通関士の過去問
第52回(平成30年)
通関業法 問27

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問題

通関士試験 第52回(平成30年) 通関業法 問27 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、通関業の許可に基づく地位の承継に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
  • 財務大臣が通関業の許可に基づく地位の承継を承認するに際し、当該承認をしようとする承継に係る通関業の許可にその取り扱う通関業務に係る貨物について一定の種類の貨物のみに限る条件が付されている場合には、財務大臣は、これを取り消し、変更することはできず、引き続き、当該承継後の許可に当該条件が付されることとなる。
  • 通関業者について合併があった場合において、あらかじめ財務大臣の承認を受けたときは、合併後存続する法人は、当該合併により消滅した法人の通関業の許可に基づく地位を承継することができる。
  • 通関業者が通関業を譲り渡す場合において、当該通関業を譲り渡そうとする法人の役員が継続して譲り受ける法人の役員となるときは、あらかじめ財務大臣に届け出ることにより、当該通関業を譲り受ける法人が当該通関業を譲り渡す法人の当該通関業の許可に基づく地位を承継することができる。
  • 通関業者について相続があったときは、その相続人(相続人が2人以上ある場合において、その全員の同意により通関業の許可に基づく地位を承継すべき相続人を選定したときは、その者)は、被相続人の当該許可に基づく地位を承継する。
  • 通関業者について分割があり、あらかじめ財務大臣の承認を受けて、当該分割により通関業を承継した法人が当該分割をした法人の当該通関業の許可に基づく地位を承継した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該分割をした法人が引き続き当該許可を受けているものとみなすこととされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

通関業法の通関業の許可に基づく地位の承継に関する問題です。

選択肢1. 財務大臣が通関業の許可に基づく地位の承継を承認するに際し、当該承認をしようとする承継に係る通関業の許可にその取り扱う通関業務に係る貨物について一定の種類の貨物のみに限る条件が付されている場合には、財務大臣は、これを取り消し、変更することはできず、引き続き、当該承継後の許可に当該条件が付されることとなる。

誤った内容です。

通関業法11条の2に財務大臣は、第二項又は第四項の規定により承認をするに際しては、当該承認をしようとする承継に係る通関業の許可について第三条第二項の規定に基づき付された条件を取り消し、変更し、又は新たに条件を付することができるとされております。

選択肢2. 通関業者について合併があった場合において、あらかじめ財務大臣の承認を受けたときは、合併後存続する法人は、当該合併により消滅した法人の通関業の許可に基づく地位を承継することができる。

正しい内容です。

通関業法11条の2、4項に本問の内容が規定されております。

選択肢3. 通関業者が通関業を譲り渡す場合において、当該通関業を譲り渡そうとする法人の役員が継続して譲り受ける法人の役員となるときは、あらかじめ財務大臣に届け出ることにより、当該通関業を譲り受ける法人が当該通関業を譲り渡す法人の当該通関業の許可に基づく地位を承継することができる。

誤った内容です。

通関業法第11条2の4項に、通関業者について合併若しくは分割があつた場合又は通関業者が通関業を譲り渡した場合において、あらかじめ財務大臣の承認を受けたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により通関業を承継した法人又は通関業を譲り受けた者は、当該通関業の許可に基づく地位を承継することができるとされております。

本問の内容のような、法人の役員に関しての規定はありません。

選択肢4. 通関業者について相続があったときは、その相続人(相続人が2人以上ある場合において、その全員の同意により通関業の許可に基づく地位を承継すべき相続人を選定したときは、その者)は、被相続人の当該許可に基づく地位を承継する。

正しい内容です。

通関業法11条の2に、通関業者について相続があつたときは、その相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により通関業の許可に基づく地位を承継すべき相続人を選定したときは、その者)は、被相続人の当該許可に基づく地位を承継すると規定されております。

選択肢5. 通関業者について分割があり、あらかじめ財務大臣の承認を受けて、当該分割により通関業を承継した法人が当該分割をした法人の当該通関業の許可に基づく地位を承継した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該分割をした法人が引き続き当該許可を受けているものとみなすこととされている。

