通関士の過去問
第56回(令和4年)
通関業法 問36

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問題

通関士試験 第56回(令和4年) 通関業法 問36 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、通関業者又は通関士その他の通関業務の従業者の義務に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
  • 通関業法第18条の規定により通関業者が営業所に掲示する料金表には、貨物の特性、取扱規模等の事情により料金に割増又は割引が生じる場合等についてはその適用がある旨を記載しなければならないが、料金の額に含まれない実費を別途請求する場合についてはその旨を記載することを要しないこととされている。
  • 通関士は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないが、この「通関業務に関して知り得た秘密」とは、通関業務を行うに当たって依頼者の陳述又は文書等から知り得た事実で一般に知られておらず、かつ、知られないことにつき、依頼者又はその関係者に利益があると客観的に認められるものをいうこととされている。
  • 通関士は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないが、依頼者の許諾がある場合は、この「正当な理由」があるときに該当することとされている。
  • 通関士以外の通関業務の従業者は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。
  • 通関士は、その名義を他人に通関業務のため使用させてはならないが、通関士が自ら通関書類の審査を行うことなく他人に自己の記名をさせる場合は、この「その名義を他人に通関業務のため使用させる」ことに該当することとされている。
  • 該当なし

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この過去問の解説 (2件)

01

これらの義務は、通関業者には当てはまるが通関士や従業者には当てはまらないものもあります。例えば料金提示の義務は通関業者にはありますが、通関士や従業者の義務ではありません、そこを問う問題が出題されやすいので覚えておきましょう。

選択肢1. 通関業法第18条の規定により通関業者が営業所に掲示する料金表には、貨物の特性、取扱規模等の事情により料金に割増又は割引が生じる場合等についてはその適用がある旨を記載しなければならないが、料金の額に含まれない実費を別途請求する場合についてはその旨を記載することを要しないこととされている。

誤り。

料金の額に含まれない実費を別途請求する場合がある旨は記載しなければなりません。そしてその料金表を依頼者の見やすいように掲示しなければなりません。

選択肢2. 通関士は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないが、この「通関業務に関して知り得た秘密」とは、通関業務を行うに当たって依頼者の陳述又は文書等から知り得た事実で一般に知られておらず、かつ、知られないことにつき、依頼者又はその関係者に利益があると客観的に認められるものをいうこととされている。

正しい。

例えば「A社が急に輸入量が増えた。新しい事業を始めるかもしれない」などを知人に漏らすことなどです。

選択肢3. 通関士は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないが、依頼者の許諾がある場合は、この「正当な理由」があるときに該当することとされている。

正しい。

正当な理由とは、①依頼者の許諾がある場合②法令に規定する証人、鑑定人等として裁判所において陳述する場合③その他の法令に基づく求めに応じて陳述する場合です。

選択肢4. 通関士以外の通関業務の従業者は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。

正しい。

設問の記述は、通関士は秘密を漏らしてもいいという意味にも取れてしまいそうですが、通関士でない一般の通関業務従業者の義務なのかを聞いています。秘密を守る義務は、通関業者、通関士、通関士以外の通関業務従業者の義務になっています。

選択肢5. 通関士は、その名義を他人に通関業務のため使用させてはならないが、通関士が自ら通関書類の審査を行うことなく他人に自己の記名をさせる場合は、この「その名義を他人に通関業務のため使用させる」ことに該当することとされている。

正しい。

通関士は、通関業務のために他人にその名義を使用させてはなりません。

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02

通関業法に規定されている、通関業者又は通関士その他の通関業務の従業者の義務に関する問題です。

選択肢1. 通関業法第18条の規定により通関業者が営業所に掲示する料金表には、貨物の特性、取扱規模等の事情により料金に割増又は割引が生じる場合等についてはその適用がある旨を記載しなければならないが、料金の額に含まれない実費を別途請求する場合についてはその旨を記載することを要しないこととされている。

誤った内容です。

法第18条の規定により掲示する料金の額は、依頼者に対する透明性を確保する観点から、依頼者にとって分かりやすいものでなければならない。また、当該料金の額については、支払額に係る予見可能性を確保するために、貨物の特性、取扱規模等の事情により料金に割増・割引が生じる場合等についてはその適用がある旨を、当該料金の額に含まれない実費を別途請求する場合についてはその旨を記載したものでなければならない。

(通関業法基本通達18-1)

選択肢2. 通関士は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないが、この「通関業務に関して知り得た秘密」とは、通関業務を行うに当たって依頼者の陳述又は文書等から知り得た事実で一般に知られておらず、かつ、知られないことにつき、依頼者又はその関係者に利益があると客観的に認められるものをいうこととされている。

正しい内容です。

「通関業務に関して知り得た秘密」とは、通関業務を行うに当たって依頼者の陳述又は文書等から知り得た事実で一般に知られておらず、かつ、知られないことにつき、依頼者又はその関係者に利益があると客観的に認められるものをいう。

(通関業法基本通達19-1(2))

選択肢3. 通関士は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないが、依頼者の許諾がある場合は、この「正当な理由」があるときに該当することとされている。

正しい内容です。

「正当な理由がある場合」とは、次のような場合をいう。

イ 依頼者の許諾がある場合

ロ 法令に規定する証人、鑑定人等として裁判所において陳述する場合

ハ その他法令に基づく求めに応じて陳述する場合

(通関業法基本通達19-1(1))

選択肢4. 通関士以外の通関業務の従業者は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。

正しい内容です。

通関業者(法人である場合には、その役員)及び通関士その他の通関業務の従業者は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。これらの者がこれらの者でなくなつた後も、同様とする。

(通関業法第19条)

選択肢5. 通関士は、その名義を他人に通関業務のため使用させてはならないが、通関士が自ら通関書類の審査を行うことなく他人に自己の記名をさせる場合は、この「その名義を他人に通関業務のため使用させる」ことに該当することとされている。

正しい内容です。

名義貸しの禁止に規定する「その名義を他人に通関業務のために使用させる」とは、次のような場合をいう。

⑴ 通関士が自ら通関書類の審査を行うことなく他人に自己の記名をさせる場合

⑵ 法第32条第1号((通関士の資格の喪失))の規定に該当し、通関士でなくなった者で異動の届出のない者が、通関書類に通関士としての自己の記名をさせる場合

(通関業法基本通達33-1)

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