1級土木施工管理技士 過去問
令和6年度
問24 (問題A 3 問4)
問題文
コンクリート構造物の補強工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
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問題
1級土木施工管理技士試験 令和6年度 問24(問題A 3 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
コンクリート構造物の補強工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 鋼板接着工法は、補強後に防食等に関する維持管理が必要である。
- プレストレス導入工法は、適用する部材のコンクリート強度の照査が必要である。
- 連続繊維接着工法は、人力で施工が可能である。
- 免震工法は、地震時の部材の変位を小さくすることが可能である。
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この過去問の解説 (2件)
01
コンクリート構造物の補強工法は、施工法や環境に依るコンクリート表面劣化の補強や鉄筋等コンクリート内部の腐食による強度劣化の補強があります。
〇鋼板接着工法は、既設の鉄筋コンクリート床版の下面に鋼板を接着させて床版の剛性を増す補強方法ですが、雨水の床版内への浸入により腐食が進行すると補強の効果が無くなるので防食等に関する維持管理が必要です。適切です。
〇プレストレス導入工法は、既設のコンクリート部材の外部に緊張材を配置し圧力を与えることにより耐荷性能を向上させる工法ですので、既設コンクリート部材の強度の照査が必要です。適切です。
〇連続繊維シート接着工法は、含浸接着樹脂により炭素繊維シートやアラミド繊維シートを既設コンクリート部材の下面や側面に接着することで鉄筋量を増加させたことと同様の効果を得る工法ですが、炭素繊維シートやアラミド繊維シートは軽いので、人力での施工が可能です。適切です。
×免震工法は地震による(ゆれ)を直接建物に伝えないように、基礎部と上部構造の間に絶縁体(アイソレータ)を配置するので、地震時にはゆっくり平行にゆれるため振動エネルギーの変位は大きくなります。設問の変位を小さくすることが可能であるは間違いです。
鋼板や緊張材によりコンクリート表面を補強する工法や繊維シートにより表面及び内面の鉄筋量を増加させたことと同様の効果を得る工法等がありますが、既設コンクリートの状態と照らし合わせて最適な補強方法を選定することが大事です。
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02
コンクリート構造物の補強工法に関する問題です。
コンクリート構造物については、長寿命化の方針により、大地震に備えた耐震補強や老朽化に対する補修の考え方はますます重要になるでしょう。
補強・補修工法は多岐にわたるため、各種工法の特徴や維持管理、施工性について理解しておくことが必要です。
記述は適当です。
鋼板接着工法は、主に鉄筋コンクリート床版の下面に鋼板を接着させて剛性や耐荷力を向上させる補強工法です。
鋼板が湿気などの影響を受けやすい環境下では、腐食のリスクがあるため、防食処理や定期的な維持管理が必要です。
記述は適当です。
プレストレス導入工法は、コンクリート外側に緊張材を配置し、プレストレスを導入して補強する工法です。
プレストレスを導入する際には、部材がその力に対する耐荷力を有している必要があるため、事前に部材強度が十分かどうかを照査します。
記述は適当です。
連続繊維接着工法は、耐荷力が不足する部材に連続繊維シート(炭素繊維シートやアミラド繊維シート等)を巻き立てる工法です。
比較的軽量な材料を使用するので、人力での施工が可能です。
記述は不適当です。
免震工法は、免震装置を用いて構造物の固有周期を長周期化することで地震力の減衰効果を期待します。
長周期化するということは、地震時の部材の変位は大きくなります。
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