通関士 過去問
第56回(令和4年)
問101 (通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問11)

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問題

通関士試験 第56回(令和4年) 問101(通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、輸出通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選びなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
  • 輸出の許可を受けた貨物の全部について、当該貨物が船舶に積み込まれる前にその輸出が取止めとなり、これを国内に引き取る場合は、輸入貿易管理令の規定による輸入承認は要しないこととされている。
  • 輸出申告は、税関長の承認を受けた場合を除き、その申告に係る貨物を保税地域等に入れた後に、当該保税地域等の所在地を所轄する税関長に対してしなければならない。
  • 指定保税地域に置かれた外国貨物について、関税法第40条第2項(貨物の取扱い)の規定により簡単な加工を施した場合は、当該外国貨物を外国貨物のまま本邦から外国に向けて積み戻すことができないこととされている。
  • 輸出の許可後において貨物の積込港を変更しようとする場合には、当該輸出の許可の取消しを受け、その変更後の内容により輸出申告をしなければならない。
  • 本船扱いの承認を受けて輸出しようとする貨物を外国貿易船に積み込んだ後、その輸出の許可前に当該外国貿易船が外国に向けて航行を開始した場合においては、当該貨物に係る関税法第2条第1項第2号(定義)に規定する輸出の具体的な時期は、当該貨物を当該外国貿易船に積み込んだ時とすることとされている。
  • 該当なし

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この過去問の解説 (3件)

01

輸出通関の実務に関する問題です。

では問題にすすみましょう。

選択肢1. 輸出の許可を受けた貨物の全部について、当該貨物が船舶に積み込まれる前にその輸出が取止めとなり、これを国内に引き取る場合は、輸入貿易管理令の規定による輸入承認は要しないこととされている。

正解です。

「輸出取止めになつた貨物が船舶又は航空機に積み込まれる前のものである場合には、その国内への引取りについて、貿易管理上の輸入承認を必要としない」と関税法基本通達に規定されております。

選択肢2. 輸出申告は、税関長の承認を受けた場合を除き、その申告に係る貨物を保税地域等に入れた後に、当該保税地域等の所在地を所轄する税関長に対してしなければならない。

不正解です。

輸出申告は、輸出しようとする貨物を保税地域に搬入する前であっても行うことはできます。

輸出の許可は、特例申告以外は原則として輸出しようとする貨物を保税地域に搬入した後に行うこととされております。

選択肢3. 指定保税地域に置かれた外国貨物について、関税法第40条第2項(貨物の取扱い)の規定により簡単な加工を施した場合は、当該外国貨物を外国貨物のまま本邦から外国に向けて積み戻すことができないこととされている。

不正解です。

簡単な加工を施した場合でも積み戻しは可能です。

選択肢4. 輸出の許可後において貨物の積込港を変更しようとする場合には、当該輸出の許可の取消しを受け、その変更後の内容により輸出申告をしなければならない。

不正解です。

輸出の許可後において貨物の積込港を変更しようとする場合は、「船名、数量等変更申請書」にその申請に係る輸出許可書を添付して提出することにより、変更を行うことが可能です。

選択肢5. 本船扱いの承認を受けて輸出しようとする貨物を外国貿易船に積み込んだ後、その輸出の許可前に当該外国貿易船が外国に向けて航行を開始した場合においては、当該貨物に係る関税法第2条第1項第2号(定義)に規定する輸出の具体的な時期は、当該貨物を当該外国貿易船に積み込んだ時とすることとされている。

不正解です。

その航行を開始した時」が正しい内容です。

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02

輸出通関に関する問題です。

 

選択肢1. 輸出の許可を受けた貨物の全部について、当該貨物が船舶に積み込まれる前にその輸出が取止めとなり、これを国内に引き取る場合は、輸入貿易管理令の規定による輸入承認は要しないこととされている。

正しい記述です。

貨物が船舶に積み込まれる前に、輸出が取止めとなりった場合は、通常の輸入手続きを必要せず、輸入申告書に「輸出取止め」&輸出許可書に「輸出取止め再輸入」と記載し処理されることになります。

輸入承認を受ける必要のある貨物は、あくまで通常の輸入手続きを経たなければ、内国貨物にならないです。

😃輸出取止めになった貨物は、もともと内国貨物でした。外為法では一定の輸入貨物についての規制は加えていないので、輸入承認お受ける必要がないですね。

選択肢2. 輸出申告は、税関長の承認を受けた場合を除き、その申告に係る貨物を保税地域等に入れた後に、当該保税地域等の所在地を所轄する税関長に対してしなければならない。

「…その申告に係る貨物を保税地域等に入れた後に」という内容が誤っています。

輸出申告について、今貨物がある場所ですることができます。保税地域に入れる前でも輸出申告をすることができます。

但し、輸出の許可を受けるために、原則として、保税地域等にいれることになります。

😃輸出の許可を受けましたら、内国貨物から外国貨物になりますので、保税地域以外の場所においてはいけないことになります。

選択肢3. 指定保税地域に置かれた外国貨物について、関税法第40条第2項(貨物の取扱い)の規定により簡単な加工を施した場合は、当該外国貨物を外国貨物のまま本邦から外国に向けて積み戻すことができないこととされている。

