通関士の過去問 第55回(令和3年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問83
この過去問の解説 (2件)
1 .輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で直接に提供され、当該輸入貨物に組み込まれているラベルであって、我が国の法律に基づき表示することが義務付けられている事項のみが表示されているものに要する費用の額は、当該輸入貨物の課税価格に含まれる。
→誤った記述です。本邦の法律に基づき表示することが義務付けられている事項のみが表示されているラベルの費用は、課税価格に含まれません。
2 .輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で直接に提供された役務に要する費用のうち、当該輸入貨物の生産のために必要とされた技術であって、本邦において開発されたものに要する費用の額は、当該輸入貨物の課税価格に含まれる。
→誤った記述です。本邦において開発されたものに要する費用は、課税価格に含まれません。
3 .本邦において開催されるオークションにおける委託販売のためにその委託販売契約の受託者により輸入される貨物は、輸入取引によらない輸入貨物に該当し、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則に基づき当該輸入貨物の課税価格を決定することができない。
→正しい記述です。
4 .関税定率法第4条の3の規定により輸入貨物の課税価格を決定する場合には、当該輸入貨物の製造原価によって課税価格を計算できないときに限り、当該輸入貨物又は当該輸入貨物と同種若しくは類似の貨物に係る国内販売価格に基づき課税価格を計算することとされている。
→誤った記述です。当該輸入貨物と同種若しくは類似の貨物に関わる国内販売価格、といった規定はありません。課税価格の決定方法の例外は、以下の順に適用順位が定められています。
①同種の貨物の取引価格を適用する方法
②類似の貨物の取引価格を適用する方法
③輸入貨物又は同種・類似の貨物の国内販売価格から課税価格を逆算して適用する方法
④製造原価に基づいて課税価格を算出し適用する方法
⑤特殊な輸入貨物に関わる課税価格の決定を適用する方法
この時、③と④は輸入者の希望で税関長に申し出て、順位を入れ替えることも可能です。
5 .輸入貨物が航空機により運送された無償の見本であって、その航空機による運賃及び保険料により計算した場合の課税価格が30万円以下のものについての輸入港に到着するまでの運送に要する運賃及び保険料は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料によるものとされている。
→誤った記述です。20万円以下のものになります。
【正解】
3
【解説】
1.誤った記述です
輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で直接に提供され、
当該輸入貨物に組み込まれているラベルであって、我が国の法律に基づき表示することが
義務付けられている事項のみが表示されているものに要する費用の額は、
当該輸入貨物の課税価格に含まれないと
関税定率法基本通達4-12(1)に定められています。
2.誤った記述です
輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、
買手により無償で直接に提供された役務に要する費用のうち、
当該輸入貨物の生産に必要とされた技術であって、
本邦において開発されたものに要する費用の額は、
当該輸入貨物の課税価格に含まれないと
関税定率法4条1項3号ニ,施行令1条の5第3項に定められています。
3.正しい記述です
4.誤った記述です
関税定率法4条の3の規定により輸入貨物の課税価格を決定する場合に、
当該輸入貨物の製造原価によって課税価格を計算できないときに限り、
当該輸入貨物又は当該輸入貨物と同種若しくは類似の貨物に係る国内販売価格に基づき
課税価格を計算する旨の規定はありません。
5.誤った記述です
輸入貨物が航空機により運送された無償の見本であって、
その航空機による運賃及び保険料により計算した場合の課税価格が
20万円以下のものについての輸入港に到着するまでの運送に要する運賃
及び保険料は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による
運賃及び保険料によるものと
関税定率法4条の6第1項、施行令1条の13第1項に定められています。
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