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薬剤師の過去問 第99回 薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問295

問題

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初発の急性リンパ性白血病である21歳男性患者に対して、抗がん剤による寛解導入療法を実施することとなった。
治療後に発症する可能性のある腫傷崩壊症候群について、薬剤師がこの患者に説明することとなった。
薬剤師は、重篤副作用疾患別対応マニュアルを利用することにした。

腫傷崩壊症候群に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
   1 .
血清リン値が著しく増加する。
   2 .
血清カリウム値が著しく低下する。
   3 .
腎機能低下を引き起こす。
   4 .
予防には、抗がん剤の投与開始前にラスブリカーゼを点滴投与するのが有効である。
   5 .
腎機能が正常な場合には、アロプリノールの経口投与が有効である。
( 薬剤師国家試験 第99回 薬学実践問題(病態・薬物治療/実務、法規・制度・倫理/実務、実務) 問295 )
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この過去問の解説 (3件)

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正解:2

1、2、3 腫瘍崩壊症候群では、腫瘍が急速に細胞崩壊していきます。そのため細胞の構成成分やその代謝物が体内に蓄積します。
血清リン値、血清カリウム値などが上昇し、急性腎不全などを生じます。

4 ラスブリカーゼは尿酸をアラントインに変換することで尿酸の排泄を促す、尿酸酸化酵素です。悪性腫瘍の化学療法に伴う高尿酸血症に用いられます。

5 アロプリノールはキサンチンオキシダーゼを阻害することにより尿酸の合成を阻害します。腎排泄型の薬物のため、腎機能が低下している患者への投与の際は投与量に注意します。

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【答え】2

【背景知識】
 腫瘍崩壊症候群とは、がん治療によりがん細胞が短時間で大量に死滅することで引き起こされます。
細胞の大量死により、細胞内の各成分が血液中に大量に放出され、それに伴って様々な病態を引き起こします。

【放出される成分に応じた病態】
 DNA・RNA→高リン酸血症→低カルシウム血症
 DNA・RNA→高尿酸血症→急性腎不全
 カリウム→高カリウム血症

【予防法】
 がん治療時に下記予防法が用いられます。
 ・アロプリノール→尿酸の生成を抑制
 ・ラスブリガーゼ→尿酸の分解を促進
 ・尿アルカリ化薬→尿酸結晶の生成を抑制
 ・水分の摂取→尿酸結晶の生成を抑制

【選択肢に対する説明】
 1:誤.血清リン値はDNA・RNAが血中で分解することにより上昇します。
 2:正.細胞内の方が血液よりカリウム値が高いため、腫瘍の崩壊により血清カリウム値は上昇します。
 3:誤.尿酸の結晶が尿細管で生成することにより、尿細管が詰まって、腎不全を発症します。
 4:誤.ラスブリガーゼはがん化学療法に伴う高尿酸血症に用いられます。尿酸をアラントインに分解する遺伝子組み換え尿酸オキシダーゼであり、4量体タンパク質であるため経口投与では分解されるため静脈注射で投与されます。
 5:誤.アロプリノールは尿酸合成阻害薬で、プリン体から尿酸を産生する際に関与する酵素のキサンチンオキシダーぜ(XO)を阻害します。

-1
腫瘍崩壊症候群は抗がん剤治療により、悪性腫瘍が急速に死滅することで生じます。
腫瘍が大量に崩壊することで腫瘍細胞内から大量の核酸やカリウムなどの電解質が放出されます。
従って誤っている選択肢は2です。

1:血清リン値は腫瘍が崩壊することで体内に放出されるため増加します。

3:腫瘍から放出された核酸が尿酸に分解され尿酸の結晶が生じ、尿細管や尿管などに詰まることで急性腎不全を引き起こします。

4:ラスブリカーゼは主に癌患者に対して用いられる高尿酸血症治療薬です。尿酸をアラントインに分解する遺伝子組み換え尿酸オキシダーゼであり、4量体タンパク質であるため経口投与では分解されるため静脈注射で投与されます。

5:アロプリノールは尿酸合成阻害薬で、プリン体から尿酸を産生する際に関与するキサンチンオキシダーぜ(XO)を阻害します。

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