簡単な加工を施した場合は、当該外国貨物を外国貨物のまま本邦から外国に向けて積み戻すことができない」というような規定はありません。

指定保税地域に置かれた外国貨物について、関税法第40条第2項(貨物の取扱い)の規定により簡単な加工を施した場合でも、当該外国貨物を外国貨物のまま本邦から外国に向けて積み戻すことができます。

選択肢4. 輸出の許可後において貨物の積込港を変更しようとする場合には、当該輸出の許可の取消しを受け、その変更後の内容により輸出申告をしなければならない。

当該輸出の許可の取消しを受け、その変更後の内容により輸出申告をしなければならない。」という内容が誤っています。

積込港の変更は、「輸出許可書の内容変更」に該当しますので、「船名、数量等変更申請書」に「輸出許可書」を添付して税関に提出し、訂正する手続になります。

😃せっかく輸出の許可をもらったのに、許可の取消しを受けてからもう一回輸出申告から輸出許可までの手続きをする場合、効率が低すぎですよね。

選択肢5. 本船扱いの承認を受けて輸出しようとする貨物を外国貿易船に積み込んだ後、その輸出の許可前に当該外国貿易船が外国に向けて航行を開始した場合においては、当該貨物に係る関税法第2条第1項第2号(定義)に規定する輸出の具体的な時期は、当該貨物を当該外国貿易船に積み込んだ時とすることとされている。

当該貨物を当該外国貿易船に積み込んだ時とすることとされている」という内容が誤っています。

設問の場合、「外国貿易船が外国に向けて航行を開始した時」が、輸出の具体的な時期になります。

😃輸出とは、内国貨物を外国に向けて送り出すことをいいます。実際に「外国に向けて送り出す」行為があったときが輸出の具体的な時期になるのは、当然ですよね。

参考になった数4

03

本問は、輸出通関について知識を問う問題です。

選択肢1. 輸出の許可を受けた貨物の全部について、当該貨物が船舶に積み込まれる前にその輸出が取止めとなり、これを国内に引き取る場合は、輸入貿易管理令の規定による輸入承認は要しないこととされている。

正しいです。

関税法基本通達67-1-15(2)柱書の通りです。

輸出の許可を受けた貨物の全部についてその輸出が取止めになり、これを国内に引き取る場合の取扱いについては、関税法基本通達67-1-15で貨物が一旦船舶又は航空機に積み込まれたかどうかで分けて規定されています。

本肢は船舶に積み込まれる前の取り止めなので、輸入承認を要しません

反対に一旦積み込まれた後の取り止めの場合は、通常の輸入手続を要します。

選択肢2. 輸出申告は、税関長の承認を受けた場合を除き、その申告に係る貨物を保税地域等に入れた後に、当該保税地域等の所在地を所轄する税関長に対してしなければならない。

誤りです。

輸出申告は保税地域等に搬入する前でもすることができます。

 

輸入申告については、税関長の承認を受けた場合等を除き、原則として申告に係る貨物を保税地域等に入れた後にするものとされています(関税法67条の2第3項柱書)が、輸出申告については、そのような規定はありません。

輸出申告においても貨物を保税地域等に搬入することが必要ですが、申告は搬入前にすることができます。関税法基本通達67-1-2においても、輸出申告書に申告に係る貨物が保税地域等に搬入前か後かを記載させると規定されており、輸出申告を保全地域等に搬入する前にすることができることを前提としています。

選択肢3. 指定保税地域に置かれた外国貨物について、関税法第40条第2項(貨物の取扱い)の規定により簡単な加工を施した場合は、当該外国貨物を外国貨物のまま本邦から外国に向けて積み戻すことができないこととされている。

誤りです。

そのような規定はありません。

「指定保税地域においては(中略)外国貨物又は輸出しようとする貨物につき、見本の展示、簡単な加工その他これらに類する行為で税関長の許可を受けたものを行うことができる」(関税法40条2項)とされており、加工後に積み戻すことが予定されていると考えられます。

選択肢4. 輸出の許可後において貨物の積込港を変更しようとする場合には、当該輸出の許可の取消しを受け、その変更後の内容により輸出申告をしなければならない。

誤りです。

輸出の許可後において貨物の積込港を変更しようとする場合における積込港変更の手続については、関税法基本通達67-1-12で規定されています。

「船名、数量等変更申請書」にその申請に係る輸出許可書を添付して提出することで積込港変更の手続きを行うことが規定されています。許可の取消しはなく、新たな輸出申告も必要とされていません。

選択肢5. 本船扱いの承認を受けて輸出しようとする貨物を外国貿易船に積み込んだ後、その輸出の許可前に当該外国貿易船が外国に向けて航行を開始した場合においては、当該貨物に係る関税法第2条第1項第2号(定義)に規定する輸出の具体的な時期は、当該貨物を当該外国貿易船に積み込んだ時とすることとされている。

誤りです。

本船扱いの承認を受けて輸出しようとする貨物を外国貿易船に積み込んだ後、輸出の許可前にその船舶が外国に向けて航行を開始した場合について、輸出の具体的時期は「その航行を開始した時」と規定されています(関税法基本通達2-5(5))。

 

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