通関士の過去問
第49回(平成27年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問103

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

通関士試験 第49回(平成27年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問103 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税法第10章に規定する罰則に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選びなさい。
  • 関税法第67条( 輸出又は輸入の許可 )の申告に際し、偽った書類を提出して貨物を輸入しようとしたが、当該偽った書類を提出したことを当該貨物の輸入の許可前に税関職員に発見された場合は、関税法に基づき罰せられることはない。
  • 法人の代表者が関税法第110条( 関税を免れる等の罪 )に該当する違反行為をしたときは、当該違反行為が当該法人の業務についてのものであれば、当該法人に対して罰金刑は科されるが、行為者である代表者は罰せられることはない。
  • 仕入書を改ざんして不正に関税を免れようとする得意先の輸入担当者から輸入通関の依頼を受けた通関業者が、当該仕入書の改ざんに気づきながらも依頼どおりに税関に申告した場合は、当該通関業者は当該通関業務を代行したことについて関税法に基づき罰せられることがある。
  • 税関長の許可を受けないで金の地金を輸入したとして、関税法第111条第1項第1号( 許可を受けないで輸出入する等の罪 )に基づき罰せられたときは、関税法第118条第1項の規定により当該金の地金は没収される。
  • 輸入された貨物について、当該輸入に係る通関業務を取り扱った通関業者が、関税法第105条第1項第6号( 税関職員の権限 )の規定による税関職員の質問に対して答弁しなかったとしても、答弁するか否かは任意であるので、当該通関業者が関税法に基づき罰せられることはない。
  • 該当なし。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です

1.偽った申告をした者は、処罰の対象になります。

2.実際に犯罪行為を犯した者と、法人の両方を罰する両罰規定が設けられている場合があります。

3.偽った書類を提出して通関業務を行った場合、処罰の対象になります。

4.許可を受けないで輸出入する等の罪の場合、没収の対象になるのは、酒類、製造たばこ、外為法に規定する非自由化品目で経済産業大臣の輸入承認を必要とするものであるにも関わらず承認を受けていない貨物等であり、金の地金は該当しません。

5.税関職員の質問に対して答弁せず、職務の執行を妨害した場合、処分の対象になります。

参考になった数29

02

関税法第10章に規定する罰則に関する設問です。

選択肢1. 関税法第67条( 輸出又は輸入の許可 )の申告に際し、偽った書類を提出して貨物を輸入しようとしたが、当該偽った書類を提出したことを当該貨物の輸入の許可前に税関職員に発見された場合は、関税法に基づき罰せられることはない。

誤っている選択肢です。

偽った書類を提出して貨物を輸入しようとしたが

当該偽った書類を提出したことを当該貨物の輸入の許可前に

税関職員に発見された場合は

「偽った申告をする等して貨物を輸入する罪」の

未遂罪に問われ、罰せられる可能性があります。

選択肢2. 法人の代表者が関税法第110条( 関税を免れる等の罪 )に該当する違反行為をしたときは、当該違反行為が当該法人の業務についてのものであれば、当該法人に対して罰金刑は科されるが、行為者である代表者は罰せられることはない。

誤っている選択肢です。

法人の代表者が関税法第110条( 関税を免れる等の罪 )に該当する違反行為は

当該法人と行為者を罰する両罰規定が設けられています。

選択肢3. 仕入書を改ざんして不正に関税を免れようとする得意先の輸入担当者から輸入通関の依頼を受けた通関業者が、当該仕入書の改ざんに気づきながらも依頼どおりに税関に申告した場合は、当該通関業者は当該通関業務を代行したことについて関税法に基づき罰せられることがある。

正しい選択肢です。

仕入書の改ざんに気づきながらも依頼どおりに税関に申告した場合、

通関業者の偽った申告若しくは証明又は

偽った書類の提出により貨物を輸入することとなるので

通関業者も輸出入者と同様に処罰される対象となります。

選択肢4. 税関長の許可を受けないで金の地金を輸入したとして、関税法第111条第1項第1号( 許可を受けないで輸出入する等の罪 )に基づき罰せられたときは、関税法第118条第1項の規定により当該金の地金は没収される。

誤っている選択肢です。

許可を受けないで輸出入する等の罪の場合、

没収の対象になるのは「酒類」、「製造たばこ」、

「外為法に規定する非自由化品目で経済産業大臣の

輸入承認を必要とするものであるにも関わらず

承認を受けていない貨物等」ですので

金の地金は当該輸入制限貨物等には該当しないため、

没収されることはありません。

選択肢5. 輸入された貨物について、当該輸入に係る通関業務を取り扱った通関業者が、関税法第105条第1項第6号( 税関職員の権限 )の規定による税関職員の質問に対して答弁しなかったとしても、答弁するか否かは任意であるので、当該通関業者が関税法に基づき罰せられることはない。

誤っている選択肢です。

税関職員の質問に対して答弁せず、又は偽りの陳述をした者は

1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処することになっていますので

通関業者であっても税関職員の質問に対して答弁しなかった場合には

処罰されることがあります。

参考になった数14

03

関税法第10章に規定する罰則に関する設問です。

選択肢1. 関税法第67条( 輸出又は輸入の許可 )の申告に際し、偽った書類を提出して貨物を輸入しようとしたが、当該偽った書類を提出したことを当該貨物の輸入の許可前に税関職員に発見された場合は、関税法に基づき罰せられることはない。

誤った内容です。

偽った書類を提出したことが犯罪の実行行為にあたり、罰せられます。(関税法第111条3項)

選択肢2. 法人の代表者が関税法第110条( 関税を免れる等の罪 )に該当する違反行為をしたときは、当該違反行為が当該法人の業務についてのものであれば、当該法人に対して罰金刑は科されるが、行為者である代表者は罰せられることはない。

誤った内容です。

組織的な犯罪の防止のため、行為者だけでなく当該法人も罰せられることがあります。(関税法第117条第1項)

選択肢3. 仕入書を改ざんして不正に関税を免れようとする得意先の輸入担当者から輸入通関の依頼を受けた通関業者が、当該仕入書の改ざんに気づきながらも依頼どおりに税関に申告した場合は、当該通関業者は当該通関業務を代行したことについて関税法に基づき罰せられることがある。

正しい内容です。

仕入書の改ざんに気づきながらも依頼どおりに税関に申告した場合、偽った申告により貨物を輸入することになるので、当該通関業者は当該通関業務を代行したことについて関税法第67条に基づき罰せられることがあります。

選択肢4. 税関長の許可を受けないで金の地金を輸入したとして、関税法第111条第1項第1号( 許可を受けないで輸出入する等の罪 )に基づき罰せられたときは、関税法第118条第1項の規定により当該金の地金は没収される。

誤った内容です。

許可を受けないで輸出入する等の罪に係る貨物のうち、没収の対象になるのは輸入制限貨物等に限られ、金の地金はこれに該当しないため、没収されません。輸入制限貨物とは、酒類、製造たばこ等、外国為替及び外国貿易法その他の法令で輸入の制限を行っている貨物です。

選択肢5. 輸入された貨物について、当該輸入に係る通関業務を取り扱った通関業者が、関税法第105条第1項第6号( 税関職員の権限 )の規定による税関職員の質問に対して答弁しなかったとしても、答弁するか否かは任意であるので、当該通関業者が関税法に基づき罰せられることはない。

誤った内容です。

税関職員の質問に対して答弁せず、又は偽りの陳述をした者は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処することになり、通関業者もこれに該当します。(関税法114条の2第16号)


 

参考になった数5