通関士の過去問
第53回(令和元年)
通関業法 問32
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問題
通関士試験 第53回(令和元年) 通関業法 問32 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述は、通関業の許可及び営業所の新設に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」をマークしなさい。
- 通関業の許可に条件が付されている通関業者が、当該条件の範囲を超えて通関業務を行う営業所を新たに設けようとする場合において、当該通関業者が認定通関業者であるときは、その通関業の許可の条件を変更することを要しない。
- 通関業者の通関業の許可に条件が付されていない場合において、財務大臣が当該通関業者の通関業務を行う営業所の新設について許可を行うときは、その営業所の新設についての許可に条件を付すことはできない。
- 通関業者の通関業務に従事する通関士及びその他の通関業務の従業者が情報通信機器を活用して、労働時間の全部又は一部において、自宅で通関業務に従事する勤務形態(在宅勤務)を導入する場合においては、当該勤務場所(自宅)は当該従業者の所属する営業所の一部となることとされており、当該勤務場所について通関業法第8条に規定する営業所の新設に係る手続は要しない。
- 認定通関業者である通関業者が通関業務を行う営業所を新たに設けようとするときは、当該営業所の名称及び所在地を記載した許可申請書を財務大臣に提出し許可を受けなければならない。
- 財務大臣が通関業者に対する監督処分として通関業の許可を取り消した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該許可を受けていた者が引き続き当該許可を受けているものとみなすこととされている。
- 該当なし
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3となります。
【解説】
通関業の許可及び営業所に関するものですが、最近のコロナウィルスの影響により在宅勤務を国が推奨していることから、3番目の選択肢のような問題を作成者は好んで出してくる可能性があります。在宅勤務についてはしっかりと抑えていきましょう。
1.誤りです。
通関業法第9条より、認定通関業者である通関業者は、通関業務を行う営業所の新設を財務大臣に届け出ることとされています。しかし、認定業者であっても通関業の許可が付されている場合は、同法基本通達9-1(4)より、通関業の許可の条件の変更を申請する必要があるので、通関業の許可の条件を変更することを要しないことはありません。
2.誤りです。
通関業法第8条より、通関業の許可を受けた者が通関業務を行う営業所を新たに設けようとするときは、同法第3条第2項を準用するとあるので条件を付すことができます。
3.正解です。
通関業法基本通達8-1なお書きより、通関業者の通関業務に従事する通関士及びその他の通関業務の従業者が情報通信機器を活用して、労働時間の全部又は一部において、自宅で通関業務に従事する勤務形態(在宅勤務)を導入する場合において、当該勤務場所(自宅)は当該従業者の所属する営業所の一部となることとされており、当該勤務場所について通関業法第8条に規定する営業所の新設に係る手続きは要しません。
4.誤りです。
通関業法第9条第1項より、認定通関業者である通関業者は、通関業務を行う営業所の新設を財務大臣に届け出ることとされています。
5.誤りです。
許可の消滅(通関業法第10条)と許可の取消し(通関業法第11条)の混同問題です。通関業法第10条第3項より、通関業の許可が消滅した場合は引き続き当該許可を引き継いだ者が許可を受けた者とみなされます。一方で財務大臣から許可を取り消される場合は、不正もしくは同法第6条の欠格事由によるものなので許可を受けてるとみなすことができません。
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02
通関業の許可及び営業所の新設に関する問題です。
誤った内容です。
通関業法第9条に、認定通関業者である通関業者は、通関業務を行う営業所を新たに設けようとする場合には、政令で定めるところにより、財務大臣に、その旨を届け出ることができるとされております。
ですが、認定通関業者であっても通関業の許可が付されている場合は、通関業の許可の条件の変更を申請する必要があります。
誤った内容です。
通関業者の通関業の許可に条件が付されていない場合において、財務大臣が当該通関業者の通関業務を行う営業所の新設について許可を行うときは、その営業所の新設についての許可のみ条件を付することが出来るとされております。
正しい内容です。
通関業法基本通達8-1に、通関業者の通関業務に従事する通関士及びその他の通関業務の従業者が情報通信機器を活用して、労働時間の全部又は一部において、自宅で通関業務に従事する勤務形態(以下「在宅勤務」という。)を導入する場合においては、当該勤務場所(自宅)は当該従業者の所属する営業所の一部となるので留意する。この場合、同条又は法第9条((営業所の新設に係る許可の特例))に規定する手続は要しないと規定されております。
誤った内容です。
認定通関業者である通関業者は、通関業務を行う営業所の新設を財務大臣に届け出ることとされています。
誤った内容です。
財務大臣から許可を取り消される場合は、第6条の欠格事由に該当するものですので、引き続き許可を受けることはできません。
なお、通関業の許可が消滅した場合は、当該許可を引き継いだ者が引き続き許可を受けることができます。
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03
本問は、通関業の許可と営業所の新設の手続きについての知識を問う問題です。
誤り
認定通関業者の営業所新設の手続きについて定めている通関業法9条、通関業法施行令2条にも、通関業の許可の規定(通関業法3条)にも本肢のような場合についての規定はありません。
よって、原則通り、通関業の許可に条件が付されている場合、条件が変更されない限り、通関業者は、その条件の範囲を超えた業務を行うことはできず、条件の範囲を超えて通関業務を行う営業所を新設することもできません。
この点、認定通関業者でない通関業者についての営業所新設について定める通関業法8条に関し、通関業法基本通達8-2⑸では、「通関業の許可に条件が付されている場合において、当該条件の範囲を超えて通関業務を行う営業所を新たに設けようとするときは、通関業の許可の条件変更を要する」と規定されています。
また、「当初の通関業の許可の条件が、特定の営業所のみについて付されるものであるときは、当初の許可の条件の変更は、要しない。」とされていますので、許可の条件の内容が新設する営業所にもかかってくるか、についても注意が必要です。
誤り
営業所の新設の許可に、財務大臣は条件を付することができ(通関業法8条2項、3条2項)、その際、通関業者の通関業の許可に条件が付されていることは必要とされていません。
正しい
通関業法基本通達8-1なお書きの文言通りです。
また、通関業者が認定通関業者の場合も、通関業法9条の営業所新設の許可は不要です。
誤り
「許可申請書」とされている部分が誤りです。
認定通関業者が営業所を新設する場合は、届出書を財務大臣に提出することとされています(通関業法9条、通関業法施行令2条)。
認定通関業者は、通関業務その他の輸出及び輸入に関する業務を適正かつ確実に遂行することができるものと認められる旨、税関長の認定を受けているので、許可申請(営業所新設が認められないことがある)よりも緩やかな手続きである届出(基本的に届け出たとおり営業所新設できる)で足りるということです。
誤り
通関業法10条3項に規定されている通りです。
条文に記載されていない内容が問われていますが、在宅勤務における自宅が営業所の一部になるものとされること、条件を超えて業務することはできないこと、といったことを押さえてあれば正解できると考えられます。
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