第一種電気工事士の過去問
平成30年度(2018年)(追加試験分)
一般問題 問9
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問題
第一種 電気工事士試験 平成30年度(2018年)(追加試験分) 一般問題 問9 (訂正依頼・報告はこちら)
容量100kV・A、消費電力80kW、力率80%(遅れ)の負荷を有する高圧受電設備に高圧進相コンデンサを設置し、力率を93%(遅れ)程度に改善したい。必要なコンデンサの定格容量Qc[kvar]として、適切なものは。
ただし、cosθ2が0.93のときのtanθ2は0.38とする。
ただし、cosθ2が0.93のときのtanθ2は0.38とする。
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この過去問の解説 (3件)
01
力率改善では、改善前の無効電力Q₁と改善後の無効電力Q₂の値の差からコンデンサの必要な容量Qcを求めます。
最初に、改善前の無効電力Q₁はピタゴラスの定理から次のようになります。
Q₁ = √(S² - P²) = √(100² - 80²) = √(10000 - 6400) = √3600 = 60 [kvar]
次に、改善後の無効電力Q₂を求めます。今回は、改善後のtanθ₂の値を利用して、無効電力を求めます。なお、tanθを用いた無効電力の式は、次のようになります。
Q = P × tanθ
消費電力Pは、改善後も値が変化しないため、Pとtanθ₂の値を上記の式に代入すると、
Q₂ = 80 × 0.38 = 30.4 [kvar] になります。
最後に、2つの無効電力の差を取ってコンデンサの容量を求めると、
Qc = 60 - 30.4 = 29.6 [kvar] となります。
よって答えは、最も近い2番になります。
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02
正解は2番です。
まずは問題を解くうえで、
この問題が何を行っているのか理解する必要があるかと思います。
力率を80[%]から93[%]にすると有効電力と皮相電力の値が近づきます。
これによってコストの問題やエネルギーの問題を改善するのですが、
その方法として遅れには進み、
進みには遅れのリアクタンスを加えて、
打ち消すような働きをさせる事により力率を改善します。
大体の機器は遅れ力率である事が多いので、
一般的には進相コンデンサを使用して力率を改善していきます。
計算方法を解説していきます。
今現在の無効電力分に、
どのくらいの容量の進相コンデンサを接続し打ち消すと
力率93[%]になるのかを計算したいので、
まずは現在の無効電力の大きさを求めます。
Qx=√(100²―80²)
=60[kvar]
※三平方の3:4:5で無効電力が60である事が分かるかと思います。
次に93[%]に改善した時の無効電力を求めます。
この時に必要なのが問題にあるtanθです。
tanθは下記で求められます
tanθ=無効電力/有効電力
ですから、これを無効電力=の式に直すとすれば
※ちなみに、力率を改善しても有効電力の値は変わりません。
無効電力=tanθx有効電力
=80x0.38[kvar]
大体4割ぐらいなのでおおよそ30[kvar]だろうと予想できます。
最初の60[kvar]にどの容量のコンデンサを接続すると30[kvar]になるのか、
Qc=Qx-Q2=60-30
=30
つまり30[kvar]を接続すると93[%]に改善できますので、
答えは2番の30[kvar]が正解です。
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03
[ 解説 ]
①無効電力Q1を求めます。
力率改善前の皮相電力S1=100kV・A
有効電力P=80kW
力率cosθ1=0.8
Q1=√(S1^2 – P^2) = √(100^2 – 80^2) = 60[kvar]
②高圧進相コンデンサ施設後の無効電力Q2を求めます。
力率cosθ2=0.93 (このときtanθ2=0.38)
Q2=P×tanθ2 = 80×0.38 = 30.4[kvar]
③必要なコンデンサ容量を求める
QC=Q1 –Q2 = 60 – 30.4 =29.6≒30[kvar]
→ よって「2」が正解になります。
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