通関士の過去問
第53回(令和元年)
通関業法 問37
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問題
通関士試験 第53回(令和元年) 通関業法 問37 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述は、通関業法第22条に規定する通関業者の記帳、届出、報告等に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「該当なし」をマークしなさい。
- 通関業者は、その取扱いに係る関連業務に関する書類をその作成の日後3年間保存しなければならない。
- 通関業者は、通関士その他の通関業務の従業者(当該通関業者が法人である場合には、通関業務を担当する役員及び通関士その他の通関業務の従業者)の氏名及びその異動を財務大臣に届け出なければならないこととされており、この「通関業務の従業者」とは、通関業者において通関業務に携わる従業者全員をいい、当該通関業者に所属しているものの通関業務に関与していない者(例えば経理事務や施設管理のための庶務作業のみを行う者等。)については含まないこととされている。
- 通関業者は、通関士その他の通関業務の従業者(当該通関業者が法人である場合には、通関業務を担当する役員及び通関士その他の通関業務の従業者)の氏名及びその異動を財務大臣に届け出なければならないが、当該通関業者が認定通関業者である場合にはこれを要しない。
- 通関業者が保存しなければならないこととされているその取扱いに係る通関業務に関する書類は、「通関業務に関し税関官署又は財務大臣に提出した申告書、申請書、不服申立書その他これらに準ずる書類の写し」「通関業務に関し、依頼者から依頼を受けたことを証する書類」「通関業務に関する料金の受領を証する書類の写し」である。
- 法人である通関業者が提出する定期報告書(その取扱いに係る通関業務及び関連業務の件数、これらについて受けた料金の額その他通関業務及び関連業務に係る事項を記載した報告書)には、報告期間に係る事業年度の貸借対照表及び損益計算書を添付しなければならない。
- 該当なし
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この過去問の解説 (3件)
01
通関業法第22条の記帳、届出、報告等に関してです。第1項に、通関業務と関連業務の両方に関して帳簿を設けて、記帳、届出、報告等の義務は負いますので注意しましょう。
1.正しいです。
通関業法第22項第1項に、通関業者は、政令で定めるところにより、(関連業務を含む)通関業務に関して帳簿を設け、通関業務に関する書類を一定期間保存しないといけないとあります。また、通関業法施行令第8条3項に、帳簿及び書類は、閉鎖の日または作成の日後3年間保存しなければいけないとあります。
2.正しいです。
通関業法第22項第2項より、通関業者は通関士その他の通関業務の従事者の氏名及びその異動を財務大臣に届け出なければいけないとあります。しかしながら、同法基本通達22-1(3)に、通関業務の従業者の規定があり、例えば経理事務や施設管理の庶務作業のみを行う者等の通関業務に所属しながらも通関業務に従事していない者は含まないとあります。
3.誤りです。
通関業法第22項第2項より、通関業者は通関士その他の通関業務の従事者の氏名及びその異動を財務大臣に届け出なければいけないとあります。しかしながら、認定通関業者であれば届ける必要がないという例外規定は設けていません。
4.正しいです。
通関業法施行令第8条第2項1~3に、保存しなければいけないとされている書類が記載されています。保存しなければいけない書類は設問の通りです。
5.正しいです。
通関業法施行令第10条第2項に、通関業者が財務大臣にする定期報告書には、報告期間に係る事業年度の貸借対照表及び損益計算書を添付しなければいけないとあります。
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02
通関業法に規定されている、通関業者の記帳、届出、報告等に関する問題です。
正しい内容です。
通関業法施行令第8条3項に、帳簿及び書類は、それぞれその閉鎖の日又は作成の日後三年間保存しなければならないと規定されております。
正しい内容です。
当該通関業者に所属しているものの通関業務に関与していない者(例えば経理事務や施設管理のための庶務作業のみを行う者等。)については含まないこととされております。
