通関士 過去問
第58回(令和6年)
問86 (関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問46)

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問題

通関士試験 第58回(令和6年) 問86(関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法 問46) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税法第8章に規定する不服申立てに関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選びなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
  • 関税法の規定による税関長の処分について審査請求があった場合には、財務大臣は、その審査請求人から関税等不服審査会への諮問を希望しない旨の申出がされているときは、当該審査請求に参加する者から当該諮問をしないことについて反対する旨の申出がされているときであっても、当該諮問を要しない。
  • 税関長が、輸入されようとする貨物が商標権を侵害する物品に該当すると認定し、当該貨物を輸入しようとする者に対しその旨を通知した場合、その通知についての財務大臣に対する審査請求は、その税関長に対する再調査の請求をした後でなければすることができない。
  • 関税法第89条に規定する再調査の請求をすることができる税関長の処分には、同法第69条の11第3項の規定に基づく輸入されようとする貨物が風俗を害すべき物品に該当すると認められる旨の通知は含まれないこととされている。
  • 関税の滞納に関する税関長の処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経ないことについて正当な理由があるときは、当該裁決を経ることなく、提起することができることとされている。
  • 関税の徴収に関する税関長の処分についての財務大臣に対する審査請求は、当該税関長に対する再調査の請求をしない場合には、正当な理由があるときを除き、処分があったことを知った日の翌日から起算して6月を経過する日までは、することができることとされている。
  • 該当なし

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この過去問の解説 (3件)

01

関税法に規定されている、不服申立てに関する問題です。

選択肢1. 関税法の規定による税関長の処分について審査請求があった場合には、財務大臣は、その審査請求人から関税等不服審査会への諮問を希望しない旨の申出がされているときは、当該審査請求に参加する者から当該諮問をしないことについて反対する旨の申出がされているときであっても、当該諮問を要しない。

誤った内容です。

審査請求人から、その諮問を希望しない旨の申出がされている場合、関税等不服審査会への諮問を要しない内容ですが、「当該諮問をしないことについて反対する旨の申出がされている場合を除く」とありますので、当該諮問をする必要があります。

(関税法第91条1項)

選択肢2. 税関長が、輸入されようとする貨物が商標権を侵害する物品に該当すると認定し、当該貨物を輸入しようとする者に対しその旨を通知した場合、その通知についての財務大臣に対する審査請求は、その税関長に対する再調査の請求をした後でなければすることができない。

誤った内容です。

商標権を侵害する物品に該当するものについては、その税関長に対する再調査の請求をした後でなければすることができないものではありません。

(関税法第93条)

選択肢3. 関税法第89条に規定する再調査の請求をすることができる税関長の処分には、同法第69条の11第3項の規定に基づく輸入されようとする貨物が風俗を害すべき物品に該当すると認められる旨の通知は含まれないこととされている。

誤った内容です。

輸入されようとする貨物が風俗を害すべき物品に該当すると認められる旨の通知は、輸出してはならない貨物又は輸入してはならない貨物の規定による通知に含める内容となります。

(関税法第93条)

選択肢4. 関税の滞納に関する税関長の処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経ないことについて正当な理由があるときは、当該裁決を経ることなく、提起することができることとされている。

正しい内容です。

関税の確定若しくは徴収に関する処分又は滞納処分については、審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができないと規定されておりますが、審査請求についての裁決を経ないことにつき正当な理由があるときは裁決を経ることなく、提起することができることとされております

(関税法第93条)

選択肢5. 関税の徴収に関する税関長の処分についての財務大臣に対する審査請求は、当該税関長に対する再調査の請求をしない場合には、正当な理由があるときを除き、処分があったことを知った日の翌日から起算して6月を経過する日までは、することができることとされている。

誤った内容です。

この決定があったことを知った日の翌日から起算して1月以内に財務大臣に対して審査請求をすることができると規定されております。

(関税法基本通達89-8)

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02

不服申し立てに関する問題は内容が難しく、苦手意識を持ってる方がたくさんいらっしゃると思います。出題頻度が多い問題を優先に覚え、過去問で反復して問題を解く事をお勧めします。

選択肢1. 関税法の規定による税関長の処分について審査請求があった場合には、財務大臣は、その審査請求人から関税等不服審査会への諮問を希望しない旨の申出がされているときは、当該審査請求に参加する者から当該諮問をしないことについて反対する旨の申出がされているときであっても、当該諮問を要しない。

誤りです。
審査請求人から関税等不服審査会への諮問を希望しない旨の申出がされているときは、諮問を要しませんが、審査請求に参加する者から諮問をしないことについての反対する旨の申出がされているときは諮問を要するとされています。よって誤りです。

選択肢2. 税関長が、輸入されようとする貨物が商標権を侵害する物品に該当すると認定し、当該貨物を輸入しようとする者に対しその旨を通知した場合、その通知についての財務大臣に対する審査請求は、その税関長に対する再調査の請求をした後でなければすることができない。

