通関士 過去問
第57回(令和5年)
問74 (関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問34)

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問題

通関士試験 第57回(令和5年) 問74(関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問34) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、外国為替及び外国貿易法第48条に規定する経済産業大臣の輸出の許可及び承認に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。
  • 輸出貿易管理令別表第2の33の項の中欄に掲げるうなぎの稚魚を、アメリカ合衆国を仕向地として輸出する場合において、その輸出する貨物の総価額が5万円以下のものであるときは、経済産業大臣の輸出の承認を受けることを要しない。
  • 輸出貿易管理令別表第2の43の項の中欄に掲げる重要文化財を輸出しようとする場合において、文化財保護法の規定に基づく文化庁長官の許可を受けているときであっても、経済産業大臣の輸出の承認を受けなければならない。
  • 輸出貿易管理令別表第1の1の項の中欄に掲げる軍用航空機の部分品のうち、修理を要するものを無償で輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けることを要しない。
  • 輸出貿易管理令別表第1の16の項の中欄に掲げる関税定率法別表第95類に該当する玩具を、ドイツを仕向地として輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない。
  • 経済産業大臣は、外国為替及び外国貿易法第48条第1項の規定により経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない貨物について、当該輸出の許可を受けないで貨物を輸出した者に対し、3年以内の期間を限り、輸出を行うことを禁止することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

経済産業大臣の輸出の許可及び承認に関する問題です。

 

選択肢1. 輸出貿易管理令別表第2の33の項の中欄に掲げるうなぎの稚魚を、アメリカ合衆国を仕向地として輸出する場合において、その輸出する貨物の総価額が5万円以下のものであるときは、経済産業大臣の輸出の承認を受けることを要しない。

正しい記述です。

キーワードは、「うなぎの稚魚、5万円」です。

選択肢2. 輸出貿易管理令別表第2の43の項の中欄に掲げる重要文化財を輸出しようとする場合において、文化財保護法の規定に基づく文化庁長官の許可を受けているときであっても、経済産業大臣の輸出の承認を受けなければならない。

輸出に関する決定権は、経済産業大臣にあります。

選択肢3. 輸出貿易管理令別表第1の1の項の中欄に掲げる軍用航空機の部分品のうち、修理を要するものを無償で輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けることを要しない。

輸出貿易管理令別表第1の1の項の中欄に掲げるものを輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならないです。

無償でも、経済産業大臣の許可がないと輸出ができないです。

選択肢4. 輸出貿易管理令別表第1の16の項の中欄に掲げる関税定率法別表第95類に該当する玩具を、ドイツを仕向地として輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない。

第95類に該当する玩具を、ドイツを仕向地として輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受ける必要がありません。

選択肢5. 経済産業大臣は、外国為替及び外国貿易法第48条第1項の規定により経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない貨物について、当該輸出の許可を受けないで貨物を輸出した者に対し、3年以内の期間を限り、輸出を行うことを禁止することができる。

正しい記述です。

ポイントは、「3年以内の期間を限り、輸出を行うことを禁止することができる」ことです。

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02

輸出貿易管理令に関連する問題です。

選択肢1. 輸出貿易管理令別表第2の33の項の中欄に掲げるうなぎの稚魚を、アメリカ合衆国を仕向地として輸出する場合において、その輸出する貨物の総価額が5万円以下のものであるときは、経済産業大臣の輸出の承認を受けることを要しない。

正しい内容です。

うなぎの稚魚を、アメリカ合衆国を仕向地として輸出する場合において、その輸出する貨物の総価額が5万円以下のものであるときは、経済産業大臣の輸出の承認を受けることを要しないと規定されております。

(輸出貿易管理令第4条第3項)

選択肢2. 輸出貿易管理令別表第2の43の項の中欄に掲げる重要文化財を輸出しようとする場合において、文化財保護法の規定に基づく文化庁長官の許可を受けているときであっても、経済産業大臣の輸出の承認を受けなければならない。

正しい内容です。

文化財保護法の規定に基づく文化庁長官の許可を受けているときであっても、経済産業大臣の輸出の承認を受けなければなりません。

(輸出貿易管理令第2条)

選択肢3. 輸出貿易管理令別表第1の1の項の中欄に掲げる軍用航空機の部分品のうち、修理を要するものを無償で輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けることを要しない。

誤った内容です。

輸出貿易管理令別表第1の1の項の中欄に掲げるものを輸出しようとする場合は、無償であっても経済産業大臣の輸出の許可を受ける必要があります

(輸出貿易管理令第1条第1項)

選択肢4. 輸出貿易管理令別表第1の16の項の中欄に掲げる関税定率法別表第95類に該当する玩具を、ドイツを仕向地として輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない。

誤った内容です。

経済産業大臣の輸出の許可を受ける必要はありません。

(輸出貿易管理令第4条第1項3号)

選択肢5. 経済産業大臣は、外国為替及び外国貿易法第48条第1項の規定により経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない貨物について、当該輸出の許可を受けないで貨物を輸出した者に対し、3年以内の期間を限り、輸出を行うことを禁止することができる。

正しい内容です。

経済産業大臣は、外為法48条第1項の規定により経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない貨物について、当該輸出の許可を受けないで貨物を輸出した者に対し、3年以内の期間を限り、輸出を行うことを禁止することができると規定されております。

(外為法53条第1項)

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03

本問は、輸出貿易管理令についての知識を問う問題です。

 

