1級土木施工管理技士 過去問
平成28年度 択一式
問38 (選択問題 問38)

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問題

1級土木施工管理技士試験 平成28年度 択一式 問38(選択問題 問38) (訂正依頼・報告はこちら)

海岸の潜堤・人工リーフの機能や特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 離岸堤に比較して反射が小さく、堤背後の堆砂機能は少ない。
  • 天端が海面下であり、構造物が見えないことから景観を損なわない。
  • 捨石などの材料を用いた没水構造物で、波浪の静穏化の機能は有していない。
  • 天端水深、天端幅により堤背後への透過波が変化し、小さな波浪はほとんど透過し、大きな波浪を選択的に減衰させる。

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この過去問の解説 (2件)

01

海岸の潜堤・人工リーフの機能や特徴に関する問題です。

これは「海岸保全施設」とよばれ、海水の侵入や浸食を防ぐための施設です。

1.適当です。

 離岸堤も「海岸保全施設」のひとつです。内容は本文の通りです。

2.適当です。

 人工リーフは海の中にあるので天盤も見えません。本文の通りです。

3.適当ではありません。

 波浪の静穏化の機能を一番期待し有しています。

4.適当です。

 本文の通りです。 

  

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02

適当でないのは、「捨石などの材料を用いた没水構造物で、波浪の静穏化の機能は有していない。」です。

潜堤・人工リーフは透過させつつ波高を減らすことで、背後海域を静穏化する目的で設置します。

選択肢1. 離岸堤に比較して反射が小さく、堤背後の堆砂機能は少ない。

潜堤は天端が水面下にあるため反射が小さく波の透過が生じます。その分、離岸堤に比べてトンボロ形成などの堆砂効果は弱めになりやすいです。適切です。

選択肢2. 天端が海面下であり、構造物が見えないことから景観を損なわない。

潜堤は低位で水面下にあるので景観への影響が小さいのが利点です。適切です。

選択肢3. 捨石などの材料を用いた没水構造物で、波浪の静穏化の機能は有していない。

潜堤・人工リーフは、波を完全に遮断せずに減衰させる構造です。砕波・渦流・越波時のエネルギー損失により背後の静穏化を図ります。「静穏化の機能はない」という断定は誤りです。

選択肢4. 天端水深、天端幅により堤背後への透過波が変化し、小さな波浪はほとんど透過し、大きな波浪を選択的に減衰させる。

相対天端水深や天端幅透過率が変わります。小波は透過しやすく大波は砕波・越波でエネルギーが減衰しやすいため、選択的減衰の性質を示します。適切です。

まとめ

潜堤・人工リーフは、景観への配慮波の選択的減衰を両立させるための構造です。離岸堤より反射と堆砂が小さい一方で、背後海域の静穏化を目的に設置します。ポイントは天端水深・天端幅が透過波を左右することと、「静穏化機能がない」という理解は誤りという点です。

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