通関士の過去問
第57回(令和5年)
通関業法 問29
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問題
通関士試験 第57回(令和5年) 通関業法 問29 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述は、通関業者又は通関士の義務に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。
- 正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らす行為をした通関士の当該行為については、通関士に対する懲戒処分の対象とされている。
- 通関士は、自ら通関書類の審査を行うことなく他人に自己の記名をさせてはならないこととされている。
- 通関業者は、通関士が通関業務に従事している営業所における通関業務として他人の依頼に応じて税関官署に提出する輸入申告書について、通関士にその内容を審査させ、かつ、これに記名させなければならない。
- 通関業者は、他人に自己の名義の印章を使用させ、自己の名義で通関業務を行わせることができることとされている。
- 通関業法第18条の規定による通関業務の料金の額の掲示については、インターネット上で当該料金の額の閲覧を可能とする方法により行うことができないこととされている。
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この過去問の解説 (3件)
01
通関業者又は通関士の義務に関する問題です。
◯
正しい記述です。
通関士の守秘義務の内容です。
😃キーワード:秘密→懲戒処分
◯
正しい記述です。
通関士の名義貸し禁止の内容です。
😃自分の名前は、貸出はしないですからね。
◯
正しい記述です。
通関業者の立場からの通関士の審査義務の内容です。
😃通関業者は、ちゃんと通関士に審査させなければならないことですね。
✖
通関業者には、名義貸し禁止の義務がありますので、誤っている記述です。
✖
時代が速いスピードで変わっていますので、インターネットにより、料金提示義務を行うことができると規定されております。
😃NACCSというシステムも、インタネットがないと、使えないですね。
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02
通関業法に規定されている、通関業者又は通関士の義務に関する問題です。
正しい内容です。
通関業者及び通関士その他の通関業務の従業者は、正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。これらの者がこれらの者でなくなつた後も、同様とする。
(通関業法第19条)
正しい内容です。
通関業者は、その名義を他人に通関業のため使用させてはならない。
(通関業法第17条)
正しい内容です。
通関業者は、他人の依頼に応じて税関官署に提出する通関書類のうち政令で定めるものについては、通関士にその内容を審査させ、かつ、これに記名させなければならない。
(通関業法第14条)
誤った内容です。
通関業者は、その名義を他人に通関業のため使用させてはならないと規定されております。
(通関業法第17条)
誤った内容です。
通関業者が当該料金の額の掲示について、インターネット上で閲覧を可能とする方法により行う場合には、当該通関業者に対し、当該料金の額を掲載したホームページのアドレスを営業所において依頼者に見やすいように掲示することを求めるものとすると規定されております。
したがって、インターネット上での当該料金掲示は可能となっております。
(通関業法基本通達18-2)
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03
本問は、通関業者、通関士の義務、懲戒処分の対象となる行為について、問う問題です。基本的かつ重要な内容が含まれているので、押さえておきましょう。
正しい
「正当な理由がなくて、通関業務に関して知り得た秘密を他に漏ら」す行為については、通関業法19条で禁止されています。
通関業法または関税法その他関税に関する法令の規定に違反したとき、懲戒処分の対象となることが規定されています(通関業法35条1項)。
よって、通関業法19条違反も懲戒処分の対象となるので、本肢は正しい内容です。
正しい
本肢の通関士の行為は、名義貸しに当たり、通関業法33条に違反するものです。
通関業法33条では、「通関士(中略)は、その名義を他人に通関業務のため使用させてはならない」と名義貸しが禁止されています。
そして、通関業法基本通達33-1には名義貸しに該当する場合の例として、以下の2つが挙げられています。
⑴通関士が自ら通関書類の審査を行うことなく他人に自己の記名をさせる場合
⑵通関業法32条1号(通関士の資格の喪失)の規定により通関士でなくなった者で異動の届出のない者が、通関書類に通関士としての自己の記名をさせる場合
本肢の通関士の行為は、上の⑴に該当します。
正しい
本肢の「輸入申告書」は、通関士による内容の審査および記名が必要な通関書類です(通関業法14条、通関業法施行令6条1号、通関業法2条1号イ(1))。
通関業法14条で、「通関業者は、他人の依頼に応じて税関官署に提出する通関書類のうち政令で定めるもの(通関士が通関業務に従事している営業所における通関業務に係るものに限る。)については、通関士にその内容を審査させ、かつ、これに記名させなければならない」と規定されています。
そして、上で「政令で定めるもの」とありますが、その内容は通関業法施行令6条に規定されています。
誤り
通関業者が、他人に自己の名義の印章を使用させることも、自己の名義で通関業務を行わせることも禁止されています。
通関業法17条で「通関業者は、その名義を他人に通関業のため使用させてはならない」と規定されています。
そして、通関業法基本通達17-1では、名義貸しにあたる例として、「他人に自己の名義の印章を使用させ、自己の名義で通関業務を行わせるような場合」が挙げられています。
誤り
料金の額の掲示については、「通関業者が当該料金の額の掲示について、インターネット上で閲覧を可能とする方法により行う」ことも認められています。
通関業法18条で「通関業者は、通関業務(第七条に規定する関連業務を含む。)の料金の額を営業所において依頼者の見やすいように掲示しなければならない」と規定されています。
そして、掲示の方法については、通関業法基本通達18-2で「社会通念上妥当と考えられる方法により各通関業者が自由に定めることとして差し支えない」とされ、「通関業者が当該料金の額の掲示について、インターネット上で閲覧を可能とする方法により行う場合」の掲示方法が記載されています。
●通関士による内容の審査および記名が必要な通関書類(通関業法14条、通関業法施行令6条1号)を確認しておきましょう。
●名義貸しにあたるとされているのは以下の場合です。
【通関業者】(通関業法基本通達17-1)
例:他人に自己の名義の印章を使用させ、自己の名義で通関業務を行わせるような場合
【通関士】(通関業法基本通達33-1)
⑴通関士が自ら通関書類の審査を行うことなく他人に自己の記名をさせる場合
⑵通関業法32条1号(通関士の資格の喪失)の規定により通関士でなくなった者で異動の届出のない者が、通関書類に通関士としての自己の記名をさせる場合
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