選択肢1. 輸出貿易管理令別表第2の33の項の中欄に掲げるうなぎの稚魚を、アメリカ合衆国を仕向地として輸出する場合において、その輸出する貨物の総価額が5万円以下のものであるときは、経済産業大臣の輸出の承認を受けることを要しない。

正しいです。

輸出貿易管理令2条1項1号、4条3項、別表第7第2項の通りです。

 

輸出貿易管理令「別表第二中欄に掲げる貨物の同表下欄に掲げる地域を仕向地とする輸出」をしようとする者は、「経済産業大臣の承認を受けなければならない」とされています(輸出貿易管理令2条1項1号)。

そして、本肢の「別表第2の33」の項の下欄に掲げる地域は「全地域」となっています。本肢は「アメリカ合衆国を仕向地として」「別表第2の33の項の中欄に掲げるうなぎの稚魚」を、輸出する場合なので、原則として、経済産業大臣の承認を受けなければならないことになります。

ただし、輸出貿易管理令4条3項により、「総価額が別表第7中欄に掲げる貨物の区分に応じ同表下欄に掲げる金額以下の貨物を輸出しようとする場合には、適用しない」とされており、本肢の「別表第2の33」の項の中欄に掲げる貨物については、「5万円」以下の場合、適用されません(輸出貿易管理令別表第7第2項)。

選択肢2. 輸出貿易管理令別表第2の43の項の中欄に掲げる重要文化財を輸出しようとする場合において、文化財保護法の規定に基づく文化庁長官の許可を受けているときであっても、経済産業大臣の輸出の承認を受けなければならない。

正しいです。

他の法令による輸出の許可又は確認と経済産業大臣による輸出の承認の両方が必要となります(輸出貿易管理令2条3項参照)。

 

本肢の「輸出貿易管理令別表第2の43の項の中欄に掲げる重要文化財を輸出しようとする場合」については、「他の法令による輸出の許可又は確認を受けている場合に限り、第一項の規定による承認をするものとする」と規定され、他の法令による輸出の許可又は確認と経済産業大臣による輸出の承認の両方が必要となっています(輸出貿易管理令2条3項)。

 

選択肢3. 輸出貿易管理令別表第1の1の項の中欄に掲げる軍用航空機の部分品のうち、修理を要するものを無償で輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けることを要しない。

誤りです。

「輸出貿易管理令別表第1の1の項の中欄」の「軍用航空機の部分品」について輸出の許可を受けることを要しないとした部分が誤りです。

 

輸出貿易管理令別表第1の1の項の中欄に掲げる貨物については経済産業大臣の許可を受けなければならないことが規定されています(輸出貿易管理令4条1項柱書)。

「国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるもの」の輸出について経済産業大臣の許可を必要とした外国為替及び外国貿易法48条1項の趣旨からすれば、「軍用航空機の部分品」の輸出は有償であれ無償であれ経済産業大臣の許可を必要とすると判断できるものと考えられます。

 

なお、「航空機の部分品(中略)のうち、修理を要するものであつて無償で輸出するもの」を輸出しようとするときであれば、経済産業大臣の許可を要しないことが規定されています輸出貿易管理令4条1項2号ロ)。

選択肢4. 輸出貿易管理令別表第1の16の項の中欄に掲げる関税定率法別表第95類に該当する玩具を、ドイツを仕向地として輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない。

誤りです。

本肢の別表第1の16の項の中欄に掲げる貨物を輸出しようとする場合で経済産業大臣の許可を要しないときについて輸出貿易管理令4条1項3号で規定されている要件は次のようになっています。

 

①    別表第1の16の項に掲げる貨物(外国向け仮陸揚げ貨物を除く。)を全地域(別表第3に掲げる地域を除く。)を仕向地として輸出しようとする場合であること

②    別表第3の2に掲げる地域以外の地域を仕向地として輸出しようとする場合

イ、ロ、ニに該当しないとき。

別表第3の2に掲げる地域を仕向地として輸出しようとする場合

イ、ロ、ハ、ニに該当しないとき。

  ※イ、ロ、ハ、ニは核兵器や別表1の1の項の中欄に掲げる貨物の開発等に用いられるおそれがあるとされている場合

 

本肢の仕向け地ドイツは「別表第3に掲げる地域」に含まれ、「別表第3の2に掲げる地域以外の地域」にあたるので、輸出貿易管理令4条1項3号イ、ロ、ニに該当しないときは経済産業大臣の許可を要しません(輸出貿易管理令4条1項3号)。

そして、本肢の貨物は玩具であり、核兵器や別表1の1の項の中欄に掲げる貨物の開発等に用いられるおそれがあるとされているような前提もないので、輸出貿易管理令4条1項3号イ、ロ、ニに該当しないと考えられるため、経済産業大臣の許可を要しないと考えられます。

選択肢5. 経済産業大臣は、外国為替及び外国貿易法第48条第1項の規定により経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない貨物について、当該輸出の許可を受けないで貨物を輸出した者に対し、3年以内の期間を限り、輸出を行うことを禁止することができる。

正しいです。

外国為替及び外国貿易法53条1項の通りです。

 

外国為替及び外国貿易法48条1項に反して、経済産業大臣の許可を受けないで貨物の輸出をした者は「3年以内の期間を限り、輸出を行(中略)うことを禁止することができる」と規定されています(外国為替及び外国貿易法53条1項)。

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