1級土木施工管理技士 過去問
平成28年度 択一式
問45 (選択問題 問45)

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問題

1級土木施工管理技士試験 平成28年度 択一式 問45(選択問題 問45) (訂正依頼・報告はこちら)

鋼橋の防食に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 電気防食は、鋼材に電流を流して表面の電位差をなくし、腐食電流の回路を形成させない方法であり、流電陽極方式と外部電源方式がある。
  • 環境改善による防食は、鋼材周辺から腐食因子を排除するなどによって鋼材を腐食しにくい環境条件下に置くものであり、構造の改善による水や酸素などを排除する方法と除湿による方法がある。
  • 被覆による防食は、鋼材を腐食の原因となる環境から遮断することによって腐食を防止する方法であるが、これには塗装の非金属被覆と耐候性鋼材の保護性さびによる金属被覆による方法がある。
  • 耐食性材料の使用による防食は、使用材料そのものに腐食速度を低下させる合金元素を添加することによって改質した耐食性を有する材料を使用する方法がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.設問の通りです。海中や土の中、海の近くで使われている金属製品は腐食しやすく、それを防止する方法のひとつが「電気防食」です。
2.設問の通りです。環境改善による防食は、耐食性と経済性を両立する鋼材が存在しない場合に有効です。
3. 誤りです。被覆による防食は、鋼材を水などから遮断する方法で、非金属被覆には塗装が、金属被覆には亜鉛めっきや金属溶射などがあります。
4.設問の通りです。この広報は金属溶射法といい、適用環境、金属溶射の機能を十分に発揮できる設計、施工、維持管理を行えば、長期の防食機能を確保することが可能な防食法です。

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02

「鋼」橋の「防食」に関する問題です。

1.適当です。

 電位差をなくし、電気腐食を防ぐ方法として、

 「流電陽極方式」(防錆したい金属に対して、

 より電位の低い金属を取り付ける)と

 「外部電源方式」(土壌中に難溶性の通電電極を設置し、

 直接電流装置を使用して防食電流を流して腐食を抑える)があります。

2.適当です。

 本文の通りです。

3.適当ではありません。

 ポイントは、「耐候性鋼材の保護性さび」は金属皮膜とは

 よばないということです。

4.適当です。

 本文の通りです。

 使用材料そのものに腐食速度を低下させる合金元素を添加する

 =「金属溶射法」といいます。

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03

適当でないのは、被覆による防食の説明です。被覆による防食は塗装などの非金属被覆や金属被覆(溶融亜鉛めっき等)で環境から遮断する方法です。耐候性鋼材の「保護性さび」は被覆ではなく、材料そのものの耐食性を利用する方法に分類されます。

選択肢1. 電気防食は、鋼材に電流を流して表面の電位差をなくし、腐食電流の回路を形成させない方法であり、流電陽極方式と外部電源方式がある。

鋼を電気的に陰極側に保つことで腐食を抑える方法です。方式は流電陽極方式(犠牲陽極)と外部電源方式(印加電流)があります。説明は妥当です。

選択肢2. 環境改善による防食は、鋼材周辺から腐食因子を排除するなどによって鋼材を腐食しにくい環境条件下に置くものであり、構造の改善による水や酸素などを排除する方法と除湿による方法がある。

水や酸素、塩分などの腐食因子を構造改善や除湿で減らし、腐食しにくい環境に置く考え方です。説明は妥当です。

選択肢3. 被覆による防食は、鋼材を腐食の原因となる環境から遮断することによって腐食を防止する方法であるが、これには塗装の非金属被覆と耐候性鋼材の保護性さびによる金属被覆による方法がある。

被覆は、環境から遮断する膜をつくる方法で、非金属被覆(塗装)や金属被覆(亜鉛・アルミ等のめっき、溶射)が該当します。

耐候性鋼の保護性さびは被覆ではなく材料自身の性質で生じるもので、この選択肢の分類は誤りです。

選択肢4. 耐食性材料の使用による防食は、使用材料そのものに腐食速度を低下させる合金元素を添加することによって改質した耐食性を有する材料を使用する方法がある。

合金元素の添加などで材料自体の腐食速度を小さくした材料(耐候性鋼、ステンレス等)を使う方法です。説明は妥当です。

まとめ

鋼橋の防食は、電気防食・環境改善・被覆・耐食材料の採用という考え方に大別できます。要点は、被覆=外から膜をつくる耐食材料=材料自体で耐えるという区別です。耐候性鋼の保護性さびを被覆扱いするのは誤りと覚えておくと混同しません。

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