通関士 過去問
第58回(令和6年)
問84 (関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問44)
問題文
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問題
通関士試験 第58回(令和6年) 問84(関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問44) (訂正依頼・報告はこちら)
- 関税定率法第4条第1項第1号に規定する「輸入港に到着するまでの運送に要する運賃」とは、輸入貨物が運送契約に基づき運送された場合は、当該運送契約に基づき当該運送の対価として運送人又は運送取扱人等に最終的に支払われる費用をいうが、コンテナー賃借料についてはいかなる場合も当該輸入貨物の課税価格に含めないこととされている。
- 輸入貨物の輸入港までの輸送に実際に要した運賃等の額が、当該輸入貨物の運送が特殊な事情の下において行われたことにより、当該輸入貨物の通常必要とされる当該輸入港までの運賃等の額をわずかでも超えるときは、当該通常必要とされる当該輸入港までの運賃等を関税定率法第4条第1項第1号に規定する輸入港までの運賃等として、当該輸入貨物の課税価格を計算する。
- 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により売手に無償で燃料及び触媒が提供された場合において、当該燃料及び触媒が当該輸入貨物の生産の過程で消費されたときは、当該燃料及び触媒に要した費用の額は当該輸入貨物の課税価格に含めないこととされている。
- 複数の輸入貨物に係る関税定率法第4条第1項第2号に掲げる手数料が一括して支払われる場合には、当該手数料を個々の輸入貨物の数量等に応じた合理的な方法により按分して、当該輸入貨物の課税価格に算入することとされているが、輸入者から希望する旨の申し出があった場合は、課税上の支障の有無にかかわらず、当該手数料を特定の輸入貨物の課税価格に一括して算入することとされている。
- 売手の代理人により輸入され、その後売手の計算と危険負担によって輸入国で販売される貨物については、当該貨物が売手と買手との間で締結された売買契約を履行するために輸入される場合を除き、輸入取引によらない輸入貨物に該当し、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則に基づき当該輸入貨物の課税価格を決定することはできないこととされている。
- 該当なし
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この過去問の解説 (3件)
01
関税定率法に規定されている、関税の課税価格の計算に関する問題です。
誤った内容です。
コンテナー賃借料は課税価格に含める必要があります。
さらに、輸入港到着日(入港日を含む。)までの期間に対応する額が明らかな場合には、当該賃借料の額は、当該期間に対応する額によるものとし、輸入港到着日の翌日以降の期間に対応する額を含まないものとする。という規定もあります。
(関税定率法基本通達4―8(3)イ)
誤った内容です。
輸入港までの運賃等は、輸入貨物の運送が特殊な事情の下 において行われたことにより、当該輸入貨物の実際に要した当該輸入港までの運賃等の額が当該輸入貨物の通常必要とされる当該輸入港までの運賃等の額を著しく超えるものである場合には、当該通常必要とされる当該輸入港までの運賃等によると規定されております。
(関税定率法基本通達4―8(8))
誤った内容です。
輸入貨物の生産の過程で消費された物品は課税価格に含める内容となります。
また、「当該輸入貨物の生産の過程で消費された物品」 には、燃料、触媒等を含むものとすると規定されております。
(関税定率法第4条第1項第3号ハ、関税定率法基本通達4―12(3))
誤った内容です。
輸入者から希望する旨の申し出があり、かつ、課税上その他特に支障がないと認められるときは、当該費用等の額は、便宜特定の輸入貨物の課税価格に一括して算入することとして差し支えないと規定されております。
(関税定率法基本通達4―7(3))
正しい内容です。
売手の代理人により輸入され、その後売手の計算と危険負担によって輸入国で販売されるものについては、輸入取引によらない輸入貨物に該当する内容となります。
(注) 売手の代理人により輸入される貨物であっても、売手と買手との間で締結された売買契約を履行するために輸入される貨物は輸入取引による輸入貨物に該当することとなるので留意する。
(関税定率法基本通達4―7(3))
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02
課税価格決定の問題は難しい箇所もあり、全て完璧にするのは大変なので、基本的なルールをしっかり抑え、応用問題の解ける範囲を広げていく事がお勧めです。過去問を繰り返し解き、出題頻度が多い問題を中心に覚えていくことが大切です。
誤りです。
コンテナー賃借料は課税価格に含めることとされています。
