通関士 過去問
第54回(令和2年)
問101 (通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問101)

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問題

通関士試験 第54回(令和2年) 問101(通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問101) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、輸出通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」をマークしなさい。
  • 関税法第70条第1項においては、関税関係法令以外の法令の規定により輸出に関して承認を必要とする貨物については、輸出申告の際、当該承認を受けている旨を税関に証明しなければならないと規定されており、本邦から外国に向けて行う外国貨物の積戻しには、この規定は準用されない。
  • 税関長は、貨物を輸出しようとする者から当該貨物を外国貿易船に積み込んだ状態で輸出申告をすることの承認の申請があった場合には、関税法第67条の検査を要しないと認めるときに限り、当該承認を行うこととされている。
  • 本邦の船舶により本邦の排他的経済水域の海域で採捕された水産物をその海域から直接外国に向けて送り出す場合には、関税法に基づく輸出の手続は要しない。
  • 関税定率法第17条第1項の規定により再輸出免税の適用を受けて輸入された加工材料となる貨物が輸入後加工され、その加工されたものを当該加工材料となる貨物の輸入の許可の日から1年以内に輸出しようとする者は、その輸出申告の際に、その輸入の許可書又はこれに代わる税関の証明書にその加工をした者が作成した加工証明書を添付して、これを税関長に提出しなければならない。
  • 輸出の許可後において貨物の積込港を変更しようとする場合には、輸出者の事情によらない積込港の変更であるときを除き、当該輸出の許可の取消しを受け、その変更の内容により輸出申告をし、その許可を受けなければならない。
  • 該当なし

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この過去問の解説 (3件)

01

【正解】

 4

【解説】

1:誤

関税法70条1項においては関税関係法令以外の法令の規定により輸出に関して承認を必要とする貨物については、輸出申告の際、当該承認を受けている旨を税関に証明しなければならないと規定されており、本邦から外国に向けて行う外国貨物の積戻しにも、この規定は準用され、積戻し申告の際、当該承認を受けている旨を税関に証明しなければならないと関税法75条、同法70条、関税令65条に定められています。

2:誤

税関長は、貨物を輸出しようとする者から当該貨物を外国貿易船に積み込んだ状態で輸出申告をすることの承認の申請があった場合には「関税法67条の検査を行うのに支障がなく、かつ、輸出の許可を受けるために当該貨物を保税地域等に入れることが不適当と認められる場合に限り」承認を行うこととされています。

(関税法67条の2第2項、関税令59条の5第1項1号)

3:誤

本邦の船舶により本邦の排他的経済水域の海域で採捕された水産物をその海域から直接外国に向けて送り出す場合は、内国貨物である水産物をその海域から直接外国に向けて送り出す場合であるため、関税法に基づく輸出の手続きを要します。

(関税法67条、同法2条1項2号、同項4号、同条2項)

4:正

記述通りです。(関税定率法17条1項1号、関税定率法39条1項に定められています)

5:誤

輸出の許可後において貨物の積込港を変更しようとする場合には、輸出者の事情による変更、または輸出者の事情によらない変更の何れであっても、輸出許可内容の変更手続である「船名、数量等変更申請書」を提出することによりその変更が認められると関税法基本通達67ー1ー12に定められています。 

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02

輸出通関に関する問題です。

選択肢1. 関税法第70条第1項においては、関税関係法令以外の法令の規定により輸出に関して承認を必要とする貨物については、輸出申告の際、当該承認を受けている旨を税関に証明しなければならないと規定されており、本邦から外国に向けて行う外国貨物の積戻しには、この規定は準用されない。

誤った内容です。

他の法令の規定により輸出又は輸入に関して許可、承認その他の行政機関の処分又はこれに準ずるものを必要とする貨物については、輸出申告又は輸入申告の際、当該許可、承認等を受けている旨を税関に証明しなければならないと規定されております。

積戻し貨物にも準用されます。

関税法第70条第1項第3項、関税法第75条

選択肢2. 税関長は、貨物を輸出しようとする者から当該貨物を外国貿易船に積み込んだ状態で輸出申告をすることの承認の申請があった場合には、関税法第67条の検査を要しないと認めるときに限り、当該承認を行うこととされている。

誤った内容です。

外国貿易船に積み込んだ状態で輸出申告又は輸入申告をすることが必要な貨物を輸出し、又は輸入しようとする者は、前項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより税関長の承認を受けて、当該外国貿易船の係留場所を所轄する税関長に対して輸出申告又は輸入申告をすることができます。

関税法第67条の2

選択肢3. 本邦の船舶により本邦の排他的経済水域の海域で採捕された水産物をその海域から直接外国に向けて送り出す場合には、関税法に基づく輸出の手続は要しない。

誤った内容です。

公海で採捕された水産物には、本邦の排他的経済水域の海域及び外国の排他的経済水域の海域で採捕された水産物を含むものとすると規定されております。従って本邦の排他的経済水域の海域で採捕された水産物をその海域から直接外国に向けて送り出す場合は輸出手続きが必要です。

