通関士の過去問
第53回(令和元年)
通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問46
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問題
通関士試験 第53回(令和元年) 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問46 (訂正依頼・報告はこちら)
外国貨物について輸入(納税)申告をし、輸入の許可を受けたが、当該許可後において下表1のとおり課税標準額及び適用税率に誤りがあることが判明し、下表2の経緯で関税法第7条の14の規定に基づき修正申告を行う場合に、当該修正申告により納付すべき関税額及び延滞税の額を計算し、これらの合計額をマークしなさい。なお、延滞税は、法定納期限の翌日から当該関税額を納付する日までの日数に応じ、年2.6%(当該関税額の納期限の翌日から2月を経過する日後は年8.9%)の割合を乗じ、1年は365日として計算するものとする。
- 1630400
- 1631400
- 1631500
- 1632400
- 1633500
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2の1,631,400円(1631400)となります。
【解説】
関税法第7条の14第1項及び第2項に、更生の請求に関する記載があります。納税した税額に不足額がある時は修正申告ができるとされています。ワンポイントアドバイスとして、実務の計算問題は、混同しやすいので以下を確実に抑えることにしましょう。
(i)課税価格(課税標準)の計算の基礎の単数処理に関して1,000円は切り捨てになります(国税通則法第118条第1項)。
(ii)関税・消費税の単数処理に関して100円は未満切り捨てになります(国税通則法第119条第1項)。
(iii)延滞税の計算の基礎の単数処理に関して10,000円未満は切り捨てになります(関税法第12条第3項)。
(iv)延滞税の単数処理に関して1,000円未満であれば徴収せず、100円未満は切り捨てになります(関税法第12条第3項)。
1-1: 当初申告の関税額は以下になります。
12,079,325円→12,079,000円(1,000円未満切り捨て)
12,079,000円×5.0%=603,900円・・・➀
1-2: 修正申告後の関税額は以下になります。
14,832,492円→14,832,000円(1,000円未満切り捨て)
14,832,000円×15.0%=2,224,800円・・・②
1-3: 修正申告により納税すべき額は以下になります。
②-➀=1,620,900円・・・③
2-1: 延滞税の求め方は以下になります。
③より、延滞税の基礎となる金額は1,620,000円(10,000円未満切り捨て)
2-2: 延滞日数
関税法第12条第9項第3号より、当該貨物の法廷納期限は輸入許可前引取り承認をしている場合の法廷納期限は、納税通知書が発せられた日になります。従って、延滞税の対象期間は、法廷納期限の翌日(6月1日)から関税を納める日(8月30日)までになり、日数は以下となります。
30日(6月)+31日(7月)+30日(8月)=91日
また、関税法第9条第2項第4号により、修正申告をした日が納期限になります。従って、本問では修正申告をした日の翌日から4日目に納付すべき関税額を納めており、2か月は経過していないので、延滞税率は2.6%を適用します。
2-3: 延滞税額は以下になります。
1,620,000円×2.6%÷365日×91日=10,501円→10,500円(100円未満切り捨て)・・・④
3-1: 従って、納付すべき関税額と延滞税額の合計は、
③+④=1,620,900円+10,500円=1,631,400円
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02
修正申告により納付すべき関税額及び延滞税の額を計算する問題です。
① 当初申告の関税額
12,079,000円(1,000円未満切り捨て) × 5.0% = 603,900円
② 修正申告後の関税額
14,832,000円(1,000円未満切り捨て) × 15.0% = 2,224,800円
③ 修正申告により納税すべき額
②-➀ = 1,620,900円
④ 延滞税額
1,620,000円 (③の10,000円未満切り捨て) × 2.6% ÷ 365日 × 91日 = 10,501円
⑤ 納付すべき関税額、延滞税額
1,620,900円+10,500円 (④の100円未満切り捨て) = 1,631,400円
※ 輸入許可前引取り承認をしている場合の法廷納期限は、納税通知書が発せられた日になります。従って、延滞税の対象期間は、法廷納期限の翌日(6月1日)から関税を納める日(8月30日)の91日間となります。
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03
本問は、修正申告により納付すべき関税額及び延滞税の額の計算について計算する問題です。
正しい選択肢です。
本問において、修正申告時の関税額(本来の関税額)は
14,832,000×15%=2,224,800円…a
↑千円未満の端数を切り捨てています(国税通則法118条1項)
修正前申告時の関税額は
12,079,000×5%=603,900円…b
↑千円未満の端数を切り捨てています(国税通則法118条1項)
↑百円未満の端数を切り捨てています(国税通則法119条1項)。
であり、差額(a-b)
2,224,800-603,900=1,620,900円…c
が未納となっており、修正申告によって納付すべき額です。
このc、1,620,900円に対して延滞税がかかります。
延滞税額の計算について、
まず延滞日数を計算します。
法定納期限※の翌日(令和元年6月1日)から当該関税額を納付する日(令和元年8月30日)までの日数は
30+31+30=91日
次に延滞税額の計算をします。延滞税の税率については、年2.6%(納期限の翌日から二月を経過する日後は8.9%)で計算するよう指示がありますので、それに従って計算していきます※※。
まず、税率が変わってくる「納期限の翌日から二月を経過する日後」の期間があるか確認します。
輸入の許可後にした修正申告に係る書面に記載された納付すべき税額の納期限は当該修正申告をした日と規定されています(関税法9条2項4号)ので、本問の納期限は令和元年8月26日となります。
よって、令和元年8月30日時点では「納期限の翌日から二月を経過する日後」の期間はないので、計算に使用する税率は年2.6%のみです。
1,620,000×2.6%×91÷365=10,550円
↑関税額の一万円未満の端数を切り捨てています(関税法12条3項)
延滞税の額に百円未満の端数がある場合においては、これを切り捨てます(関税法12条4項)。
10,550円の百円未満の端数を切り捨てると10,500円…e
納付すべき関税額と延滞税額の合計(c+e)は
1,620,900+10,500=1,631,400円
※本問では、表2を見ると、令和元年5月1日に「輸入の許可前における貨物の引取りの承認の日」とあります。輸入の許可前における貨物の引取りの規定により税関長の承認を受けて引き取られた貨物につき納付すべき関税の延滞税の法定納期限は、納税告知書が発せられた日と規定されています(関税法12条9項3号)。
※※延滞税の割合は、関税法附則3条により、当分の間、各年の延滞税特例基準割合が年7.3%未満の場合には、その年中は、年7.3%が適用される場面では延滞税特例基準割合に年1%を加算した割合(加算した割合が年7.3%を超える場合、年7.3%)、年14.6%が適用される場面では延滞税特例基準割合に年7.3%を加算した割合とすることが規定されています。本問では平成30年1月1日から令和2年12月31日までの期間の延滞税特例基準割合+1%、年2.6%の割合で計算することになります。
なお、「延滞税特例基準割合+1%の割合」について、令和4年1月1日から令和6年12月31日までの期間では、年2.4%となっています。
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