通関士 過去問
第58回(令和6年)
問83 (関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問43)

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問題

通関士試験 第58回(令和6年) 問83(関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問43) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税暫定措置法第8条の2の規定による特恵関税制度に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選びなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
  • 特恵関税は、原産地である特恵受益国等から当該特恵受益国等以外の地域を経由しないで本邦へ向けて直接に運送される物品にのみ適用される。
  • 原産地証明書は、その証明に係る物品の輸出の際に、当該物品の輸出者の申告に基づき原産地の税関(税関が原産地証明書を発給することとされていない場合には、原産地証明書の発給につき権限を有するその他の官公署又は商業会議所等で税関長が適当と認めるもの)が発給したものでなければならない。
  • 特別特恵受益国を原産地とする物品については、関税率表に掲げるすべての物品について特別特恵関税が定められており、その税率はすべて無税である。
  • 特恵関税は、本邦に入国する旅客が別送して輸入する物品には適用されない。
  • 特恵受益国等において完全に生産された物品以外の物品については、税関長が物品の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた物品であっても、当該物品について特恵関税の適用を受けようとする者は、必ず税関長に原産地証明書を提出しなければならない。
  • 該当なし

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この過去問の解説 (3件)

01

特恵関税の問題は択一式、複数選択式の問題どちらとも出題頻度が高いです。基礎を固めれば回答出来る問題なのでこの分野は得点源にしていきたいです。過去問を繰り返し解き、問われる事を理解するのが大切です。

選択肢1. 特恵関税は、原産地である特恵受益国等から当該特恵受益国等以外の地域を経由しないで本邦へ向けて直接に運送される物品にのみ適用される。

誤りです。
非原産国を経由して本邦へ運送される物に物品で運送上の理由による積替え及び一時蔵置以外の取り扱いがされなかったもの、非原産国における一時蔵置又は博覧会等への出品のため輸出された物品でその輸出をした者により当該非原産国から本邦に輸出されたものは例外的に特恵関税の適用を認めています。

選択肢2. 原産地証明書は、その証明に係る物品の輸出の際に、当該物品の輸出者の申告に基づき原産地の税関(税関が原産地証明書を発給することとされていない場合には、原産地証明書の発給につき権限を有するその他の官公署又は商業会議所等で税関長が適当と認めるもの)が発給したものでなければならない。

正しい内容です。
原産地証明書の発給は輸出者も申告に基づき原産地の税関(輸出国の原産地証明書の発給に権限を有するその他の官公署又は商工会議所等で税関長が適当と認めるもの)が発給したものでなければならないとされています。

選択肢3. 特別特恵受益国を原産地とする物品については、関税率表に掲げるすべての物品について特別特恵関税が定められており、その税率はすべて無税である。

誤りです。
関税率表に掲げるすべての物品について特恵関税が定められているわけではありません。また、特恵関税の税率は全て無税になるわけではないので誤りです。

選択肢4. 特恵関税は、本邦に入国する旅客が別送して輸入する物品には適用されない。

誤りです。
本邦に入国する旅客が別送して輸入する物品も適用ができます。

選択肢5. 特恵受益国等において完全に生産された物品以外の物品については、税関長が物品の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた物品であっても、当該物品について特恵関税の適用を受けようとする者は、必ず税関長に原産地証明書を提出しなければならない。

誤りです。
税関長が物品の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた物品は原産地証明書の提出は不要になります。

参考になった数10

02

関税暫定措置法等に規定されている、特恵関税制度に関する問題です。

選択肢1. 特恵関税は、原産地である特恵受益国等から当該特恵受益国等以外の地域を経由しないで本邦へ向けて直接に運送される物品にのみ適用される。

誤った内容です。

特恵関税は、原産地である特恵受益国等から当該特恵受益国等以外の地域を経由した場合であっても適用することができます。

(関税暫定措置法施行令第31条)

選択肢2. 原産地証明書は、その証明に係る物品の輸出の際に、当該物品の輸出者の申告に基づき原産地の税関(税関が原産地証明書を発給することとされていない場合には、原産地証明書の発給につき権限を有するその他の官公署又は商業会議所等で税関長が適当と認めるもの)が発給したものでなければならない。

正しい内容です。

原産地証明書は、その証明に係る物品の輸出の際に、当該物品の輸出者の申告に基づき原産地の税関(税関が原産地証明書を発給することとされていない場合には、原産地証明書の発給につき権限を有するその他の官公署又は商業会議所その他これに準ずる機関で、税関長が適当と認めるもの)が発給したものでなければならない。と規定されています。

