通関士 過去問
第55回(令和3年)
問27 (通関業法 問27)

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問題

通関士試験 第55回(令和3年) 問27(通関業法 問27) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、通関業の許可及び営業所の新設に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。
  • 複数の税関の管轄区域内において通関業を営もうとする者は、その管轄区域ごとに通関業の許可を受けなければならない。
  • 通関業者は、その通関業務に従事する通関士が情報通信機器を活用して、労働時間の全部において、自宅で通関業務に従事する勤務形態(在宅勤務)を開始するときは、税関に在宅勤務を開始する旨を申し出た上で、在宅勤務に関する定めのある就業規則を具備していることについて税関の確認を受けることとされている。
  • 財務大臣は、通関業の許可をしようとするときは、許可申請に係る通関業の経営の基礎が確実であることに適合するかどうかを審査しなければならない。
  • 財務大臣は、通関業の許可をしようとするときは、許可申請者が十分な社会的信用を有することに適合するかどうかを審査しなければならない。
  • 通関業者は、通関業務を行う営業所を新たに設けようとする場合には、財務大臣にあらかじめその旨を届け出なければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

【正解】

3.4

【解説】

1.誤った記述です

複数の税関の管轄区域内において通関業を営もうとする者であっても、

財務大臣の通関業の許可を受けなければなりません。(業法3条1項)

2.誤った記述です

在宅勤務に関する定めのある就業規則や社内管理規則が具備されていなくても

、在宅勤務が開始できるよう柔軟な対応に改正されています。

3.正しい記述です

4.正しい記述です

5. 誤った記述です

通関業者は、通関業務を行う営業所を新たに設けようとする場合には、財務大臣

許可を受けなければなりません。届出ではありません。(業法8条)

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02

通関業法に規定されている、通関業の許可及び営業所の新設に関する問題です。

選択肢1. 複数の税関の管轄区域内において通関業を営もうとする者は、その管轄区域ごとに通関業の許可を受けなければならない。

誤った内容です。

管轄区域ごとに通関業の許可を受けなければならないという規定はありません。

(通関業法第3条)

選択肢2. 通関業者は、その通関業務に従事する通関士が情報通信機器を活用して、労働時間の全部において、自宅で通関業務に従事する勤務形態(在宅勤務)を開始するときは、税関に在宅勤務を開始する旨を申し出た上で、在宅勤務に関する定めのある就業規則を具備していることについて税関の確認を受けることとされている。

誤った内容です。

申出のあった通関業者に在宅勤務に係る情報セキュリティポリシーが定められている等、在宅勤務における情報セキュリティ対策が講じられていることを確認することとすると規定されておりますが、就業規則の具備に関しては決められておりません。

(通関業法基本通達8-4(2))

選択肢3. 財務大臣は、通関業の許可をしようとするときは、許可申請に係る通関業の経営の基礎が確実であることに適合するかどうかを審査しなければならない。

正しい内容です。

許可申請に係る通関業の経営の基礎が確実であることについて、財務大臣は、通関業の許可をしようとするときは審査しなければならないと規定されております。

(通関業法第5条第1項)

選択肢4. 財務大臣は、通関業の許可をしようとするときは、許可申請者が十分な社会的信用を有することに適合するかどうかを審査しなければならない。

正しい内容です。

許可申請者が、その人的構成に照らして、その行おうとする通関業務を適正に遂行することができる能力を有し、かつ、十分な社会的信用を有することについて、財務大臣は、通関業の許可をしようとするときは、審査しなければならないと規定されております。

(通関業法第5条第2項)

選択肢5. 通関業者は、通関業務を行う営業所を新たに設けようとする場合には、財務大臣にあらかじめその旨を届け出なければならない。

誤った内容です。

通関業者は、通関業務を行う営業所を新たに設けようとするときは、政令で定めるところにより、財務大臣の許可を受けなければならないと規定されております。

(通関業法第8条第1項)

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03

本問は、通関業の許可および営業所の新設の手続きについての知識を問う問題です。

 