関税法第2条第2項

選択肢4. 関税定率法第17条第1項の規定により再輸出免税の適用を受けて輸入された加工材料となる貨物が輸入後加工され、その加工されたものを当該加工材料となる貨物の輸入の許可の日から1年以内に輸出しようとする者は、その輸出申告の際に、その輸入の許可書又はこれに代わる税関の証明書にその加工をした者が作成した加工証明書を添付して、これを税関長に提出しなければならない。

正しい内容です。

再輸出免税の規定により関税の免除を受けた貨物を同項に規定する期間内に輸出しようとする者は、その輸出申告の際に、当該貨物の輸入の許可書又はこれに代わる税関の証明書を税関長に提出しなければならない。この場合において、当該貨物が輸入後加工されたものであるときは、その加工をした者が作成した加工証明書を当該許可書又はこれに代わる税関の証明書に添付しなければなりません。

関税定率法第39条第1項

選択肢5. 輸出の許可後において貨物の積込港を変更しようとする場合には、輸出者の事情によらない積込港の変更であるときを除き、当該輸出の許可の取消しを受け、その変更の内容により輸出申告をし、その許可を受けなければならない。

誤った内容です。

輸出許可内容の変更手続である「船名、数量等変更申請書」を提出することにより変更が認められております。

関税法基本通達67-1-12(1)に定められています。 

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03

輸出通関に関する問題です。

選択肢1. 関税法第70条第1項においては、関税関係法令以外の法令の規定により輸出に関して承認を必要とする貨物については、輸出申告の際、当該承認を受けている旨を税関に証明しなければならないと規定されており、本邦から外国に向けて行う外国貨物の積戻しには、この規定は準用されない。

誤った記述です。

 

本邦から外国に向けて行う積み戻し貨物には関税法第70条の規定が準用されます。
 

【関税法】第七十条(証明又は確認)

 他の法令の規定により輸出又は輸入に関して許可、承認その他の行政機関の処分又はこれに準ずるもの(以下この項において「許可、承認等」という。)を必要とする貨物については、輸出申告又は輸入申告の際、当該許可、承認等を受けている旨を税関に証明しなければならない。

 

第七十五条

 本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物(外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第四十八条第一項(輸出の許可等)の規定による許可を受けなければならないものを除く。第百八条の四第一項及び第二項並びに第百十一条第一項第一号において同じ。)を除く。)の積戻しには第六十七条(輸出又は輸入の許可)、第六十七条の二第一項及び第二項(輸出申告又は輸入申告の手続)、第六十七条の三第一項(後段及び第三号を除く。)(輸出申告の特例)、第六十八条から第六十九条の十まで(輸出申告又は輸入申告に際しての提出書類・貨物の検査に係る権限の委任・貨物の検査場所・輸出してはならない貨物・輸出してはならない貨物に係る認定手続・輸出してはならない貨物に係る申立て手続等・輸出差止申立てにおける専門委員への意見の求め・輸出差止申立てに係る供託等・輸出してはならない貨物に係る意見を聴くことの求め等・輸出してはならない貨物に係る認定手続における農林水産大臣等への意見の求め・輸出してはならない貨物に係る認定手続における専門委員への意見の求め・輸出してはならない貨物に係る認定手続を取りやめることの求め等)並びに第七十条(証明又は確認)の規定を準用する。


 

選択肢2. 税関長は、貨物を輸出しようとする者から当該貨物を外国貿易船に積み込んだ状態で輸出申告をすることの承認の申請があった場合には、関税法第67条の検査を要しないと認めるときに限り、当該承認を行うこととされている。

誤った記述です。

 

貨物を外国貿易船等に積み込んだ状態で輸出申告又は輸入申告をすることの承認は、検査を行うのに支障がなく、かつ、保税地域等に入れることが不適当と認められる場合に限ります。

 

【関税法】第六十七条の二(輸出申告又は輸入申告の手続)

 輸出申告又は輸入申告は、輸出又は輸入の許可を受けるためにその申告に係る貨物を入れる保税地域等(保税地域又は第三十条第一項第二号(外国貨物を置く場所の制限)の規定により税関長が指定した場所をいう。以下同じ。)の所在地を所轄する税関長に対してしなければならない。

 

2項 外国貿易船(これに準ずるものとして政令で定める船舶を含む。以下この項において同じ。)に積み込んだ状態で輸出申告又は輸入申告をすることが必要な貨物を輸出し、又は輸入しようとする者は、前項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより税関長の承認を受けて、当該外国貿易船の係留場所を所轄する税関長に対して輸出申告又は輸入申告をすることができる。


 

【関税法施行令】第五十九条の五(貨物を外国貿易船等に積み込んだ状態で輸出申告又は輸入申告をすることの承認の手続)

 法第六十七条の二第二項(輸出申告又は輸入申告の手続)の規定による税関長の承認を受けることができる場合は、次に掲げる場合とする。

 