(関税暫定措置法施行令第27条第4項)

選択肢3. 特別特恵受益国を原産地とする物品については、関税率表に掲げるすべての物品について特別特恵関税が定められており、その税率はすべて無税である。

誤った内容です。

関税率表に掲げるすべての物品について特別特恵関税が定められているわけではありません。

 

 

選択肢4. 特恵関税は、本邦に入国する旅客が別送して輸入する物品には適用されない。

誤った内容です。

本邦に入国する旅客が別送して輸入する物品にも適用することができます。

選択肢5. 特恵受益国等において完全に生産された物品以外の物品については、税関長が物品の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた物品であっても、当該物品について特恵関税の適用を受けようとする者は、必ず税関長に原産地証明書を提出しなければならない。

誤った内容です。

税関長が物品の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた物品は、原産地証明書を提出は不要です。

(関税暫定措置法施行令第27条第1項)

参考になった数3

03

本問は、特恵関税制度について、特に手続の知識を問う問題です。

選択肢1. 特恵関税は、原産地である特恵受益国等から当該特恵受益国等以外の地域を経由しないで本邦へ向けて直接に運送される物品にのみ適用される。

誤りです。

本肢の「原産地である特恵受益国等から当該特恵受益国等以外の地域を経由しないで本邦へ向けて直接に運送される物品」(関税暫定措置法施行令31条1項1号)のほか、同項2号、3号に該当する場合も特恵関税の規定は適用されます(関税暫定措置法施行令31条1項)。

 

※関税暫定措置法施行令31条1項2号

原産地である特恵受益国等から非原産国を経由して本邦へ向けて運送される物品で、当該非原産国において運送上の理由による積替え及び一時蔵置以外の取扱いがされなかったもの

※関税暫定措置法施行令31条1項3号

原産地である特恵受益国等から非原産国における一時蔵置又は博覧会等(博覧会、展示会その他これらに類するもの)への出品のため輸出された物品で、その輸出をした者により当該非原産国から本邦に輸出されるもので、当該非原産国から本邦までの運送が関税暫定措置法施行令31条1項1号、2号の運送に準ずるものである場合

選択肢2. 原産地証明書は、その証明に係る物品の輸出の際に、当該物品の輸出者の申告に基づき原産地の税関(税関が原産地証明書を発給することとされていない場合には、原産地証明書の発給につき権限を有するその他の官公署又は商業会議所等で税関長が適当と認めるもの)が発給したものでなければならない。

正しいです。

「原産地証明書は、その証明に係る物品の輸出の際(中略)に、当該物品の輸出者の申告に基づき原産地の税関(税関が原産地証明書を発給することとされていない場合には、原産地証明書の発給につき権限を有するその他の官公署又は商業会議所その他これに準ずる機関で、税関長が適当と認めるもの)が発給したものでなければならない」とされています(関税暫定措置法施行令27条4項)。

選択肢3. 特別特恵受益国を原産地とする物品については、関税率表に掲げるすべての物品について特別特恵関税が定められており、その税率はすべて無税である。

誤りです。

特別特恵受益国を原産地とする物品全てに特別特恵関税が定められているわけではなく、また、特恵関税率がすべて無税なわけではありません。

 

「経済が開発の途上にある国であって、関税について特別の便益を受けることを希望するもののうち、当該便益を与えることが適当であるものとして政令で定めるもの(中略)を原産地とする次の各号に掲げる物品」について、関税の率を、各号に定めるところによるとされています(関税暫定措置法8条の2第1)。

選択肢4. 特恵関税は、本邦に入国する旅客が別送して輸入する物品には適用されない。

誤りです。

関税暫定措置法基本通達8の2―17に、

「携帯品等」(「 本邦に入国する者がその入国の際に携帯し又は別送して輸入する物品」)について特恵関税が適用され得ることを前提とした規定がおかれています。

選択肢5. 特恵受益国等において完全に生産された物品以外の物品については、税関長が物品の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた物品であっても、当該物品について特恵関税の適用を受けようとする者は、必ず税関長に原産地証明書を提出しなければならない。

誤りです。

「税関長が物品の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた物品」については原産地証明書の提出を要しないことが規定されています(関税暫定措置法施行令27条1項1号)。 

その他「課税価格の総額が20万円以下の物品」「特例申告貨物である物品」についても

原産地証明書の提出を要しないことが規定されています(関税暫定措置法施行令27条1項2号、3号)。

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