通関士の過去問
第51回（平成29年）
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問102
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問題
通関士試験 第51回（平成29年） 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問102 （訂正依頼・報告はこちら）
次の記述は、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則により課税価格を決定することができない場合に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つ選びなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
- 関税定率法第4条の2（ 同種又は類似の貨物に係る取引価格による課税価格の決定 ）の規定により輸入貨物の課税価格を計算する場合において、当該輸入貨物の生産者により生産された同種の貨物に係る取引価格と当該生産者以外の者により生産された同種の貨物に係る取引価格の双方があるときは、いずれか高いほうの取引価格が優先される。
- 関税定率法第4条の3（ 国内販売価格又は製造原価に基づく課税価格の決定 ）第1項第1号の規定により輸入貨物の課税価格を計算する場合において、当該輸入貨物と同種又は類似の貨物に係る国内販売価格を用いるときは、当該輸入貨物と同種又は類似の貨物は、当該輸入貨物の生産国で生産されたものでなければならない。
- 関税定率法第4条の3第1項第2号の規定により輸入貨物の課税価格を計算する場合において、当該輸入貨物の国内における加工により付加された価額は当該輸入貨物の国内販売価格から控除される。
- 関税定率法第4条の3第2項の規定により輸入貨物の課税価格を計算する場合において、当該輸入貨物の製造原価には、当該輸入貨物の生産のために買手が無償で提供した鋳型の費用が含まれる。
- 関税定率法第4条の3第1項第1号の規定により輸入貨物の国内販売価格に基づく課税価格の決定方法が適用可能であっても、当該輸入貨物の製造原価を確認することができる場合は、当該輸入貨物を輸入しようとする者が希望する旨を税関長に申し出たときは、製造原価に基づく課税価格の決定方法により、当該輸入貨物の課税価格を計算する。
- 該当なし
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この過去問の解説 （3件）
01
当該輸入貨物の生産者により生産された同種の貨物に係る取引価格と、当該生産者以外の者により生産された同種の貨物に係る取引価格があるときは、前者（当該輸入貨物の生産者により生産された同種の貨物に係る取引価格）によって、当該輸入貨物の課税価格を決定することとされます（いずれか高い方の取引価格が、優先されるわけではありません）（関税定率法施行令１条の10・１項）。
正しい選択肢＝２、３、４、５
２ 当該輸入貨物の生産国で生産されたもの、でなければならないと、限定されています（関税定率法４条の３）。
３ 当該付加された価額は、控除することとされています（関税定率法４条の３・１項２号）。
４ 輸入貨物の生産に関連して、輸入者が無償で、又は値引きをして提供した物品、及び役務の費用も、含まれます。
鋳型の費用もこの費用に含まれます（関税定率法基本通達）。
５ 同計算方法を選択できるとする特別規定があります（関税定率法４条の３・３項）。
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02
課税価格の決定の原則により課税価格を決定することができない場合に関する問題です。
つまり、課税価格決定方法の例外に関する問題ですね。
正しい記述の内容をポイントで覚えましょう。
✖
「いずれか高いほうの取引価格が優先される」という記述が誤っています。
設問の場合は、「輸入貨物の生産者により生産された同種の貨物に係る取引価格が優先する」と規定されております。
😃輸入貨物の生産者が優先されますね。
◯
正しい記述です。
😃輸入貨物と同種又は類似の貨物は、当該輸入貨物の生産国で生産されたものでなければならないと規定されております。
◯
正しい記述です。
国内における加工により付加された価額は当該輸入貨物の国内販売価格から控除されると規定されております。
😃付加価値は、輸入後価値の増加部分です。輸入申告の段階で、この部分の価値がまだないので、控除されるべきですね。
◯
正しい記述です。
買手が無償で提供した鋳型の費用が製造原価に含まれると規定されております。
◯
正しい記述です。
国内販売価格と製造原価の両方が確認できる場合、輸入者の希望により決まります。
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03
正答（誤っている選択肢）は１です。
1.当該輸入貨物の生産者により生産された同種の貨物に係る取引価格と
当該生産者以外の者により生産された同種の貨物に係る取引価格があるときは
当該輸入貨物の生産者により生産された同種の貨物に係る取引価格によって
当該輸入貨物の課税価格を決定することとされます。
（いずれか高い方の取引価格が、優先されるわけではありません）
（関税定率法施行令１条の10・１項）
正しい選択肢＝２・３・４・５
２.輸入貨物と同種又は類似の貨物は当該輸入貨物の生産国で生産されたものでなければならないと限定されています。（関税定率法４条の３）
３.当該付加された価額は控除されます。（関税定率法４条の３・１項２号）
４.輸入貨物の生産に関連して輸入者が無償で又は値引きをして提供した物品、
及び役務の費用も含まれます。
鋳型の費用もこの費用に含まれます。（関税定率法基本通達）
５.当該輸入貨物を輸入しようとする者が希望する旨を税関長に申し出たときは、製造原価に基づく課税価格の決定方法により課税価格を計算します。（関税定率法４条の３・３項）
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