誤りです。
商標権を侵害する物品に該当すると認定し、輸入しようとする者に対しその旨を通知した場合、その通知について財務大臣に対する審査請求はその税関長に対する再調査の請求をした後でなければする事が出来ないという規定はないため誤りです。

選択肢3. 関税法第89条に規定する再調査の請求をすることができる税関長の処分には、同法第69条の11第3項の規定に基づく輸入されようとする貨物が風俗を害すべき物品に該当すると認められる旨の通知は含まれないこととされている。

誤りです。

再調査の請求をする事ができる税関長の処分について、貨物が風俗を害すべき物品に該当すると認められる旨の通知は含まれないという規程はないので誤りです。

選択肢4. 関税の滞納に関する税関長の処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経ないことについて正当な理由があるときは、当該裁決を経ることなく、提起することができることとされている。

正しいです。
関税の滞納に関する税関長の処分の取り消しの訴えは、処分についての審査請求に対する裁決を経ないことについて正当な理由があるときは、当該裁決を得る事なく提起する事ができることとされています。

選択肢5. 関税の徴収に関する税関長の処分についての財務大臣に対する審査請求は、当該税関長に対する再調査の請求をしない場合には、正当な理由があるときを除き、処分があったことを知った日の翌日から起算して6月を経過する日までは、することができることとされている。

誤りです。
税関長の処分について財務大臣に対する審査請求は税関長に対する再調査の請求をしない場合は正当な理由があるときを除き、処分があった事を知った日の翌日から起算して1月以内とされています。6月を経過するという文言が誤りです。

参考になった数6

03

本問は、関税法に規定されている不服申し立ての手続きについて知識を問う問題です。

選択肢1. 関税法の規定による税関長の処分について審査請求があった場合には、財務大臣は、その審査請求人から関税等不服審査会への諮問を希望しない旨の申出がされているときは、当該審査請求に参加する者から当該諮問をしないことについて反対する旨の申出がされているときであっても、当該諮問を要しない。

誤りです。

参加人から当該諮問をしないことについて反対する旨の申出がされているときは、諮問を要します。

 

「この法律又は他の関税に関する法律の規定による財務大臣又は税関長の処分について審査請求があつたとき」、財務大臣は、原則として関税等不服審査会に諮問しなければなりません(関税法91条柱書)。

例外として、「審査請求人から、その諮問を希望しない旨の申出がされている場合」で「参加人(中略)から、当該諮問をしないことについて反対する旨の申出がされて」いない場合などは、諮問を要しません(関税法91条1号)。

選択肢2. 税関長が、輸入されようとする貨物が商標権を侵害する物品に該当すると認定し、当該貨物を輸入しようとする者に対しその旨を通知した場合、その通知についての財務大臣に対する審査請求は、その税関長に対する再調査の請求をした後でなければすることができない。

誤りです。

商標権を侵害する物品に該当すると認定した旨の通知は、関税法93条2号に該当せず、審査請求に対する裁決を経た後でなければ、当該通知の取消しの訴えを提起することができません。

 

関税法93条2号で、裁決を経た後でなければ通知の取消しの訴えを提起することができないとされている「輸入してはならない貨物の規定による通知」とは、公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品(69条の11第1項7号)、または、児童ポルノ(同項8号)に該当すると認めるのに相当の理由がある旨の通知のみです。

 

選択肢3. 関税法第89条に規定する再調査の請求をすることができる税関長の処分には、同法第69条の11第3項の規定に基づく輸入されようとする貨物が風俗を害すべき物品に該当すると認められる旨の通知は含まれないこととされている。

誤りです。

「この法律又は他の関税に関する法律の規定による税関長の処分に不服がある者は、再調査の請求をすることができる」と規定されており、特に除外されている処分はありません(関税法89条1項)。

選択肢4. 関税の滞納に関する税関長の処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する裁決を経ないことについて正当な理由があるときは、当該裁決を経ることなく、提起することができることとされている。

正しいです。

関税の確定若しくは徴収に関する処分又は滞納処分については、処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ、処分の取消しの訴えを提起することができないとされています(関税法93条)。

しかし、「審査請求についての裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき」は、裁決を経ずに提起することができると規定されています(関税法基本通達89-8(1)「取消しの訴えについて」1(3))。

選択肢5. 関税の徴収に関する税関長の処分についての財務大臣に対する審査請求は、当該税関長に対する再調査の請求をしない場合には、正当な理由があるときを除き、処分があったことを知った日の翌日から起算して6月を経過する日までは、することができることとされている。

誤りです。

再調査の請求をしない場合、「処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内」に、財務大臣に対して審査請求をすることができるとされています(関税法基本通達89-6(2)イ)。

なお、再調査の請求・決定を経た場合、審査請求をすることができる期間は、「再調査の決定があったことを知った日の翌日から起算して1月以内」となります(関税法基本通達89-8(1))。

参考になった数1