です。

 

 

c. 血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体のうち、一方の異性体(S体)のみが有する作用であり、もう一方の異性体(R体)にはなく、また、鎮静作用はR体のみが有するとされている。サリドマイドが摂取されると、R体とS体は体内で相互に転換するため、R体のサリドマイドを分離して製剤化しても催奇形性は避けられない。

 

これにより、「避けることができる。」→「避けられない。

 

よって、この選択肢は誤りです。

 

 

 

d. サリドマイドによる薬害事件は、日本のみならず世界的にも問題となったため、WHO加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。

 

これにより、この選択肢は正解です。

選択肢1. a:正  b:正  c:誤  d:正

正解の選択肢です。

選択肢2. a:誤  b:正  c:誤  d:正

誤りです。

 

正解は、「a:正  b:正  c:誤  d:正」です。

選択肢3. a:誤  b:正  c:正  d:誤

誤りです。

 

正解は、「a:正  b:正  c:誤  d:正」です。

選択肢4. a:正  b:誤  c:正  d:誤

誤りです。

 

正解は、「a:正  b:正  c:誤  d:正」です。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:正  d:正

誤りです。

 

正解は、「a:正  b:正  c:誤  d:正」です。

まとめ

解説はすべて、『登録販売者試験問題の作成に関する手引き』(令和4年3月作成、令和6年4月一部改訂)を参照しています。


 

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02

サリドマイド及びサリドマイド訴訟についての問題です。

選択肢1. a:正  b:正  c:誤  d:正

正解です。

 

・サリドマイド訴訟は、催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟です。

 

・サリドマイドは催眠鎮静成分として承認され、鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合されていました。

 

・サリドマイドの副作用のうち血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体のうち、一方の異性体(S体)のみが有する作用ですが、サリドマイドが摂取されると、R体とS体は体内で相互に転換するため、R体のサリドマイドを分離して製剤化しても催奇形性は避けられません。

 

・サリドマイドによる薬害事件は、日本のみならず世界的にも問題となったため、WHO加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなりました。

まとめ

本解説は、厚生労働省作成「登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和6年4月)」より引用して作成しています。

登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和6年4月):

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082537.html

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03

サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する問題です。

サリドマイドは1950年代後半から1960年代初めに催眠鎮静剤等として

販売されていた薬です。

その薬を妊娠していた女性が使用したことで四肢欠損、

耳の障害等の先天異常児が生まれたことに対し、

製薬会社を相手取り、訴訟が起こりました。

それをサリドマイド訴訟と呼んでいます。

本問題はそれらに関するものです。

 

まず、a~dについてみていきましょう。

 

a.正しいです。文のとおりです。

 

b.正しいです。文のとおりです。

 

c.誤りです。

     血管新生を妨げる作用はS体のみが持っていますが、

     R体とS体は体内で相互に転換するため、

     R体を分離して製造化しても、副作用は避けられません。

 

d.正しいです。文のとおりです。

 

以上を踏まえて、選択肢をみていきましょう。

選択肢1. a:正  b:正  c:誤  d:正

正しい組み合わせです。冒頭を参照ください。

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