また、コンテナー賃借料のうち、輸入港到着日(入港日を含む)までの期間に対応する額が明らかな場合はその額のみが課税価格に含まれます。到着日以降の期間に対応する額(デマレージ等)は課税価格に含まれません。
誤りです。
輸入港までの郵送に実際要した運賃等の額が当該輸入貨物の運送が特殊な事情の下においておこなわれた事により、通常必要とされる輸入港までの運送を超える場合、通常要する運賃で計算するとされます。関税定率法第4条第1項第1号に規定する輸入港までの運賃等として計算するという文言が誤りです。
誤りです。
買手により無償で売手に提供された燃料及び触媒は課税価格に含めるものとされています。よって誤りです。
誤りです。
複数の貨物がある場合、数量、価格、重量などの標準に基づき、個々の輸入貨物に適正に案分して計算し、課税価格に参入しないといけません。輸入者希望により一括して算入するという文言が誤りです。
正しいです。
売手の代理人により輸入され、その後、売手の計算と危険負担によって輸入国で販売される貨物については、貨物が売手と買手との間で締結された売買契約を覆行するために輸入する場合を除き、輸入取引によらない輸入貨物に該当し、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則に基づき輸入貨物の課税価格を決定する事はできないこととされておます。
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03
本問は、関税の課税価格の計算方法について関税定率法の知識を問う問題です。
誤りです。
コンテナー賃借料を当該輸入貨物の「課税価格に含めない」としている部分が誤りです(関税定率法基本通達4-8(3)(ハ))。
「輸入港に到着するまでの運送に要する運賃」とは、「輸入貨物を輸入港まで運送するために実際に要した運送費用をいい、当該輸入貨物の輸出港までの運送費用を含」むとされ、
運送契約に基づき運送された場合については、
「当該運送契約に基づき当該運送の対価として運送人又は運送取扱人等に最終的に支払われる費用をいい」、
(イ) 輸入貨物を運送するために要した積付資材費、船舶改装費等の費用
(ロ) 為替相場の変動による補てん金
(ハ) コンテナー賃借料
を含むと規定されています(関税定率法基本通達4-8(3))。
誤りです。
「わずかでも」としている部分が誤り、正しくは、「著しく」です。
課税価格の決定の原則(関税定率法4条1項)により課税価格に含まれる輸入港までの運賃等は、輸入貨物の「運送が特殊な事情の下において行われたことにより、当該輸入貨物の実際に要した当該輸入港までの運賃等の額が当該輸入貨物の通常必要とされる当該輸入港までの運賃等の額を著しく超えるものである場合」、通常必要とされる当該輸入港までの運賃等に限定することが規定されています(関税定率法施行令1条の5第1項)。
誤りです。
課税価格の決定の原則により、
「当該輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で又は値引きをして直接又は間接に提供された物品又は役務のうち次に掲げるものに要する費用」のうち「当該輸入貨物の生産の過程で消費された物品」は課税価格に含まれることとされています(関税定率法4条1項3号ハ)。
そして、この「当該輸入貨物の生産の過程で消費された物品」には、燃料も含まれます(関税定率法基本通達4-12(3))。
誤りです。
一括して支払われた複数の輸入貨物に係る手数料を、特定の輸入貨物の課税価格に一括して算入することが認められるためには、下の3つの要件を充たす必要があります。
① 輸入者から希望する旨の申し出があり
② 課税上その他特に支障がないと認められ
③ 課税上その他特に支障がないと認められる
本肢はこのうち②、③を充たしていない点が誤りとなります。
「複数の輸入貨物に係る同項各号に掲げる運賃等が一括して支払われる場合には、当該運賃等を個々の輸入貨物の数量等に応じた合理的な方法により按分して、当該輸入貨物の課税価格に算入するものとする」とされています(関税定率法基本通達4-7(3)本文)。
そのうえで、但書で「加算について輸入者から希望する旨の申し出があり、かつ、課税上その他特に支障がないと認められるときは、当該費用等の額は、便宜特定の輸入貨物の課税価格に一括して算入することとして差し支えない」ものが規定されており、
その対象に、手数料(関税定率法4条1項2号イ)のうち、「個々の輸入貨物への按分が困難と認められるもの」が含まれています(関税定率法基本通達4-7(3)但書ロ)。
正しいです。
「売手の代理人により輸入され、その後売手の計算と危険負担によって輸入国で販売される貨物」は「輸入取引によらない輸入貨物」として課税価格の決定の原則により課税価格を決定することができないとされますが(関税定率法基本通達4-1の2柱書)、
「売手の代理人により輸入される貨物であっても、売手と買手との間で締結された売買契約を履行するために輸入される貨物は輸入取引による輸入貨物に該当することとなるので留意する」と注意的に規定されています(関税定率法基本通達4-1の2(1)ハ(注))。
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