通関士の過去問
第53回(令和元年)
通関業法 問33

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問題

通関士試験 第53回(令和元年) 通関業法 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、通関業法第10条に規定する通関業の許可の消滅及び同法第11条に規定する通関業の許可の取消しに関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」をマークしなさい。
  • 通関業者である法人が合併により解散し、その通関業の許可が消滅した場合には、当該法人を代表する役員であった者が、遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければならない。
  • 通関業者が破産手続開始の決定を受け、その通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、破産管財人が引き続き当該許可を受けているものとみなす。
  • 通関業者が偽りその他不正の手段により通関業の許可を受けたことが判明したときは、その通関業の許可は消滅する。
  • 通関業者である法人が合併により解散し、その通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該法人を代表する役員であった者が引き続き当該許可を受けているものとみなす。
  • 通関業者が関税法第111条(許可を受けないで輸出入する等の罪)の規定に該当する違反行為をして同法の規定により通告処分を受けた者に該当するに至ったときは、その通関業の許可は消滅する。
  • 該当なし

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1となります。

【解説】
通関業法第10条に規定する通関業の許可の消滅及び同法11条に規定する通関業許可の取消しに関するものです。両者の違いは、通関業の許可が何等かの理由で自然に消えたか、もしくは(不正若しくは資格を奪われるような事由に該当して)財務大臣に許可を意図的に消されるようになったかの違いです。両者の違いをしっかり見極めて法令を理解しましょう。

1. 正解です。
通関業法第12条第3項及び同法施行令第4条4項より、通関業者である法人が合併により解散し、その通関業の許可が消滅した場合には当該法人を代表する役員であった者が、遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければならないとあります。

2. 誤りです。
同法第10条第3項により、通関業者が破産手続きの開始の決定を受け、その通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の手続きがあるときは、当該手続きについては、当該許可を受けていたものが引き続き当該許可を受けているものとみなすとあります。

3. 誤りです。
同法第11条第1項により、通関業者が偽りその他不正の手段により通関業の許可を受けたことが判明したときは、財務大臣はその許可を取り消すことができますが、消滅するとはありません。

4. 誤りです。
通関業者である法人が合併により解散し、その通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続きについては、合併後存続する法人又は合併により設立された法人が引き続き当該許可を受けているとみなすとあります。

5. 誤りです。
同法第11条第2項により、欠格事由の一つである同法6条第4項イの通関業者が関税法第111条の規定に該当する違反行為をして通告処分を受けた者に該当するに至ったときは、財務大臣はその通関業の許可を取り消すことができるとあります。(消滅はしません。)

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02

通関業の許可の消滅及び許可の取消しに関する問題です。

選択肢1. 通関業者である法人が合併により解散し、その通関業の許可が消滅した場合には、当該法人を代表する役員であった者が、遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければならない。

正しい内容です。

通関業法第12条に、通関業者である法人が合併により解散し、その通関業の許可が消滅した場合には、当該法人を代表する役員であった者が、遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければならないと規定されております。

選択肢2. 通関業者が破産手続開始の決定を受け、その通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、破産管財人が引き続き当該許可を受けているものとみなす。

誤った内容です。

通関業法第10条3号に、通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該許可を受けていた者(その者が死亡した場合には、その相続人とし、法人が合併により消滅した場合には、合併後存続する法人又は合併により設立された法人とする。)が引き続き当該許可を受けているものとみなすとされております。

選択肢3. 通関業者が偽りその他不正の手段により通関業の許可を受けたことが判明したときは、その通関業の許可は消滅する。

誤った内容です。

通関業法第11条に、偽りその他不正の手段により通関業の許可を受けたことが判明したとき、通関業の許可は消滅するではなく、財務大臣は、その許可を取り消すことができるとされております。

また、財務大臣は、通関業の許可の取消しをしようとするときは、審査委員の意見を聴かなければならないとされております。

選択肢4. 通関業者である法人が合併により解散し、その通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該法人を代表する役員であった者が引き続き当該許可を受けているものとみなす。

誤った内容です。

通関業法第10条3号に、通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該許可を受けていた者(その者が死亡した場合には、その相続人とし、法人が合併により消滅した場合には、合併後存続する法人又は合併により設立された法人とする。)が引き続き当該許可を受けているものとみなすとされております。

選択肢5. 通関業者が関税法第111条(許可を受けないで輸出入する等の罪)の規定に該当する違反行為をして同法の規定により通告処分を受けた者に該当するに至ったときは、その通関業の許可は消滅する。

誤った内容です。

通関業法第11条に、関税法第111条(許可を受けないで輸出入する等の罪)の規定に該当する違反行為をして同法の規定により通告処分を受けた者に該当するに至ったときは通関業の許可は消滅するのではなく、財務大臣は、その許可を取り消すことができるとされております。

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03

本問は、通関業の許可が消滅する場合と取り消される場合の手続きについての知識を問う問題です。

選択肢1. 通関業者である法人が合併により解散し、その通関業の許可が消滅した場合には、当該法人を代表する役員であった者が、遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければならない。

正しい

通関業者である法人が合併により解散した場合、通関業の許可について消滅の届け出義務者は「通関業者であつた法人を代表する役員であつた者」です(通関業法10条1項、12条3号、通関業法施行令4条4号)。

また、届け出については「遅滞なくその旨を財務大臣に届け出なければならない」と規定されています(通関業法12条柱書)。

選択肢2. 通関業者が破産手続開始の決定を受け、その通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、破産管財人が引き続き当該許可を受けているものとみなす。

誤り

引き続き当該許可を受けているものが「破産管財人」とされている部分が誤りです。

通関業法10条3項で「通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該許可を受けていた者(中略)が引き続き当該許可を受けているものとみなす。」と規定されています。

 

なお、許可消滅の届出義務者は破産管財人です(通関業法施行令4条3号)。

選択肢3. 通関業者が偽りその他不正の手段により通関業の許可を受けたことが判明したときは、その通関業の許可は消滅する。

誤り

「偽りその他不正の手段により通関業の許可を受けたことが判明したとき」、財務大臣は許可を取消すことができる、とされています(通関業法11条1項1号)。

選択肢4. 通関業者である法人が合併により解散し、その通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該法人を代表する役員であった者が引き続き当該許可を受けているものとみなす。

誤り

通関業法10条3項で「通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該許可を受けていた者((中略)法人が合併により消滅した場合には、合併後存続する法人又は合併により設立された法人とする。)が引き続き当該許可を受けているものとみなす。」と規定されています。

選択肢5. 通関業者が関税法第111条(許可を受けないで輸出入する等の罪)の規定に該当する違反行為をして同法の規定により通告処分を受けた者に該当するに至ったときは、その通関業の許可は消滅する。

誤り

「通関業の許可は消滅する」とあるところが誤りです。

通関業者が関税法111条に違反して通告処分を受けた場合、財務大臣は通関業の許可を取り消すことができます(通関業法11条1項2号、6条4号イ)。

まとめ

消滅と取消についてまとめておきます。

 

消滅:財務大臣の行為なしで効果が発生。原因となる事由が明らかで財務大臣の判断が不要。

  ・通関業の廃止や死亡(通関業務が継続できないことが明らか)

  ・破産手続開始の決定を受けたとき(裁判所の決定があり明らか)

 

取消:財務大臣の取消という行為によって消滅の効果を発生させる。原因となる事由に該当するかの判断が必要、審査委員の意見を聴いて行われる。

  ・偽りその他不正の手段により通関業の許可を受けたことが判明したとき

  ・欠格事由に該当するに至つたとき

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