通関士 過去問
第56回(令和4年)
問97 (通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問7)

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問題

通関士試験 第56回(令和4年) 問97(通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

外国貨物について輸入(納税)申告をし、輸入の許可を受けたが、当該許可後において下表1のとおり課税標準額及び適用税率に誤りがあることが判明し、下表2の経緯で関税法第7条の14の規定に基づき修正申告を行う場合に、当該修正申告により納付すべき関税額及び延滞税の額を計算し、これらの合計額を選びなさい。
なお、延滞税は、法定納期限の翌日から当該関税額を納付する日までの日数に応じ、年2.4%(当該関税額の納期限の翌日から2月を経過する日後は年8.7%)の割合を乗じ、1年は365日として計算するものとする。

(表2)
・令和4年5月1日輸入(納税)申告及び関税の納期限の延長の承認日
・令和4年5月31日輸入の許可の日
・令和4年6月2日保税蔵置場から貨物を搬出した日
・令和4年8月1日関税の納期限の延長の期限日及び当初の輸入(納税)申告に係る関税額の納付の日
・令和4年9月15日修正申告及び修正申告に係る関税額の納付の日
(注)上記の過程において、延滞税の免除事由に該当する事実はない。

(参考)令和4年の暦
・令和4年5月1日から5月31日まで(31日間)
・令和4年6月1日から6月30日まで(30日間)
・令和4年7月1日から7月31日まで(31日間)
・令和4年8月1日から8月31日まで(31日間)
・令和4年9月1日から9月30日まで(30日間)
問題文の画像
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この過去問の解説 (3件)

01

延滞税の計算問題です。

選択肢3. 2,529,200円

①修正申告前の関税額の計算

 13,253,000円(端数処理後)x5.0%=662,650円 ⇒端数処理で662,600円

②修正申告時の関税額の計算

 25,394,000円(端数処理後)x12.5%=3,174,250円 ⇒端数処理で3,174,200円

③修正申告で納付する関税額を計算

 3,174,200円ー662,600円= 2,511,600円

④延滞日数の計算

 法廷納期限は5月31日(輸入の許可の日)

 9月15日が修正申告及び修正申告に係る関税額の納付の日なので5月31日の翌日の6月1日から 

 9月15日までが延滞日数となる。つまり107日となる。8.7%に該当する期間はない。

⑤延滞税を計算する

 ③を1万円以下切捨て端数処理 2,510,000円x2.4%x107日÷365日=17,659円

  百円未満切捨てで17,600円となる。

⑥修正申告で納付する関税額

  2,511,600円+延滞税額17,600円=2,529,200円となります。

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02

延滞税額の計算問題です。

選択肢3. 2,529,200円

①修正申告前の関税額の計算

 13,253,000円(端数処理)x5.0%=662,650円 

 →(端数処理)662,600円

②修正申告時の関税額の計算

 25,394,000円(端数処理)x12.5%=3,174,250円 

 →(端数処理)3,174,200円

修正申告

 ②3,174,200円-①662,600円= ③2,511,600円

④(③の端数処理)2,510,000円x2.4%x107日(輸入許可の日の翌日~修正申告の日)÷365日=17,659円

③2,511,600円+④17,600円(端数処理)=2,529,200円

まとめ

計算式自体は難しい内容ではないので覚えておきましょう。

延滞日数を算出する法定納期限について、また、端数処理のタイミングと桁数は何度も同じような問題を解きながら理解しましょう。

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03

本問では、延滞税の計算が特に問題となります。

選択肢3. 2,529,200円

正しい選択肢です。

本問において、修正申告時の関税額(本来の関税額)は

25,394,000×12.5%=3,174,200円…a

↑千円未満の端数を切り捨てています(国税通則法118条1項)。

 

修正前申告時の関税額は

13,253,000×5%=662,600円…b

↑千円未満の端数を切り捨てています(国税通則法118条1項)。

↑百円未満の端数を切り捨てています(国税通則法119条1項)。

であり、差額(a-b)

3,174,250-662,600=2,511,600円…c

が未納となっており、修正申告によって納付すべき額です。

 

このc、2,511,600円に対して延滞税がかかります。

延滞税額の計算について、

まず延滞日数を計算します。

法定納期限の翌日(令和4年6月1日)から当該関税額を納付する日(令和4年9月15日)までの日数は

30+31+31+15=107日。

本問の法定納期限は「当該関税を課される貨物を輸入する日(輸入の許可を受ける貨物については、当該許可の日)」(関税法12条9項柱書)という規定により、令和4年5月31日。

 

次に延滞税額の計算をします。延滞税の税率については、年2.4%(納期限の翌日から2月を経過する日後は8.7%)で計算するよう指示がありますので、それに従って計算していきます。

まず、税率が変わってくる「納期限の翌日から2月を経過する日後」の期間があるか確認します。

輸入の許可後にした修正申告に係る書面に記載された納付すべき税額の納期限は当該修正申告をした日と規定されています(関税法9条2項4号)ので、本問の納期限は令和4年9月15日となります。

よって、納付の日(令和4年9月15日)時点では「納期限の翌日から二月を経過する日後」の期間はないので、計算に使用する税率は年2.4%のみです。

 

2,510,000×2.4%×107÷365=17,600円…e

↑関税額の一万円未満の端数を切り捨てています(関税法12条3項)。

↑延滞税の額に百円未満の端数がある場合においては、これを切り捨てます(関税法12条4項)。

 

以上より、納付すべき関税額と延滞税額の合計(c+e)は

2,511,600+17,600=2,529,200円

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