通関士の過去問
第57回(令和5年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問32

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問題

通関士試験 第57回(令和5年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税定率法に規定する関税の軽減、免除又は払戻しに関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。
  • 輸入貨物が、輸入申告の後、輸入の許可前に損傷した場合においては、関税定率法第10条第1項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定により、当該貨物の損傷による価値の減少に基づく価格の低下率を基準として、その関税の軽減を受けることができない。
  • 輸入の許可を受けた貨物が、輸入の許可後引き続き、保税地域に置かれている間に、災害により滅失した場合においては、関税定率法第10条第2項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定により、その関税(附帯税を除く。)の全部の払戻しを受けることができる。
  • 国際親善のため、国にその用に供するものとして寄贈される物品で輸入されるものは、その輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供される場合であっても、関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。
  • 赤十字国際機関から日本赤十字社に寄贈された器具で、日本赤十字社が直接医療用に使用するものと認められるもので輸入され、その輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供されないものについては、関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。
  • 本邦にある外国の大使館又は公使館に属する公用品で輸入されるものについては、相互条件により関税の免除に制限がある場合を除き、関税定率法第16条第1項(外交官用貨物等の免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

関税の軽減、免除又は払戻しに関する問題です。

ポイントは、輸入者の利益がある程度守られていることです。

適用条件をしっかり覚えましょう。

選択肢1. 輸入貨物が、輸入申告の後、輸入の許可前に損傷した場合においては、関税定率法第10条第1項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定により、当該貨物の損傷による価値の減少に基づく価格の低下率を基準として、その関税の軽減を受けることができない。

輸入許可前でしたら、当該貨物の損傷による価値の減少に基づく価格の低下率を基準として、その関税の軽減を受けることができます。

選択肢2. 輸入の許可を受けた貨物が、輸入の許可後引き続き、保税地域に置かれている間に、災害により滅失した場合においては、関税定率法第10条第2項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定により、その関税(附帯税を除く。)の全部の払戻しを受けることができる。

正しい記述です。

輸入の許可後引き続き、保税地域に置かれている」のは、前提です。

選択肢3. 国際親善のため、国にその用に供するものとして寄贈される物品で輸入されるものは、その輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供される場合であっても、関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。

輸入の許可の日から2年以内に用途外使用禁止です。

選択肢4. 赤十字国際機関から日本赤十字社に寄贈された器具で、日本赤十字社が直接医療用に使用するものと認められるもので輸入され、その輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供されないものについては、関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。

特定用途免税に関する正しい記述です。

「輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供されないもの」は、条件です。

選択肢5. 本邦にある外国の大使館又は公使館に属する公用品で輸入されるものについては、相互条件により関税の免除に制限がある場合を除き、関税定率法第16条第1項(外交官用貨物等の免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。

外交官用貨物等の免税に関する正しい記述です。

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02

関税定率法に規定されている、関税の軽減、免除又は払戻しに関する問題です。

選択肢1. 輸入貨物が、輸入申告の後、輸入の許可前に損傷した場合においては、関税定率法第10条第1項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定により、当該貨物の損傷による価値の減少に基づく価格の低下率を基準として、その関税の軽減を受けることができない。

誤った内容です。

輸入貨物が輸入の許可前に変質し、又は損傷した場合においては、政令で定めるところにより、当該貨物の変質若しくは損傷による価値の減少に基づく価格の低下率を基準として、その関税を軽減し、又はその関税の額とその変質若しくは損傷後における性質及び数量により課税した場合における関税の額との差額以内において、その関税を軽減することができる。

(関税定率法第10条第1項)

選択肢2. 輸入の許可を受けた貨物が、輸入の許可後引き続き、保税地域に置かれている間に、災害により滅失した場合においては、関税定率法第10条第2項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定により、その関税(附帯税を除く。)の全部の払戻しを受けることができる。

正しい内容です。

輸入の許可を受けた貨物が、輸入の許可後引き続き、税関長が指定した場所に置かれている間に、災害その他やむを得ない理由により滅失し、又は変質し、若しくは損傷した場合においては、政令で定めるところにより、その関税の全部又は一部を払い戻すことができる。

(関税定率法第10条第2項)

選択肢3. 国際親善のため、国にその用に供するものとして寄贈される物品で輸入されるものは、その輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供される場合であっても、関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。

誤った内容です。

国際親善のため、国又は地方公共団体にその用に供するものとして寄贈される物品については、その輸入の許可の日から二年以内に当該各号に掲げる用途以外の用途に供されないものについては、政令で定めるところにより、その関税を免除する。

(関税定率法第15条第1項3の2)

選択肢4. 赤十字国際機関から日本赤十字社に寄贈された器具で、日本赤十字社が直接医療用に使用するものと認められるもので輸入され、その輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供されないものについては、関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。

正しい内容です。

赤十字国際機関又は外国赤十字社から日本赤十字社に寄贈された機械及び器具で、日本赤十字社が直接医療用に使用するものと認められるものについて、その輸入の許可の日から2年以内にその用途以外の用途に供されないものについてはその関税の免除を受けることができる。

(関税定率法第15条第1項5号)

選択肢5. 本邦にある外国の大使館又は公使館に属する公用品で輸入されるものについては、相互条件により関税の免除に制限がある場合を除き、関税定率法第16条第1項(外交官用貨物等の免税)の規定により、その関税の免除を受けることができる。

正しい内容です。

本邦にある外国の大使館、公使館その他これらに準ずる機関に属する公用品については、その関税を免除する。。但し、外国にある本邦のこれらの機関に属する公用品についての関税の免除に制限を附する国については、相互条件によると規定されております。

(関税定率法第16条第1項1号)

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