通関士の過去問
第57回(令和5年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問38

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問題

通関士試験 第57回(令和5年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税の徴収及び関税の担保の提供、輸入差止申立てに係る供託並びに輸入者に対する調査の事前通知に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選びなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
  • 税関長は、納税義務者が偽りその他不正の行為により関税を免れたと認められる場合において、納付すべき税額の確定した関税でその納期限までに完納されないと認められるものがあるときは、その納期限を繰り上げ、その納付を請求することができることとされている。
  • 金地金その他の貴金属であって換価の容易なものは、関税の担保として提供することが認められる。
  • 関税の担保を提供した者は、担保物を変更する場合において、変更後に提供しようとする担保物が変更前の担保物の価額に相当する金銭であるときは、その旨を税関長に届け出ることとされているが、変更後に提供しようとする担保物が金銭以外のものであるときは、税関長の承認を受けなければならないこととされている。
  • 税関長が、特許権に係る輸入差止申立てを受理した場合において、その申立てに係る貨物についての認定手続が終了するまでの間当該貨物が輸入されないことにより当該貨物を輸入しようとする者が被るおそれがある損害の賠償を担保するため、当該申立てをした特許権者に対し、相当と認める額の金銭をその指定する供託所に供託すべき旨を命じたときは、当該特許権者は、その特許権を目的として設定した質権をもって当該金銭に代えることができる。
  • 税関長は、税関の当該職員に輸入者に対し実地の調査において関税法第105条第1項第6号の規定による質問検査等を行わせる場合には、あらかじめ、当該輸入者に対し、その調査を行う旨、調査を開始する日時、調査を行う場所、調査を行う理由、調査の対象となる期間等を口頭ではなく書面により通知しなければならない。
  • 該当なし

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この過去問の解説 (2件)

01

細かい内容ですので、正しい記述の内容をしっかり覚えましょう。

選択肢1. 税関長は、納税義務者が偽りその他不正の行為により関税を免れたと認められる場合において、納付すべき税額の確定した関税でその納期限までに完納されないと認められるものがあるときは、その納期限を繰り上げ、その納付を請求することができることとされている。

関税を確保するための規定です。

税関長が納付を請求することがきできない場合、たくさんの不正行為が出てくるでしょう。

選択肢2. 金地金その他の貴金属であって換価の容易なものは、関税の担保として提供することが認められる。

金地金その他の貴金属であって換価の容易なものは、関税の担保として提供することが認められないという規定です。

キーワード:金地金→ダメです

選択肢3. 関税の担保を提供した者は、担保物を変更する場合において、変更後に提供しようとする担保物が変更前の担保物の価額に相当する金銭であるときは、その旨を税関長に届け出ることとされているが、変更後に提供しようとする担保物が金銭以外のものであるときは、税関長の承認を受けなければならないこととされている。

関税の担保を提供した者は、担保物を変更する場合において、税関長の承認を受けなければならないと規定されております。

キーワード:担保変更→承認が必要

選択肢4. 税関長が、特許権に係る輸入差止申立てを受理した場合において、その申立てに係る貨物についての認定手続が終了するまでの間当該貨物が輸入されないことにより当該貨物を輸入しようとする者が被るおそれがある損害の賠償を担保するため、当該申立てをした特許権者に対し、相当と認める額の金銭をその指定する供託所に供託すべき旨を命じたときは、当該特許権者は、その特許権を目的として設定した質権をもって当該金銭に代えることができる。

特許権を目的として設定した質権をもって当該金銭に代えることが認められないです。

キーワード:金銭を供託する

選択肢5. 税関長は、税関の当該職員に輸入者に対し実地の調査において関税法第105条第1項第6号の規定による質問検査等を行わせる場合には、あらかじめ、当該輸入者に対し、その調査を行う旨、調査を開始する日時、調査を行う場所、調査を行う理由、調査の対象となる期間等を口頭ではなく書面により通知しなければならない。

通知しなければならないという規定がありますが、口頭でも書面でも認められます。

極端の例を考えましょう。郵便局の通信障害により書面通知が不可能の場合、口頭での通知が必ず認められますよね。口頭での通知が認められない規定でしたら、通関手続きがなかなか進めないことがたくさん出てきますよね。

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02

関税法、国税通則法に規定されている、関税の担保の提供、輸入差止申立て、輸入者に対する調査の通知に関する問題です。

選択肢1. 税関長は、納税義務者が偽りその他不正の行為により関税を免れたと認められる場合において、納付すべき税額の確定した関税でその納期限までに完納されないと認められるものがあるときは、その納期限を繰り上げ、その納付を請求することができることとされている。

正しい内容です。

関税の徴収の規定による国税徴収の例による関税の徴収は、関税が納期限までに完納されない場合に、他の国税の徴収の場合と同様に督促、滞納処分、その他繰上請求等の手続により行うものとする。

(関税法基本通達11-1)

選択肢2. 金地金その他の貴金属であって換価の容易なものは、関税の担保として提供することが認められる。

誤った内容です。

金地金その他の貴金属は関税の担保として提供することが認められておりません。

(国税通則法第50条)

選択肢3. 関税の担保を提供した者は、担保物を変更する場合において、変更後に提供しようとする担保物が変更前の担保物の価額に相当する金銭であるときは、その旨を税関長に届け出ることとされているが、変更後に提供しようとする担保物が金銭以外のものであるときは、税関長の承認を受けなければならないこととされている。

誤った内容です。

関税の担保を提供した者は、税関長の承認を受けた場合に限り、担保物又は保証人を変更することができるとあり、担保物が金銭以外のものであるときもこれに該当します。

(関税法施行令第8条の3第3項)

選択肢4. 税関長が、特許権に係る輸入差止申立てを受理した場合において、その申立てに係る貨物についての認定手続が終了するまでの間当該貨物が輸入されないことにより当該貨物を輸入しようとする者が被るおそれがある損害の賠償を担保するため、当該申立てをした特許権者に対し、相当と認める額の金銭をその指定する供託所に供託すべき旨を命じたときは、当該特許権者は、その特許権を目的として設定した質権をもって当該金銭に代えることができる。

誤った内容です。

特許権を目的として設定した質権をもって当該金銭に代えることは担保として認められておりません。

(国税通則法第50条)

選択肢5. 税関長は、税関の当該職員に輸入者に対し実地の調査において関税法第105条第1項第6号の規定による質問検査等を行わせる場合には、あらかじめ、当該輸入者に対し、その調査を行う旨、調査を開始する日時、調査を行う場所、調査を行う理由、調査の対象となる期間等を口頭ではなく書面により通知しなければならない。

誤った内容です。

税務署長等は、国税庁等又は税関の当該職員に納税義務者に対し実地の調査において、質問、検査又は提示若しくは提出の要求を行わせる場合には、あらかじめ、当該納税義務者に対し、その旨及び次に掲げる事項を通知するものとすると規定されておりますが、書面によりとは規定させれておりません。

参考になった数8