一号 輸出申告又は輸入申告に係る貨物を他の貨物と混載することなく外国貿易船に積み込んだ状態で法第六十七条(輸出又は輸入の許可)の検査及び許可を受けようとする場合(当該貨物の性質、形状及び積付けの状況が同条の検査を行うのに支障がなく、かつ、輸出又は輸入の許可を受けるために当該貨物を保税地域等に入れることが不適当と認められる場合に限る。次号において同じ。)


 

選択肢3. 本邦の船舶により本邦の排他的経済水域の海域で採捕された水産物をその海域から直接外国に向けて送り出す場合には、関税法に基づく輸出の手続は要しない。

誤った記述です。

 

本邦の船舶により本邦の排他的経済水域の海域で採捕された水産物は内国貨物にあたるため、内国貨物を外国に向けて送り出す行為は輸出に該当します。

したがって、輸出の手続きが必要です。

 

【関税法】第二条(定義)

 この法律又はこの法律に基づく命令において、次の各号に掲げる用語は、当該各号に掲げる定義に従うものとする。

(省略)

二号 「輸出」とは、内国貨物を外国に向けて送り出すことをいう。

(省略)

四号「内国貨物」とは、本邦にある貨物で外国貨物でないもの及び本邦の船舶により公海で採捕された水産物をいう。

(省略)

2項 前項第一号、第三号及び第四号に規定する公海で採捕された水産物には、本邦の排他的経済水域の海域及び外国の排他的経済水域の海域で採捕された水産物を含むものとする。
 

【関税法】第六十七条(輸出又は輸入の許可)

 貨物を輸出し、又は輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、当該貨物の品名並びに数量及び価格(輸入貨物(特例申告貨物を除く。)については、課税標準となるべき数量及び価格)その他必要な事項を税関長に申告し、貨物につき必要な検査を経て、その許可を受けなければならない。


 

選択肢4. 関税定率法第17条第1項の規定により再輸出免税の適用を受けて輸入された加工材料となる貨物が輸入後加工され、その加工されたものを当該加工材料となる貨物の輸入の許可の日から1年以内に輸出しようとする者は、その輸出申告の際に、その輸入の許可書又はこれに代わる税関の証明書にその加工をした者が作成した加工証明書を添付して、これを税関長に提出しなければならない。

正しい記述です。
 

【関税定率法】(再輸出免税)第十七条

 左の各号に掲げる貨物で輸入され、その輸入の許可の日から一年(第十一号に掲げる貨物については、政令で定める期間とし、これらの期間をこえることがやむを得ないと認められる理由があり、政令で定めるところにより税関長の承認を受けた貨物については、これらの期間をこえ、税関長が指定する期間とする。)以内に輸出されるものについては、政令で定めるところにより、その関税を免除する。

 

一号 加工される貨物又は加工材料となる貨物で政令で定めるもの
 

【関税定率法】第三十九条(再輸出免税貨物の輸出の手続)

 法第十七条第一項(再輸出免税)の規定により関税の免除を受けた貨物を同項に規定する期間内に輸出しようとする者は、その輸出申告の際に、当該貨物の輸入の許可書又はこれに代わる税関の証明書を税関長に提出しなければならない。この場合において、当該貨物が輸入後加工されたものであるときは、その加工をした者が作成した加工証明書を当該許可書又はこれに代わる税関の証明書に添付しなければならない。


 

選択肢5. 輸出の許可後において貨物の積込港を変更しようとする場合には、輸出者の事情によらない積込港の変更であるときを除き、当該輸出の許可の取消しを受け、その変更の内容により輸出申告をし、その許可を受けなければならない。

誤った記述です。
 

輸出者の事情によらない積込港の変更であっても取締り上支障がないと認める場合には、その許可に係る積込港の変更を行って差し支えないものとされています。

つまり許可を取消し、再び輸出申告する必要はなく変更手続を行うことができます。
 

【関税法基本通達】67―1―12 (積込港変更の取扱い)

 輸出の許可後において貨物の積込港を変更しようとする場合における積込港変更の手続は、次による。

(省略)

(2) 輸出者の事情によらない積込港の変更又は積込港名の記載誤りにあっては、積載予定船舶等の出港までに積込港変更の手続きを行わせ、その許可に係る積込港の変更を行って差し支えないものとし、疑義が生じた場合には、積込港が変更となったことを確認できる書類の提示等を求めるものとする。なお、積載予定船舶等の出港直前であったため又は積込港が変更となった旨輸送者からの連絡が遅れた等やむを得ない事情により積載予定船舶等の出港後に積込港の変更手続を行うこととなった場合も同様の扱いとする。
 

(3) 輸出者の事情により積込港が変更される場合には、積載予定船舶等の出港までに積込港変更を行わせるものとし、取締り上支障がないと認める場合には、その許可に係る積込港の変更を行って差し支えないものとする。なお、疑義が生じた場合には、積込港が変更となったことが確認できる書類の提示等を求めるものとする。


 

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