1級土木施工管理技士 過去問
令和6年度
問22 (問題A 3 問2)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和6年度 問22(問題A 3 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

鋼道路橋における溶接施工上の留意事項に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 組立溶接は、一般に、一部又は大部分が本溶接内に残留することが多いので、組立溶接に従事する溶接作業者は本溶接に従事する溶接作業者と同じ資格を有していなければならない。
  • アンダーカットは、応力集中の主因となり腐食の促進にもつながるので、疲労の影響を受けないと考えられる継手においても、あってはならない。
  • 溶接ビード表面のピットは、異物や水分の存在によって発生したガスの抜け穴であり、断面に考慮する突合せ溶接継手では、ビード表面にピットがあってはならない。
  • 開先溶接及び主桁のフランジと腹板のすみ肉溶接は、原則としてエンドタブを取り付け、溶接の始端及び終端が溶接する部材上に入らないようにしなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

鋼道路橋における溶接施工は近年の自然災害の多発、道路橋の老朽化等によりその安全性の確保が重要になっています。

選択肢1. 組立溶接は、一般に、一部又は大部分が本溶接内に残留することが多いので、組立溶接に従事する溶接作業者は本溶接に従事する溶接作業者と同じ資格を有していなければならない。

〇組立溶接は、部材の位置を決めて本溶接中にブレが生じないようにする為行いますので大部分が本溶接に残ります。

そのため本溶接の一部と考えられるので、本溶接作業に従事する溶接作業者と同じ資格を有していなければいけません。適切です。

選択肢2. アンダーカットは、応力集中の主因となり腐食の促進にもつながるので、疲労の影響を受けないと考えられる継手においても、あってはならない。

×アンダーカットは「母材または既溶接の上に溶接して生じた止端の溝」ですので、強度低下腐食の促進にもつながるため、あってはなりませんが疲労の影響を受けないと考えられる継手では大きな問題とはなりません。本文中の間違いです。不適切です。

選択肢3. 溶接ビード表面のピットは、異物や水分の存在によって発生したガスの抜け穴であり、断面に考慮する突合せ溶接継手では、ビード表面にピットがあってはならない。

〇溶接ビード表面のピットは、異物や水分の存在によって発生したガスの抜け穴であり開口欠陥と呼ばれる溶接不良です。適切です。

選択肢4. 開先溶接及び主桁のフランジと腹板のすみ肉溶接は、原則としてエンドタブを取り付け、溶接の始端及び終端が溶接する部材上に入らないようにしなければならない。

〇エンドタブの目的は、溶接始終端部に生じやすい溶接欠陥を逃がすために溶接線の始終端部に取り付ける補助板なので、溶接の始端及び終端が溶接する部材上に入らないようにしなければいけません。適切です。

まとめ

鋼道路橋における溶接施工は、工場製作における溶接施工より風や外気の影響を受けやすいので、溶接する部材の状態はもちろん作業時の天候にも十分留意して施工しなければいけません。

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02

鋼道路橋における溶接施工上の留意事項に関する問題です。
鋼構造物の品質確保において、溶接施工は非常に重要な工程です。
溶接施工では、見た目の仕上がりだけでなく、内部欠陥や応力集中の有無が構造性能に大きく影響するので、疲労や腐食に対する耐久性を確保するために、溶接の施工方法を理解しておきましょう。

選択肢1. 組立溶接は、一般に、一部又は大部分が本溶接内に残留することが多いので、組立溶接に従事する溶接作業者は本溶接に従事する溶接作業者と同じ資格を有していなければならない。

記述は適当です。
本溶接の際、組立溶接がすべて再融解することは稀であるため、一部又は大部分が本溶接内に残留することとなります。

つまり、組立溶接も構造的に重要な役割を果たすため、組立溶接に従事する作業者も、本溶接と同等の資格を有している必要があります。

選択肢2. アンダーカットは、応力集中の主因となり腐食の促進にもつながるので、疲労の影響を受けないと考えられる継手においても、あってはならない。

記述は不適当です。

アンダーカットは、溶接部にできる切り欠き形状の溶接欠陥であり、応力集中を引き起こす原因となります。

疲労の影響を受けやすく、腐食の進行や美観の問題を引き起こすため、許容値以下に留めます。

選択肢3. 溶接ビード表面のピットは、異物や水分の存在によって発生したガスの抜け穴であり、断面に考慮する突合せ溶接継手では、ビード表面にピットがあってはならない。

記述は適当です。
ピットは、異物や水分の存在により溶接中に発生したガスが抜けた穴であり、強度低下や腐食の原因となります。

主要部材である突合せ溶接継手では、ピットの存在は許容されていません。

T継手、十字継手、角継手も同様です。品質管理にて、ピットの有無を検査しましょう。

選択肢4. 開先溶接及び主桁のフランジと腹板のすみ肉溶接は、原則としてエンドタブを取り付け、溶接の始端及び終端が溶接する部材上に入らないようにしなければならない。

記述は適当です。

エンドタブは、溶接の始端・終端における欠陥を防ぐために設ける補助板です。

溶接長を外側にを延長することで、溶接欠陥が発生しやすい溶接の始端及び終端が母材上に入らないようにします。

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