通関士の過去問
第50回(平成28年)
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問49
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問題
通関士試験 第50回(平成28年) 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問49 (訂正依頼・報告はこちら)
次の情報に基づき、輸入者Xが輸入する椅子400脚について、関税定率法第4条の2に規定する同種又は類似の貨物に係る取引価格による課税価格の決定方法により課税価格を計算し、その額を答えなさい。
輸入者Xは、A国の生産者Pから無償で椅子400脚を輸入する。
上記1の椅子と同種又は類似の輸入貨物に係る取引価格について、次に掲げるものが確認されている。これらはいずれも関税定率法第4条第1項を適用して課税価格を計算することができた事例であり、単価については取引数量により変わらないものであり、保険は付保されていない。
イ 輸入者YがPから同種の貨物600脚を輸入した時の当該貨物の取引価格( CFR価格 )・・・・・・・・・・・・・4,000円 / 脚
ロ XがA国の生産者Qから類似の貨物600脚を輸入した時の当該貨物の取引価格( CFR価格 ) ・・・・・・・・・・3,000円 / 脚
ハ XがA国の生産者Rから同種の貨物500脚を輸入した時の当該貨物の取引価格( CFR価格 ) ・・・・・・・・・・3,500円 / 脚
ニ 輸入者ZがPから同種の貨物600脚を輸入した時の当該貨物の取引価格( CFR価格 )・・・・・・・・・・・・・5,000円 / 脚
Xは、輸入貨物のA国から本邦までの運送に係る保険料として、50,000円を保険会社に支払った。ただし、当該輸入貨物について損害がなかったことから、当該保険料に係る契約に基づき、25,000円が払い戻されることとなった。
輸入者Xは、A国の生産者Pから無償で椅子400脚を輸入する。
上記1の椅子と同種又は類似の輸入貨物に係る取引価格について、次に掲げるものが確認されている。これらはいずれも関税定率法第4条第1項を適用して課税価格を計算することができた事例であり、単価については取引数量により変わらないものであり、保険は付保されていない。
イ 輸入者YがPから同種の貨物600脚を輸入した時の当該貨物の取引価格( CFR価格 )・・・・・・・・・・・・・4,000円 / 脚
ロ XがA国の生産者Qから類似の貨物600脚を輸入した時の当該貨物の取引価格( CFR価格 ) ・・・・・・・・・・3,000円 / 脚
ハ XがA国の生産者Rから同種の貨物500脚を輸入した時の当該貨物の取引価格( CFR価格 ) ・・・・・・・・・・3,500円 / 脚
ニ 輸入者ZがPから同種の貨物600脚を輸入した時の当該貨物の取引価格( CFR価格 )・・・・・・・・・・・・・5,000円 / 脚
Xは、輸入貨物のA国から本邦までの運送に係る保険料として、50,000円を保険会社に支払った。ただし、当該輸入貨物について損害がなかったことから、当該保険料に係る契約に基づき、25,000円が払い戻されることとなった。
- 1525000
- 1615000
- 1624000
- 1625000
- 1626000
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この過去問の解説 (2件)
01
本題は関税定率法第4条の2に規定する同種又は類似の貨物に係る取引価格を計算の基礎として輸入貨物の課税価格を計算します。
イ~ニに掲げられている各種取引価格を計算の基礎に参入するかどうかがカギとなります。
1)過去に関税定率法第4条第1項を適用して課税価格を計算できた取引価格であるので、この基準で排除すべきものはありません。
2)「同種の貨物」と「類似の貨物」の双方の価格がある場合には、「同種の貨物」が優先します。
→ロの優先度が下がります
3)輸入者Xが取引をした生産者が生産した貨物と他の生産者が生産した貨物の双方がある場合には、Xが取引をした生産者が生産した貨物が優先します。→ロとハの優先度が下がります
4)競合する貨物に係る取引価格が2つ以上あるときは、最小のものを選択することとされています。
→二の優先度が下がります
5)単価につき、数量値引きはないので、単価調整は不要です。
以上よりイの4,000円/脚を計算の基礎とするので
CFR価格は4,000円/脚 × 400脚 = 1,600,000円
となります。
輸入者Xが当該輸入貨物に付保した保険料(50,000円のうち、払い戻された25,000円を控除した残りの25,000円)は、「輸入港までの運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用」に関する差異に該当するため、輸入貨物と同種貨物の調整に要する費用であることから、上記2の価格に加算する必要があります。《関税定率法施行令第1条の10第3項で準用する同法施行令第1条の6第2項》
よって 1,600,000円+25,000円=1,625,000円となります。
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02
同種又は類似の貨物に係る取引価格を算出する問題です。
イ > ロ 同種の貨物と類似の貨物の場合、同種の貨物が優先される
イ > ハ 同種の貨物で同じ生産者と違う生産者の場合、同じ生産者が優先される
イ > ニ 取引価格が2つ以上あるときは、最小のもの(今回の場合 4,000円)を選択する
・4,000円 × 400脚 = 1,600,000円 (CFR価格)
・50,000円 - 25,000円 = 25,000円 (保険料の払い戻しが出来る場合は控除)
よって 1,600,000円+25,000円=1,625,000円
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