誤った内容です。
当該通関業者が認定通関業者である場合にはこれを要しないという例外規定はありません。
正しい内容です。
通関業法施行令第8条に、帳簿には、通関業者の通関業務を行う営業所ごとに、その営業所において取り扱つた通関業務の種類に応じ、その取り扱った件数及び受ける料金を記載するとともに、その一件ごとに、依頼者の氏名又は名称、貨物の品名及び数量、通関業務に係る申告書、申請書、不服申立書その他これらに準ずる書類の税関官署又は財務大臣への提出年月日、その受理番号、通関業務につき受ける料金の額その他参考となるべき事項を記載しなければならないと規定されております。
正しい内容です。
通関業法施行令第10条2項に、法人である通関業者が提出する定期報告書には、報告期間に係る事業年度の貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならないと規定されております。
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03
本問は、通関業者の義務のうち、保存すべき書類と届出や報告の手続きについての知識を問う問題です。
正しい
「取扱いに係る関連業務に関する書類」は作成の日後「3年間」保存しなければならないことが規定されています(通関業法22条1項、通関業法施行令8条3項)。
※通関業法22条1項に「通関業務(第7条に規定する関連業務を含む。以下この項及び第3項において同じ。)」とある。
正しい
「通関業者は、政令で定めるところにより、通関士その他の通関業務の従業者(当該通関業者が法人である場合には、通関業務を担当する役員及び通関士その他の通関業務の従業者)の氏名及びその異動を財務大臣に届け出なければならない。」と規定されています(通関業法22条2項)。
そして、「通関業務の従業者」とは、「通関業者において通関業務に携わる従業者全員をいい、当該通関業者に所属しているものの通関業務に関与していない者(例えば経理事務や施設管理のための庶務作業のみを行う者等。)については、含まない。」とされています(通関業法基本通達22-1(3))。
誤り
「当該通関業者が認定通関業者である場合にはこれを要しない」という部分が誤りです。
「通関業者は、政令で定めるところにより、通関士その他の通関業務の従業者(当該通関業者が法人である場合には、通関業務を担当する役員及び通関士その他の通関業務の従業者)の氏名及びその異動を財務大臣に届け出なければならない。」と規定されています(通関業法22条2項)。
そして、この届出に関して認定通関業者の場合の特段の定めはありません。
正しい
通関業法施行令8条2項各号の文言通りです。
通関業者が保存しなければならない「その取扱いに係る通関業務に関する書類」(通関業法22条1項)については、通関業法施行令8条2項に規定されています。
正しい
通関業法22条3項、通関業法施行令10条2項の文言通りです。
通関業者の定期報告については、「その取扱いに係る通関業務の件数、これらについて受けた料金の額その他通関業務に係る事項を記載した報告書を毎年一回財務大臣に提出しなければならない」と規定されています(通関業法22条3項)。
そして、手続きや記載事項については、以下のように通関業法施行令10条で規定されています。
・通関業者の事業年度(「報告期間」という。個人である通関業者については、歴年)ごとに作成。
・翌年6月30日までに提出。
・記載事項
・報告期間中に取り扱った通関業務について種類別の件数及び受ける料金の額
・報告期間中の通関業務に関する支出の総額、その内訳
・報告期間の末日における通関業務の用に供される資産の明細
・その他参考となるべき事項
・法人である通関業者は、報告期間に係る事業年度の貸借対照表及び損益計算書を添附
保存すべき書類についてまとめておきます。
(通関業法22条1項、通関業法施行令8条1項・2項)
※保存期間は帳簿閉鎖の日または作成の日後3年間
●通関業務に関して設けた帳簿
●通関業務に関する書類
・通関業務に関し税関官署又は財務大臣に提出した申告書、申請書、不服申立書その他これらに準ずる書類の写し
・通関業務に関し、依頼者から依頼を受けたことを証する書類
・通関業務に関する料金の受領を証する書類の写し
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