第一種電気工事士 過去問
令和6年度(2024年)下期
問10 (一般問題 問10)

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問題

第一種電気工事士試験 令和6年度(2024年)下期 問10(一般問題 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

かご形誘導電動機のY−Δ始動法に関する記述として、誤っているものは。
  • 固定子巻線をY結線にして始動したのち、Δ結線に切り換える方法である。
  • 始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合と同じである。
  • Δ結線で全電圧始動した場合に比べ、始動時の線電流は1/3に低下する。
  • 始動時には固定子巻線の各相に定格電圧の1/√3倍の電圧が加わる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題では、かご形誘導電動機の Y-Δ始動法に関する記述について、誤っているものを選ぶ必要があります。Y-Δ始動法は、始動時に巻線を Y結線にして電流を抑え、その後 Δ結線に切り替えて通常運転を行う方法です。

選択肢1. 固定子巻線をY結線にして始動したのち、Δ結線に切り換える方法である。

Y-Δ始動法の基本的な動作原理を正しく説明しています。この選択肢は不正解です。

選択肢2. 始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合と同じである。

Y結線では、各相にかかる電圧が Δ結線の 1/√3 となり、結果として始動トルクも Δ結線の 1/3 になります。よって、この記述は誤りです。この選択肢は正解です。

選択肢3. Δ結線で全電圧始動した場合に比べ、始動時の線電流は1/3に低下する。

Y結線では、線電流が Δ結線に比べて 1/3 に低下するため、この記述は正しいです。この選択肢は不正解です。

選択肢4. 始動時には固定子巻線の各相に定格電圧の1/√3倍の電圧が加わる。

Y結線では、各相にかかる電圧が Δ結線時の線間電圧の 1/√3 になるため、この記述は正しいです。この選択肢は不正解です。

まとめ

Y-Δ始動法は、始動時の電流やトルクを低下させる目的で使用されます。この方式では、Y結線時には電圧が低下するため、トルクも Δ結線時の 1/3 に減少します。Y-Δ始動法の特性を正確に理解しておくことで、問題文中の誤りを迅速に見抜けるようになります。

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02

この問題を解くには、Y−Δ始動法は、始動時に固定子巻線を Y結線(スター結線) にして電圧を低減し、ある程度回転数が上がった後に Δ結線(デルタ結線) に切り替える方法ということを正しく理解していることが必要となります。

 

このことを問題の選択肢にあてはめていくと、選択肢2が誤りであることがわかります。

選択肢1. 固定子巻線をY結線にして始動したのち、Δ結線に切り換える方法である。

この選択肢は正しい。

Y−Δ始動法は、始動時に固定子巻線を Y結線(スター結線) にして電圧を低減し、ある程度回転数が上がった後に Δ結線(デルタ結線) に切り替える方法です。

選択肢2. 始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合と同じである。

この選択肢は誤りです。従ってこの選択肢が正解となります。
Y結線時の各相の電圧はΔ結線時の1/√3  となります。

誘導電動機のトルクは電圧の 2乗 に比例するため、始動トルクは

Δ結線で全電圧始動した場合の 1/3 となります。

よって、「始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合と同じ」という記述は 誤り となります。

選択肢3. Δ結線で全電圧始動した場合に比べ、始動時の線電流は1/3に低下する。

この選択肢は正解です。
Y結線時の相電圧はΔ結線時の 1/√3 になるため、各相の電流も 1/√3 に低下します。

線電流は相電流の √3倍 となります。よって始動時の線電流はΔ結線の 1/3 に低下します。

選択肢4. 始動時には固定子巻線の各相に定格電圧の1/√3倍の電圧が加わる。

この選択肢は正解です。

まとめ

Y−Δ始動法に関する問題を解くときの注意点として以下のことに留意します。

Y結線とΔ結線の電圧・電流関係を正しく理解します。

Y結線時の相電圧はΔ結線時の1/√3になります。

線電流はΔ結線時の1/3になります。

 

始動トルクの計算に注意します。

トルクは電圧の2乗に比例するため、Y結線時の始動トルクはΔ結線時の1/3になります。

なので、「始動トルクが変わらない」という記述があれば誤りとなります。

 

線電流と相電流の関係を正しく把握します。

Y結線では線電流=相電流の関係となります。

Δ結線では線電流=√3倍の相電流の関係となります。

 

Y−Δ始動法の目的を理解します。

始動電流を抑えるための方式であり、負荷が軽い場合に使用されます。

始動トルクが低下するため、重負荷のモーターには適さないことになっています。

 

問題文の「誤っているもの」に注意します。

正しい記述と誤った記述を混同しないよう、すべての選択肢を慎重に検討する。

誘導電動機の特性を基に、物理的にありえない記述を見抜く。

このようなポイントを押さえて解くと、ミスを防ぐことができます。

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