通関士の過去問
第57回(令和5年)
通関業法 問33
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問題
通関士試験 第57回(令和5年) 通関業法 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述は、通関業法第10条に規定する通関業の許可の消滅及び同法第11条に規定する通関業の許可の取消しに関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
- 通関業者が通関業を廃止したことにより通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該通関手続については、当該通関業の許可を受けていた者が引き続き当該通関業の許可を受けているものとみなすこととされている。
- 財務大臣は、通関業者が偽りその他不正の手段により通関業の許可を受けたことが判明したときは、通関業法第11条の規定に基づき、当該通関業の許可を取り消すことができる。
- 財務大臣は、法人である通関業者であって、その役員が通関業法第6条第7号に規定する暴力団員に該当するに至ったときは、同法第11条の規定に基づき、当該通関業者の通関業の許可を取り消すことができる。
- 通関業者が関税法第111条(許可を受けないで輸出入する等の罪)の規定に該当する違反行為をして同法の規定により通告処分を受けた者に該当するに至ったときは、当該通関業者の通関業の許可は消滅する。
- 通関業の許可を受けた者がその許可の日から1年以内に通関業務を開始しない場合であっても、当該通関業の許可は消滅しない。
- 該当なし
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この過去問の解説 (3件)
01
本問は、通関業の許可の消滅と取消、それぞれに該当する場合について問う問題です。
「消滅」は財務大臣の行為なしで効果が発生するもので、規定されているのは、通関業の廃止や死亡など、財務大臣の判断が不要な場合です。
「取消」は財務大臣の取消という行為によって消滅の効果を発生させるもので、規定されているのは、要件に該当するかの判断が必要な場合です。
正しい
通関業法10条3項に規定されている通りです。
正しい
通関業法11条1項1号に規定されている通りです。
正しい
通関業法11条1項2号、6条7号に規定されている通りです。
誤り
「通関業の許可は消滅する」とあるところが誤りです。正しくは「通関業の許可を財務大臣は取り消すことができる」となります。
通関業者が関税法111条に違反して通告処分を受けた場合、財務大臣は通関業の許可を取り消すことができます(通関業法11条1項2号、6条4号イ)。
正しい
通関業の許可の消滅原因は通関業10条に規定されていますが、「許可の日から1年以内に通関業務を開始しない場合」は挙げられていません。
許可の消滅と取消の違いをまとめます。
【消滅】
財務大臣の行為なしで効果が発生。
・通関業の廃止や死亡(通関業務が継続できないことが明らか・財務大臣の判断が不要)
・破産手続開始の決定を受けたとき(裁判所の決定があり明らか・財務大臣の判断が不要)
【取消】
財務大臣の取消という行為によって消滅の効果を発生させる。
要件に該当するかの判断が必要、審査委員の意見を聴いて行われる
・偽りその他不正の手段により通関業の許可を受けたことが判明したとき
・欠格事由に該当するに至ったたとき
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02
通関業の許可の消滅及び通関業の許可の取消しに関する問題です。
1.許可の消滅の起因が、通関業者自身にあります。主語は、通関業者になります。違法行為がありませんが、運営が不可能になる場合です。
2.許可の取消しの主語は、財務大臣になります。財務大臣には、取り消す権利を持っています。通関業者が違法行為をした場合がほどんどです。
◯
正しい記述です。
ポイント:
1.通関業を廃止→消滅
2.進行中の通関手続がある→許可を受けているものとみなす
(「仕事を残さずに、最後までクリアしましょう」ということですね。)
◯
正しい記述です。
😃偽り&不正手段→取り消す
◯
正しい記述です。
😃役員&暴力団員→取り消す
✖
「当該通関業者の通関業の許可は消滅する」という記述が誤っています。
この場合は、財務大臣は、当該通関業者の通関業の許可を取り消すことができると規定されております。
◯
通関業の許可を受けた者がその許可の日から1年以内に通関業務を開始しない場合であっても、通関業の運営が可能である限り、通関業の許可は消滅しないです。
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03
通関業法に規定されている通関業の許可の消滅及び通関業の許可の取消しに関する問題です。
正しい内容です。
通関業の許可が消滅した場合において、現に進行中の通関手続があるときは、当該手続については、当該許可を受けていた者(その者が死亡した場合には、その相続人とし、法人が合併により消滅した場合には、合併後存続する法人又は合併により設立された法人とする。)が引き続き当該許可を受けているものとみなす。
(通関業法第10条第3項)
正しい内容です。
通関業者が偽りその他不正の手段により通関業の許可を受けたことが判明したときは、当該通関業の許可を取り消すことができる。
(通関業法第11条第1項1号)
正しい内容です。
その役員が通関業法第6条第7号に規定する暴力団員に該当するに至ったときは、当該通関業の許可を取り消すことができる。
(通関業法第11条第1項2号)
誤った内容です。
関税法第111条(許可を受けないで輸出入する等の罪)の規定に該当する違反行為をして同法の規定により通告処分を受けた者に該当するに至ったときであっても、当該通関業者の通関業の許可は消滅しません。
(通関業法第10条第3項)
正しい内容です。
問題文のような規定はありません。
(通関業法第10条第3項)
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