通関士の過去問
第57回(令和5年)
関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問50

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問題

通関士試験 第57回(令和5年) 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問50 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税定率法第8条に規定する不当廉売関税に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
  • 輸入貨物に不当廉売関税が課されている場合において、不当廉売された当該輸入貨物の輸入及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実が、当該不当廉売関税を課することとした期間の満了後に継続するおそれがあると認められるときであっても、当該期間を延長することはできない。
  • 関税定率法第8条第1項に規定する本邦の産業とは、不当廉売された輸入貨物と同種の貨物の本邦における総生産高に占める生産高の割合が相当の割合以上である本邦の生産者をいうものとされている。
  • 関税定率法第8条第1項に規定する本邦の産業に利害関係を有する者は、政府に対し、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実についての十分な証拠を提出し、当該貨物に対し不当廉売関税を課することを求めることができる。
  • 不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実の有無についての関税定率法第8条第5項の規定による調査は、当該調査を開始した日から1年以内に終了するものとされているが、特別の理由により必要があると認められる場合には、その期間を6月以内に限り延長することができる。
  • 政府は、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実の有無についての関税定率法第8条第5項の規定による調査が終了した場合において、不当廉売関税を課さないときは、同条第9項の規定により課された暫定的な関税又は提供された担保を速やかに還付し、又は解除しなければならない。
  • 該当なし

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この過去問の解説 (2件)

01

不当廉売関税に関する問題です。

不当廉売関税の発動要件(すべて満たす場合に):

①正常価格より低い価格で輸出する不当廉売行為がある

②本邦の産業に実質的な損害(若しくは恐れ)を与える。

③本邦の産業の確立を実質的に妨げる事実がある。

④本邦の産業を保護する必要がある

選択肢1. 輸入貨物に不当廉売関税が課されている場合において、不当廉売された当該輸入貨物の輸入及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実が、当該不当廉売関税を課することとした期間の満了後に継続するおそれがあると認められるときであっても、当該期間を延長することはできない。

当該不当廉売関税を課することとした期間の満了後に継続するおそれがあると認められるときであっても、当該期間を延長することはできない。」という記述が誤っています。

期間の延長ができます。

😃不当廉売関税を課する期間の延長ができない場合、本邦の産業を保護する目的が達成できないでしょう。

選択肢2. 関税定率法第8条第1項に規定する本邦の産業とは、不当廉売された輸入貨物と同種の貨物の本邦における総生産高に占める生産高の割合が相当の割合以上である本邦の生産者をいうものとされている。

「不当廉売された輸入貨物と同種の貨物の本邦における総生産高に占める生産高の割合が相当の割合以上である本邦の生産者」という記述は、とても重要です。よく試験に出てくる内容です。

選択肢3. 関税定率法第8条第1項に規定する本邦の産業に利害関係を有する者は、政府に対し、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実についての十分な証拠を提出し、当該貨物に対し不当廉売関税を課することを求めることができる。

場合によって、利害関係を有する者は政府よりもっと早く不当廉売に気づくでしょう。

政府だけではなく、利害関係者も本邦の産業を守る責任を持っています。

選択肢4. 不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実の有無についての関税定率法第8条第5項の規定による調査は、当該調査を開始した日から1年以内に終了するものとされているが、特別の理由により必要があると認められる場合には、その期間を6月以内に限り延長することができる。

1年以内出に終了するのは、基本ですが、特別の理由がある場合には、6月以内に限り延長することができると規定されております。

選択肢5. 政府は、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実の有無についての関税定率法第8条第5項の規定による調査が終了した場合において、不当廉売関税を課さないときは、同条第9項の規定により課された暫定的な関税又は提供された担保を速やかに還付し、又は解除しなければならない。

この規定は、輸入者の利益を守るためです。

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02

関税定率法に規定されている、不当廉売関税に関する問題です。

選択肢1. 輸入貨物に不当廉売関税が課されている場合において、不当廉売された当該輸入貨物の輸入及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実が、当該不当廉売関税を課することとした期間の満了後に継続するおそれがあると認められるときであっても、当該期間を延長することはできない。

誤った内容です。

不当廉売関税が課されている場合において、不当廉売された指定貨物の輸入及び当該輸入の本邦の産業に与える実質的な損害等の事実が同項の規定により指定された期間の満了後に継続し、又は再発するおそれがあると認められるときは、政令で定めるところにより、当該指定された期間を延長することができる。

(関税定率法第8条第25項)

選択肢2. 関税定率法第8条第1項に規定する本邦の産業とは、不当廉売された輸入貨物と同種の貨物の本邦における総生産高に占める生産高の割合が相当の割合以上である本邦の生産者をいうものとされている。

正しい内容です。

本邦の産業とは、当該輸入貨物と同種の貨物の本邦における総生産高に占める生産高の割合が相当の割合以上である本邦の生産者をいうものとする。

(不当廉売関税に関する政令第4条第1項)

選択肢3. 関税定率法第8条第1項に規定する本邦の産業に利害関係を有する者は、政府に対し、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実についての十分な証拠を提出し、当該貨物に対し不当廉売関税を課することを求めることができる。

正しい内容です。

本邦の産業に利害関係を有する者は、政令で定めるところにより、政府に対し、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入の本邦の産業に与える実質的な損害等の事実についての十分な証拠を提出し、当該貨物に対し不当廉売関税を課することを求めることができる。

(関税定率法第8条第4項)

選択肢4. 不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実の有無についての関税定率法第8条第5項の規定による調査は、当該調査を開始した日から1年以内に終了するものとされているが、特別の理由により必要があると認められる場合には、その期間を6月以内に限り延長することができる。

正しい内容です。

不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実の有無についての関税定率法第8条第5項の規定による調査は、調査を開始した日から一年以内に終了するものとする。ただし、特別の理由により必要があると認められる場合には、その期間を六月以内に限り延長することができる。

(関税定率法第8条第6項)

選択肢5. 政府は、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実の有無についての関税定率法第8条第5項の規定による調査が終了した場合において、不当廉売関税を課さないときは、同条第9項の規定により課された暫定的な関税又は提供された担保を速やかに還付し、又は解除しなければならない。

正しい内容です。

政府は、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実の有無についての調査が終了したときは、不当廉売関税を課する場合を除き、暫定的な関税又は提供された担保を速やかに還付し、又は解除しなければならない。

(関税定率法第8条第11項)

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