通関士の過去問
第51回(平成29年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問101
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問題
通関士試験 第51回(平成29年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問101 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述は、関税暫定措置法第8条の2に規定する特恵関税制度に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つ選びなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
- 本邦から輸出された物品のみを原材料として、一の特恵受益国において生産された物品について特恵関税の適用を受けようとする場合には、当該物品に係る原産地証明書のみを税関に提出すればよい。
- 特恵関税の対象物品について関税定率法第8条(不当廉売関税)の規定により不当廉売関税が課されることとなった場合、当該物品については、特恵関税の適用を受けることができない。
- 特恵関税の適用を受けようとする物品の輸入申告の際に原産地証明書を税関長に提出する必要がない場合は、税関長が物品の種類若しくは形状によりその原産地が明らかであると認めた物品又は課税価格の総額が20万円以下の物品である場合に限られる。
- 特別特恵受益国を原産地とする物品については、関税率表に掲げるすべての物品について特恵関税の適用を受けることができ、その税率はすべて無税である。
- 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定において関税の譲許が定められている物品であって、特別特恵受益国を原産地とするものについては、特恵関税の適用を受けることができない物品には指定されていない。
- 該当なし
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この過去問の解説 (3件)
01
正解(正しい)は「包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定において関税の譲許が定められている物品であって、特別特恵受益国を原産地とするものについては、特恵関税の適用を受けることができない物品には指定されていない。」です。
「当該物品の原材料として使用された本邦からの輸出物品の品名及び数量について当該原産地証明書を発給した者が証明した書類」の添付も、必要です。
当該貨物の正常価格と、不当廉売価格との差額に相当する額と同額以下の関税が、課されることとなりますが、特恵関税の適用を受けることができなくなるのではありません(関税暫定措置楊法8条の51項)。
特例申告貨物である場合も、特恵関税の適用を受けようとする物品の輸入申告の際に、原産地証明書を税関長に提出する必要がありません。
ただし、特例申告書に特恵関税の適用を受けようとする旨、及び原産地証明書の発給を受けている旨を、記載することが必要です。
国内産業の事情等を考慮して、特恵関税の適用が除外される物品が、定められています(関税暫定措置法8条の2第3項、別表5)。
この場合、特恵関税の適用を受けることができない物品の指定の対象外とされ、EPA税率と特恵税率のいずれかを適用できます。
特別特恵受益国からの特恵対象物品に対する特別特恵税率は、すべて無税です(関税暫定措置法施行令25条2項7号)。
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02
特恵関税制度に関する問題です。
✖
「当該物品に係る原産地証明書のみを税関に提出すればよい。」という記述が誤っています。
自国関与物品に係る原産地証明書の提出の際に添付しなければならないならない書類があります。
「本邦から輸出された原材料の品名、数量について、原産地証明書を発給した者が証明した書類」を原産地証明書に添付しなければならないないと規定されております。
✖
「特恵関税の適用を受けることができない。」という記述が誤っています。
特恵関税制度の目的は、開発途上国の経済成長を促進することです。
不当廉売制度の目的は、本邦の産業を保護することです。
制度の目的が違いますので、別々の適用条件に満たしていれば、適用できます。
😃不当廉売関税が課されることとなっても、特恵関税の適用を受けることができます。
✖
設問最後の部分「…に限られる」という記述が誤っています。
原産地証明書を税関長に提出する必要がない場合:
1.物品の種類若しくは形状によりその原産地が明らかであると認めた物品
2.課税価格の総額が20万円以下の物品
3.特例申告貨物である物品
✖
「関税率表に掲げるすべての物品について特恵関税の適用を受けることができ、その税率はすべて無税である」という記述が誤っています。
国内の事情から、特恵関税を与えられない品目があります。更に、特恵受益国からの輸入貨物でも無税にならない貨物があります。
😃「すべて」という言葉がでましたら、誤ってる可能性が極めて高いですね。
◯
正しい記述です。
😃キーワード:日本国及び東南アジア諸国連合構成国→特恵関税の適用を受けることができない物品には指定されていない
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03
正答(正しい選択肢)は「包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定において関税の譲許が定められている物品であって、特別特恵受益国を原産地とするものについては、特恵関税の適用を受けることができない物品には指定されていない。」です。
「原産地証明書に記載された物品の生産に使用された日本からの輸入原料に関する証明書」の添付も必要です。
当該貨物の正常価格と不当廉売価格との差額に相当する額と同額以下の関税が課されることとなりますが、
特恵関税の適用を受けることができなくなるのではありません。(関税暫定措置楊法8条の51項)
税関長が物品の種類若しくは形状によりその原産地が明らかであると認めた物品、
又は課税価格の総額が20万円以下の物品である場合、
特例申告貨物の場合も原産地証明書を税関長に提出する必要がありません。
ただし、特例申告書に特恵関税の適用を受けようとする旨、
及び原産地証明書の発給を受けている旨を記載することが必要です。
国内産業の事情等を考慮して特恵関税の適用が除外される物品が定められています。
(関税暫定措置法8条の2第3項、別表5)
この場合、特恵関税の適用を受けることができない物品の指定の対象外とされ、EPA税率と特恵税率のいずれかを適用できます。
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