通関士の過去問
第51回(平成29年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問103

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

通関士試験 第51回(平成29年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問103 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、外国為替及び外国貿易法第48条に規定する経済産業大臣の輸出の許可及び承認に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選びなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
  • 一時的に出国する者が、現に使用中の銃砲を携帯して輸出する場合には、経済産業大臣の輸出の許可を要しない。
  • 外国貿易船が自己の用に供する船用品として貨物を輸出しようとする場合には、当該貨物の種類にかかわらず経済産業大臣の輸出の許可を要しない。
  • 税関長は、輸出貿易管理令第2条第1項( 輸出の承認 )の規定による輸出の承認の有効期間を延長することができる。
  • 本邦から輸出された輸出貿易管理令別表第1に掲げる貨物を本邦で修理するために輸入し、当該修理を行った後に再輸出する場合には、当該再輸出が有償で行われるときであっても、経済産業大臣の輸出の許可を要しない。
  • 物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約( ATA条約 )に規定するATAカルネにより輸入された貨物であって、当該ATAカルネにより輸出されるものにあっては、当該貨物の種類にかかわらず経済産業大臣の輸出の承認を要しない。
  • 該当なし

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解(正しい選択肢)は「税関長は、輸出貿易管理令第2条第1項( 輸出の承認 )の規定による輸出の承認の有効期間を延長することができる。」です。

選択肢1. 一時的に出国する者が、現に使用中の銃砲を携帯して輸出する場合には、経済産業大臣の輸出の許可を要しない。

銃砲はどのような場合であっても、経済産業大臣の輸出の許可を要します(輸出貿易管理令4条1項ただし書)。

選択肢2. 外国貿易船が自己の用に供する船用品として貨物を輸出しようとする場合には、当該貨物の種類にかかわらず経済産業大臣の輸出の許可を要しない。

特例除外貨物であるので、経済産業大臣の輸出の許可を要します(輸出貿易管理令4条1項ただし書、同項2号イ)。

選択肢3. 税関長は、輸出貿易管理令第2条第1項( 輸出の承認 )の規定による輸出の承認の有効期間を延長することができる。

輸出の承認の有効期間を延長する権限は、税関長に権限委任されている輸出の承認に対してだけでなく、経済産業大臣が輸出の承認をしたものに対しても、税関長に委任されています(輸出貿易管理令11条2号ニ)。

選択肢4. 本邦から輸出された輸出貿易管理令別表第1に掲げる貨物を本邦で修理するために輸入し、当該修理を行った後に再輸出する場合には、当該再輸出が有償で行われるときであっても、経済産業大臣の輸出の許可を要しない。

無償(有償ではない)で、再輸出するものだけに限られています(輸出貿易管理令4条1項2号ホ)。

選択肢5. 物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約( ATA条約 )に規定するATAカルネにより輸入された貨物であって、当該ATAカルネにより輸出されるものにあっては、当該貨物の種類にかかわらず経済産業大臣の輸出の承認を要しない。

輸出の承認の特例の除外貨物(ダイヤモンド原石、ワシントン条約該当物品等)の場合は、輸出の承認を要します(輸出貿易管理令4条2項ただし書、同項2号、同令別表514号)。

参考になった数20

02

正答(正しい選択肢)は「税関長は、輸出貿易管理令第2条第1項( 輸出の承認 )の規定による輸出の承認の有効期間を延長することができる。」です。

選択肢1. 一時的に出国する者が、現に使用中の銃砲を携帯して輸出する場合には、経済産業大臣の輸出の許可を要しない。

銃砲はいかなる場合であっても経済産業大臣の輸出の許可が必要です。(輸出貿易管理令4条1項ただし書)

選択肢2. 外国貿易船が自己の用に供する船用品として貨物を輸出しようとする場合には、当該貨物の種類にかかわらず経済産業大臣の輸出の許可を要しない。

船用品は特例除外貨物であるので、経済産業大臣の輸出の許可が必要です。(輸出貿易管理令4条1項ただし書、同項2号イ)

選択肢3. 税関長は、輸出貿易管理令第2条第1項( 輸出の承認 )の規定による輸出の承認の有効期間を延長することができる。

輸出の承認の有効期間を延長する権限は原則1回に限り1月の範囲内において税関長に委任されています。(輸出貿易管理令11条2号ニ)

選択肢4. 本邦から輸出された輸出貿易管理令別表第1に掲げる貨物を本邦で修理するために輸入し、当該修理を行った後に再輸出する場合には、当該再輸出が有償で行われるときであっても、経済産業大臣の輸出の許可を要しない。

本邦から輸出された輸出貿易管理令別表第1に掲げる貨物は無償(有償ではない)で

再輸出するものだけに限られています。(輸出貿易管理令4条1項2号ホ)

選択肢5. 物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約( ATA条約 )に規定するATAカルネにより輸入された貨物であって、当該ATAカルネにより輸出されるものにあっては、当該貨物の種類にかかわらず経済産業大臣の輸出の承認を要しない。

輸出の承認の特例の除外貨物(ダイヤモンド原石、ワシントン条約該当物品等)の場合は

輸出の承認が必要です。(輸出貿易管理令4条2項ただし書、同項2号、同令別表514号)

参考になった数9

03

経済産業大臣の輸出の許可及び承認に関する問題です。

輸出の許可:国際的な平和及び安全の維持のための制度です。

輸出の承認:国際収支の均衡維持のための制度です。

選択肢1. 一時的に出国する者が、現に使用中の銃砲を携帯して輸出する場合には、経済産業大臣の輸出の許可を要しない。

銃砲を輸出する場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならないと規定されております。

😃銃砲は、平和及び安全に関係ありますからね。

選択肢2. 外国貿易船が自己の用に供する船用品として貨物を輸出しようとする場合には、当該貨物の種類にかかわらず経済産業大臣の輸出の許可を要しない。

当該貨物の種類にかかわらず」という記述が誤っています。

外国貿易船が自己の用に供する船用品は、輸出の許可を要しないと規定されております。

但し、銃砲や爆発物等は、経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならないです。

選択肢3. 税関長は、輸出貿易管理令第2条第1項( 輸出の承認 )の規定による輸出の承認の有効期間を延長することができる。

正しい記述です。

輸出の承認の有効期間は、原則として6月とします。経済産業大臣は、特に必要があると認めるときは、その有効期限を延長することができます。更に、この延長する権限を税関長に委任しています。

 

選択肢4. 本邦から輸出された輸出貿易管理令別表第1に掲げる貨物を本邦で修理するために輸入し、当該修理を行った後に再輸出する場合には、当該再輸出が有償で行われるときであっても、経済産業大臣の輸出の許可を要しない。

当該再輸出が有償で行われるときであっても、経済産業大臣の輸出の許可を要しない。」という記述が誤っています。

設問の場合は、「当該再輸出が有償で行われる」ことは、輸出の許可を要しないことの条件です。

選択肢5. 物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約( ATA条約 )に規定するATAカルネにより輸入された貨物であって、当該ATAカルネにより輸出されるものにあっては、当該貨物の種類にかかわらず経済産業大臣の輸出の承認を要しない。

当該貨物の種類にかかわらず」という記述が誤っています。

ATAカルネにより輸出されるものについて、輸出承認の特例貨物に該当する場合のみ、経済産業大臣の輸出の承認を要しないことになっています。

「ATAカルネにより輸出されるものにあっては、当該貨物の種類にかかわらず経済産業大臣の輸出の承認を要しない。」という規定はありません。

😃ダイヤモンドの原石を特別の例として覚えましょう。⇒輸出承認の特例貨物の対象外

 

 

参考になった数6