1級土木施工管理技士 過去問
平成28年度 択一式
問14 (選択問題 問14)

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問題

1級土木施工管理技士試験 平成28年度 択一式 問14(選択問題 問14) (訂正依頼・報告はこちら)

場所打ち杭工法における孔底処理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 深礎杭工法では、底盤の掘りくずを取り除くとともに、支持地盤が水を含むと軟化するおそれのある場合には、孔底処理完了後に孔底をモルタル又はコンクリートで覆う。
  • リバース工法では、安定液のように粘性のあるものを使用することから、泥水循環時に粗粒子の沈降が期待できないため、二次孔底処理は鉄筋かご建込み前に沈積した物を処理する。
  • オールケーシング工法では、孔内に注入する水は土砂分混入が少ないので、鉄筋かご建込み前にハンマグラブや沈積バケットで土砂やスライムを除去することができる。
  • アースドリル工法では、掘削完了後に底ざらいバケットで掘りくずを除去し、二次孔底処理は、コンクリート打込み直前にトレミーなどを利用したポンプ吸上げ方式で行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.設問の通りです。深礎杭工法はライナープレート使って基礎を作り、ライナープレート内部が掘り終わったら、杭の中に鉄筋を組み立てて、コンクリートで固めます。

2.誤りです。掘削→一次孔底処理→孔壁測定→鉄筋かご建て込み→トレミー管建て込み→二次孔底処理→コンクリート打ち込み→スタンドパイ部引き抜き のフローとなります。二次孔底処理と鉄筋かご建て込みの順が逆です。

3.設問の通りです。 なお、スライムとは、杭の掘削時の堀りくずのことで、ベントナイト溶液の細粒や泥水中に浮遊する土砂が混じって、杭の底部に沈殿したものをいいます。スライムは杭支持力低下の原因となるため、必ず除去しなければならないとされています。

4.設問の通りです。ドリリングバケット(底開きバケットの底に切削刃の付いたもの)を回転させて掘削し、孔壁は表層部ではケーシング、表層部より深い部分は安定液などで保護する工法です。

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02

1.適当です。

 本文の通りです。

2.適当ではありません。

 「粗粒子の沈降が期待できない」といっているので鉄筋かご建込み「前」

 ではなく「後」でいいよね、とイメージしてみてください。

3.適当です。

 本文の通りです。これはさっきの逆で土砂混入が少ないなら

 鉄筋かご建込み「前」にやってしまおうね、とイメージしてみてください。

4.適当です。

 本文の通りです。 

参考になった数17

03

不適当なのは「リバース工法では、安定液のように粘性のあるものを使用することから、泥水循環時に粗粒子の沈降が期待できないため、二次孔底処理は鉄筋かご建込み前に沈積した物を処理する。」です。
理由は、リバース工法の泥水中でも粗い土砂は沈みやすく、沈積物は主に鉄筋かご建込み後〜コンクリート打込み直前に再び溜まりやすいからです。二次孔底処理はふつうコンクリート打込み直前に行うのが基本です。

選択肢1. 深礎杭工法では、底盤の掘りくずを取り除くとともに、支持地盤が水を含むと軟化するおそれのある場合には、孔底処理完了後に孔底をモルタル又はコンクリートで覆う。

・水で弱くなる地盤をそのままにすると、支持力が下がります。
・孔底をモルタルやコンクリートで覆って保護する方法は適切です。地盤を固め、上に打つコンクリートの品質も守れます。

選択肢2. リバース工法では、安定液のように粘性のあるものを使用することから、泥水循環時に粗粒子の沈降が期待できないため、二次孔底処理は鉄筋かご建込み前に沈積した物を処理する。

・泥水は細かい粒子を浮かせやすい一方で、粗い粒子は沈みます
・鉄筋かごの建込み作業や待ち時間で再び沈積物がたまりやすいのは建込み後です。
・二次孔底処理はコンクリート打込み直前に行うのが基本なので、ここで述べる時期や考え方は不適当です。

選択肢3. オールケーシング工法では、孔内に注入する水は土砂分混入が少ないので、鉄筋かご建込み前にハンマグラブや沈積バケットで土砂やスライムを除去することができる。

・オールケーシングは外乱が少なく、孔内の水も比較的きれいに保てます。
・そのため、機械バケットでスライムや沈積物を除去する作業は有効です。建込み前に一次的に清掃しておく考え方は適切です。なお、その後も打込み直前に最終確認・処理を行うのが良い運用です。

選択肢4. アースドリル工法では、掘削完了後に底ざらいバケットで掘りくずを除去し、二次孔底処理は、コンクリート打込み直前にトレミーなどを利用したポンプ吸上げ方式で行う。

・掘削直後は底ざらいで一次清掃、打込み前に吸上げ(サクション)で二次処理という流れは一般的です。
・トレミーを利用した打込み直前の二次孔底処理は、コンクリートの品質確保に有効です。適切です。

まとめ

・孔底処理は、一次処理(掘削直後)と二次処理(コンクリート打込み直前)の2段構えが基本です。
・リバース工法では、粗い粒子は沈みやすいため、沈積物は作業の合間に再び溜まります。二次孔底処理は打込み直前に実施するのが要点です。
・地盤が水に弱い場合は、孔底をモルタル等で覆って保護します。どの工法でも、スライムの除去と打込み直前の清掃確認が、杭先端の支持力とコンクリート品質を守る鍵です。

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