誤った内容です。

進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該分割をした法人が引き続き当該許可を受けているものとみなすこととされているという規定はありません。

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02

正解(正しい)は2、4です。

2 あらかじめ、「所要の事項」を記載した「通関業許可の承継の承認申請書」を財務大臣に提出し、その承認を受けたときは、合併後存続する法人は、当該合併により消滅した法人の通関業の許可に基づく地位を、承継することができます(通関業法11条の2・4項)。

「所定の事項」とは以下です。

・被相続人である通関業者の氏名及び住所

・相続があつた年月日

・その他参考となるべき事項
(通関業法施行令3条2項)。


4 通関業者について相続があった場合には、その相続人は、被相続人の通関業の許可に基づく地位を、承継できます。

通関業を継続する場合には、被相続人の死亡後60日以内に、その承継について財務大臣に承認の申請をすることが必要です(通関業法11条の2・1項、2項)。


誤った選択肢=1.3.5

1 財務大臣は、通関業の許可の承継について承認をするに際しては、必要に応じて当該通関業の許可について付された条件を取り消し、変更し、又は新たに条件を付することができます(通関業法11条の2・6項)。

3・5 選択肢のような規定はありません。

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03

通関業の許可に基づく地位の承継に関する問題です。

選択肢1. 財務大臣が通関業の許可に基づく地位の承継を承認するに際し、当該承認をしようとする承継に係る通関業の許可にその取り扱う通関業務に係る貨物について一定の種類の貨物のみに限る条件が付されている場合には、財務大臣は、これを取り消し、変更することはできず、引き続き、当該承継後の許可に当該条件が付されることとなる。

不正解です。

通関業法11条の2・6項に、

財務大臣は、第二項又は第四項の規定により承認をするに際しては、当該承認をしようとする承継に係る通関業の許可について第三条第二項(第八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に基づき付された条件(この項の規定に基づき変更され、又は新たに付された条件を含む。)を取り消し、変更し、又は新たに条件を付することができる。この場合においては、第三条第三項の規定を準用する。

と、規定されています。

選択肢2. 通関業者について合併があった場合において、あらかじめ財務大臣の承認を受けたときは、合併後存続する法人は、当該合併により消滅した法人の通関業の許可に基づく地位を承継することができる。

正解です。

通関業法11条の2、4項に本問の内容が規定されています。

選択肢3. 通関業者が通関業を譲り渡す場合において、当該通関業を譲り渡そうとする法人の役員が継続して譲り受ける法人の役員となるときは、あらかじめ財務大臣に届け出ることにより、当該通関業を譲り受ける法人が当該通関業を譲り渡す法人の当該通関業の許可に基づく地位を承継することができる。

不正解です。

通関業法第11条2の4項に、

通関業者について合併若しくは分割(通関業を承継させるものに限る。)があつた場合又は通関業者が通関業を譲り渡した場合において、政令で定めるところによりあらかじめ財務大臣の承認を受けたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により通関業を承継した法人又は通関業を譲り受けた者(次項において「合併後の法人等」という。)は、第十条第一項第一号又は第三号の規定にかかわらず、当該合併により消滅した法人若しくは当該分割をした法人又は当該通関業を譲り渡した者の当該通関業の許可に基づく地位を承継することができる。

と、規定されています。

選択肢4. 通関業者について相続があったときは、その相続人(相続人が2人以上ある場合において、その全員の同意により通関業の許可に基づく地位を承継すべき相続人を選定したときは、その者)は、被相続人の当該許可に基づく地位を承継する。

正解です。

通関業法11条の2に本問の内容が規定されています。

選択肢5. 通関業者について分割があり、あらかじめ財務大臣の承認を受けて、当該分割により通関業を承継した法人が当該分割をした法人の当該通関業の許可に基づく地位を承継した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該分割をした法人が引き続き当該許可を受けているものとみなすこととされている。

不正解です。

選択肢のような規定はありません。

参考になった数6