通関士の過去問
第54回(令和2年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問69

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問題

通関士試験 第54回(令和2年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問69 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、保税運送及び内国貨物の運送に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
  • 特定保税運送者が特定保税運送を行う場合であっても、保税運送の承認を受けなければ外国貨物のまま運送することはできない。
  • 外国貨物である難破貨物は、保税運送の承認を受けることなく、その所在する場所から開港、税関空港、保税地域又は税関官署に外国貨物のまま運送することができることとされており、この「難破貨物」とは、遭難その他の事故により船舶又は航空機から離脱した貨物をいう。
  • 外国貨物の移動が同一開港又は同一税関空港の中で行われる場合には、保税運送の承認を受けることなく外国貨物のまま運送することができる。
  • 保税運送の承認を受けて保税地域相互間を外国貨物のまま運送する場合における輸送手段については、海路又は空路に限ることとされている。
  • 内国貨物を外国貿易船に積んで本邦内の場所相互間を運送しようとする者は、税関長に申告してその承認を受けなければならないこととされており、当該承認を受けた貨物が運送先に到着したときは、その承認を受けた者は、当該承認を証する書類を、直ちに到着地の税関に提出しなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2,3,5となります。

1. 誤りです。

関税法第63条の2第1項より、保税運送の特例の承認を受けた特定保税運送者が特定区間であって政令で定める区間において行う外国貨物の運送については、同法第63条第1項の規定による保税運送の承認を受ける必要はありません。

2. 正解です。

 関税法第64条及び同法基本通達64-1より、関税法第64条第1項に掲げられている遭難その他の事故により船舶又は航空機から離脱した難破貨物は、同法63条第1項の規定(保税運送の規定)に関わらずその難破貨物のある場所から開港、税関空港、保税地域又は税関官署に外国貨物のまま運送することができます。

3. 正解です。

関税法基本通達63-3(1)イより、外国貨物の移動が同一開港又は同一税関空港のなかで行われる場合には、保税運送の承認を受けることなく外国貨物のまま運送することができるとされています。

4. 誤りです。

関税法施行令第53条第1項より、保税運送の手続きの際に運送に使用する手段である船舶、航空機又は車両の名称を記載しないといけないとあることから、保税運送の承認を受けて保税地域相互間を外国貨物のまま運送する場合における輸送手段については、設問の海路又は空路以外に陸路も含まれていることがわかります。

5. 正解です。

関税法第66条第1項より、内国貨物を外国貿易船に積んで本邦内の場所相互間を運送しようとする者は、税関長に申告してその承認を受けなければならないこととされています。また同条第2項より、当該承認を受けた貨物が運送先に到着したときは、その承認を受けた者は、当該承認を証する書類を直ちに到着地の税関に提出しなければならないとあります。

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02

関税法等に規定されている、保税運送及び内国貨物の運送に関する問題です。

選択肢1. 特定保税運送者が特定保税運送を行う場合であっても、保税運送の承認を受けなければ外国貨物のまま運送することはできない。

誤った内容です。

特定保税運送者が特定区間であつて、政令で定める区間において行う外国貨物の運送については、保税運送の承認を受けることを要しない。

(関税法第63条の2第1項)

選択肢2. 外国貨物である難破貨物は、保税運送の承認を受けることなく、その所在する場所から開港、税関空港、保税地域又は税関官署に外国貨物のまま運送することができることとされており、この「難破貨物」とは、遭難その他の事故により船舶又は航空機から離脱した貨物をいう。

正しい内容です。

外国貨物である難破貨物は、保税運送の規定にかかわらず、そのある場所から開港、税関空港、保税地域又は税関官署に外国貨物のまま運送することができると規定されております。

さらに、「難破貨物」とは、遭難その他の事故により船舶又は航空機から離脱した貨物をいい、単に運航の自由を失つた船舶又は航空機に積まれている貨物はこれに含まれないと規定されております。

(関税法第64条1項、関税法基本通達30-1)

選択肢3. 外国貨物の移動が同一開港又は同一税関空港の中で行われる場合には、保税運送の承認を受けることなく外国貨物のまま運送することができる。

正しい内容です。

外国貨物の移動が同一開港又は同一税関空港の中で行われる場合には、保税運送の承認を受けることなく外国貨物のまま運送することができると規定されております。

(関税法基本通達63-3)

選択肢4. 保税運送の承認を受けて保税地域相互間を外国貨物のまま運送する場合における輸送手段については、海路又は空路に限ることとされている。

誤った内容です。

保税運送の承認を受けて保税地域相互間を外国貨物のまま運送する場合における輸送手段(陸路、海路、空路の別をいう。)又は運送先を異にするごとに、運送しようとする貨物が置かれている保税地域等の所在地を所轄する税関官署に「外国貨物運送申告書(目録兼用)」を提出させるものとする。

関税法基本通達63-5(1)

選択肢5. 内国貨物を外国貿易船に積んで本邦内の場所相互間を運送しようとする者は、税関長に申告してその承認を受けなければならないこととされており、当該承認を受けた貨物が運送先に到着したときは、その承認を受けた者は、当該承認を証する書類を、直ちに到着地の税関に提出しなければならない。

正しい内容です。

内国貨物を外国貿易船等に積んで本邦内の場所相互間を運送しようとする者は、税関長に申告してその承認を受けなければならないと規定されております。
さらに、その承認を受けた貨物が運送先に到着したときは、その承認を受けた者は、当該承認を証する書類を、直ちに到着地の税関に提出しなければならないと規定されております。

(関税法第66条1項、2項)

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03

【正解】

2.3.5

【解説】

1.誤った記述です

特定保税運送者が特定保税運送を行う場合は、保税運送の承認を受けることを

要しません。(関税法63条の2第1項、関税令55条の3)

2.正しい記述です

(関税法64条、同法63条、関税令54条、関税法基本通達64-1、

同通達64-2)

3.正しい記述です

(関税法基本通達63-3(1)イ)

4.誤った記述です

保税運送の承認を受けて保税地域相互間を外国貨物のまま運送する場合における

輸送手段については、海路又は空路に限らず陸路も含まれます。

(関税令53条1項、関税法基本通達63-5(1))

5.正しい記述です

(関税法66条)

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