選択肢1. 複数の税関の管轄区域内において通関業を営もうとする者は、その管轄区域ごとに通関業の許可を受けなければならない。

誤り

通関業を営もうとする者が通関業の許可を申請するのは、財務大臣です(通関業法4条1項柱書)。管轄区域ごとに許可を受けるわけではありません。

選択肢2. 通関業者は、その通関業務に従事する通関士が情報通信機器を活用して、労働時間の全部において、自宅で通関業務に従事する勤務形態(在宅勤務)を開始するときは、税関に在宅勤務を開始する旨を申し出た上で、在宅勤務に関する定めのある就業規則を具備していることについて税関の確認を受けることとされている。

誤り

「在宅勤務に関する定めのある就業規則を具備していることについて税関の確認を受ける」という部分が誤りです。

 

在宅勤務の開始、終了の際には、「営業所の実態等を把握する必要があることから、当該従業者の氏名、在宅勤務の場所の住所及び当該通関士又は当該従業者が所属する営業所名等を、当該営業所の所在地又は主たる営業所の所在地を管轄する税関の通関業監督官部門に(中略)申し出させることとする。」と規定されています(通関業法基本通達8-4(1))。

そして、申出に対しては、「申出のあった通関業者に在宅勤務に係る情報セキュリティポリシーが定められている等、在宅勤務における情報セキュリティ対策が講じられていることを確認することとする。」と規定されています(通関業法基本通達8-4(2))。

通関業法の趣旨から、税関が通関業者に対して確認するのは、通関手続の適正かつ迅速な実施を確保するために必要な事柄です。

 

なお、在宅勤務を行う場合において、当該勤務場所(自宅)は当該従業者の所属する営業所の一部となるとされています(通関業法基本通達8-1。営業所新設の手続きは不要。)。併せて覚えておきましょう。

選択肢3. 財務大臣は、通関業の許可をしようとするときは、許可申請に係る通関業の経営の基礎が確実であることに適合するかどうかを審査しなければならない。

正しい

通関業の許可基準として、「許可申請に係る通関業の経営の基礎が確実であること」が規定されています(通関業5条1号)。

「経営の基礎が確実であること」の意義は通関業法基本通達5-1(1)に規定されています。

通関業法基本通達5-1(1)では、「経営の基礎が確実であること」について、「申請者の資産内容が充実し収支の状況が健全であり(申請者に繰越欠損金がなく、当期利益がある。)、かつ、通関業務を営むための必要な設備(例えば、予定される通関業務に係る取扱貨物の種類及び量に応じた営業所並びに通関書類等の作成及び保存に必要な設備)が整っていると認められること」と規定されています。

選択肢4. 財務大臣は、通関業の許可をしようとするときは、許可申請者が十分な社会的信用を有することに適合するかどうかを審査しなければならない。

正しい

通関業の許可基準の一つとして、「許可申請者が、その人的構成に照らして、その行おうとする通関業務を適正に遂行することができる能力を有し、かつ、十分な社会的信用を有すること。」と規定されています(通関業法5条2号)。

選択肢5. 通関業者は、通関業務を行う営業所を新たに設けようとする場合には、財務大臣にあらかじめその旨を届け出なければならない。

誤り

「届け出なければならない」という部分が誤りです。

 

本肢のような営業所の新設の際は、財務大臣の許可を受けなければなりません(通関業法8条1項)。

なお、営業所を新設するのが認定通関業者の場合は、届出書を財務大臣に提出することとされています(通関業法9条、通関業法施行令2条)。

認定通関業者は、通関業務その他の輸出及び輸入に関する業務を適正かつ確実に遂行することができるものと認められる旨、税関長の認定を受けているので、許可申請(営業所新設が認められないことがある)よりも緩やかな手続きである届出(基本的に届け出たとおり営業所新設できる)で足りるということです。

まとめ

通関業許可と営業所の新設許可の許可基準は、それぞれ通関業法5条、8条に規定されています。確認しておきましょう。

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