1級土木施工管理技士 過去問
平成26年度 択一式
問35 ((旧)平成25年〜27年度 問35)

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問題

1級土木施工管理技士試験 平成26年度 択一式 問35((旧)平成25年〜27年度 問35) (訂正依頼・報告はこちら)

都市部山岳工法のトンネルの観察・計測に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 近接構造物に関しては、工事着工前に対象構造物の損傷状態を把握しておくとともに、工事中には、ひび割れの伸展などの損傷の進行性を確認することが重要である。
  • 地表面沈下や近接構造物の挙動把握のための変位計測では、切羽通過後の変位を把握することが、最終変位の予測や適用した支保工及び補助工法の対策効果を確認するうえで重要である。
  • 観察・計測結果は、迅速に設計と施工に反映できるように整理し、とくに切羽付近では、必要な対策のタイミングを逸することのないよう得られたデータを早期に判断する必要がある。
  • 周辺の地下水に関しては、トンネルの工事中以外にも、工事前から工事後の長期にわたって計測を行う必要があるため、効率的な観察・計測計画を事前に立案しておく必要がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.設問のとおりです。ベンチマークを設定し、地盤の沈下や高低変異が発生していないかを随時監視します。

2.誤りです。切羽(きりは)の通過前、通過時、通過後のデータの比較がなければ判断できません。

3.設問のとおりです。切羽(きりは)の通過前、通過時、通過後のデータチェックのタイミングも重要になります。早めのチェック、判断が事故防止につながります。

4.設問のとおりです。地下水の調査は、水の存在そのものも問題となる場合がありますが、水の通れる空間のあることのほうが問題で、崩落や陥没の原因となります。

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02

「都市部山岳工法のトンネル」における「観察・計測」に関する問題です。

1.適当です。

 「都市部山岳工法」は都市部における未固結地山に「山岳工法」によって

 トンネルを建造します。

 近接構造物に対しては本文のとおりの確認が重要です。

2.適当ではありません。

 本文には「切羽通過後」とありますが、通過後では間に合わない可能性が

 あります。

 よって「切羽通過前から通過後」が正解となります。

3.適当です。

 本文のとおりです。

4.適当です。

 地下水、湧水に関しては事前計画が重要です。 

参考になった数3

03

都市部山岳工法のトンネルの観察・計測に関する問題です。

選択肢1. 近接構造物に関しては、工事着工前に対象構造物の損傷状態を把握しておくとともに、工事中には、ひび割れの伸展などの損傷の進行性を確認することが重要である。

設問は適切となります。

工事着工前の対象構造物の損傷状態を把握しておくことと、工事中に対象構造物のひび割れの進行などを管理することは重要です。

選択肢2. 地表面沈下や近接構造物の挙動把握のための変位計測では、切羽通過後の変位を把握することが、最終変位の予測や適用した支保工及び補助工法の対策効果を確認するうえで重要である。

設問は不適切となっています。

地表面沈下や近接構造物の変状把握のために行う変位計測では、切羽通過後の変位のみではなく、切羽通過前の変位も把握することが重要となります。

選択肢3. 観察・計測結果は、迅速に設計と施工に反映できるように整理し、とくに切羽付近では、必要な対策のタイミングを逸することのないよう得られたデータを早期に判断する必要がある。

設問は適切となります。

特に切羽付近の管理は以下の留意点が挙げられます。

・掘進進行に伴い、切羽周辺の地盤変位・湧水量・応力変化を重点的に監視する必要があります。

・異常値(急激な水位低下、変位増加など)が出た場合は、即座に施工方法を見直す必要があります。

選択肢4. 周辺の地下水に関しては、トンネルの工事中以外にも、工事前から工事後の長期にわたって計測を行う必要があるため、効率的な観察・計測計画を事前に立案しておく必要がある。

設問は適切となります。

都市部において、周辺環境への影響が大きい為、地下水位の低下による地表面沈下や家屋への影響を防ぐため、地下水の挙動を正確に把握することが重要になります。

まとめ

都市部山岳工法とは、都市部の地下にトンネルを掘削する際に、山岳工法(主にNATM)を応用する施工方法となります。都市部では地盤が軟弱であったり、地表に建物やインフラなどの地下埋設物が密集しており制約条件が厳しいことが多く、慎重な施工が求められます。

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