薬剤師の過去問
第99回
薬学実践問題（病態・薬物治療／実務、法規・制度・倫理／実務、実務） 問296

正解：4

1　スマトリプタンは5-HT1B/1D受容体を刺激することで血管を収縮し、偏頭痛に効果を示します。発作後すぐに服用します。

2　効果が不十分な場合は、前回の投与から2時間以上あけます。１日の最大投与量は200ｍｇです。

3　ロキソプロフェンナトリウム無水物は医療用医薬品、一般用医薬品どちらも一回あたり60ｍｇです。

4　解熱鎮痛剤を頻回投与することで、薬剤性頭痛がおきる場合があります。

5　スマトリプタン、ロキソプロフェンナトリウムの併用でも効果が出ていないため、別の疾患の可能性も考えられます。そのため、薬剤を減らすことによってよりコントロールが悪くなるおそれがあります。

【答え】4

【スマトリプタンの作用機序】
　スマトリプタンは5-HT1B/1D受容体作動薬で、片頭痛により拡張した脳血管を収縮させる効果があります。

【スマトリプタン錠の用法・用量】
　片頭痛の頭痛発現時に1回50mgを経口投与します。
　・効果がない場合
　　追加投与：2時間以上間隔をあけて行います。
　　次回発作時：100mg経口投与できますが、1日200mg以内に収めます。

【選択肢に対する説明】
　１：誤.スマトリプタンは片頭痛の発作後に服用するため、予防薬ではありません。
　２：誤.効果が不十分の場合は2時間以上間隔をあけて追加服用が可能です。
　３：誤.ロキソプロフェンナトリウム錠(ロキソニン)は一般用、医療用ともに含量は同じです。
　４：正.頭痛薬は月に10回以上服用していると「薬物乱用頭痛」を引き起こす可能性があるため、販売を控え処方医に相談するよう指導する必要があります。
　５：誤.スマトリプタンとロキソプロフェンナトリウムの併用で効果が生じていない状態で、ロキソプロフェンナトリウムのみの服用にすると症状は悪化すると考えられるため誤りです。

１：スマトリプタンは5-HT1B/1D受容体作動薬で、片頭痛により拡張した脳血管を収縮させる効果があります。片頭痛の発作後すぐに服用することで鎮痛効果をもたらすため、片頭痛の予防薬としては使用できません。

２：効果が不十分の場合は2時間以上間隔をあけて追加服用が可能です。

３：ロキソプロフェンナトリウム錠(ロキソニン)は一般用、医療用ともに含量は同じなので誤りです。

４：正解です。頭痛薬は月に10回以上服用していると「薬物乱用頭痛」を引き起こす可能性があるため、販売を控え処方医に相談するよう指導する必要があります。

５：スマトリプタンとロキソプロフェンナトリウムの併用で効果が生じていない状態で、ロキソプロフェンナトリウムのみの服用にすると症状は悪化すると考えられるため誤りです。