1級土木施工管理技術の過去問
令和6年度
問題A 3 問5

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問題

1級土木施工管理技術検定学科試験 令和6年度 問題A 3 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリート構造物の中性化による劣化とその特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 大気中の二酸化炭素による中性化は、乾燥・湿潤が繰り返される場合と比べて常時乾燥している場合の方が中性化速度は速い。
  • 中性化と水の浸透に伴う鉄筋腐食は、乾燥・湿潤が繰り返される場合と比べて常時滞水している場合の方が腐食速度は遅い。
  • コンクリートの中性化深さは、一般的に構造物完成後の供用年数の二乗に比例すると考えて良い。
  • コンクリートの中性化深さを調査する場合は、フェノールフタレイン溶液をコンクリート割裂面に噴霧し、コンクリート表面から、発色が認められない範囲までの深さを測定する。

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この過去問の解説 (1件)

01

コンクリートの中性化はコンクリートのひび割れから大気中の二酸化炭素が内部に侵入し、アルカリ性のコンクリートが中性化し鉄筋の腐食を進行させます。これがコンクリートの劣化につながります。設問の劣化の特徴をみていきましょう。

選択肢1. 大気中の二酸化炭素による中性化は、乾燥・湿潤が繰り返される場合と比べて常時乾燥している場合の方が中性化速度は速い。

〇大気中の二酸化炭素による中性化は炭酸ガスがコンクリート中に拡散することで進行しますが、コンクリート中に水分が多くあると炭酸ガスが拡散しにくくなるので、常時乾燥している場合の方が中性化速度は速い。適切です。

選択肢2. 中性化と水の浸透に伴う鉄筋腐食は、乾燥・湿潤が繰り返される場合と比べて常時滞水している場合の方が腐食速度は遅い。

〇大気中の二酸化炭素による中性化は、炭酸ガスがコンクリート中に拡散することで進行しますが、コンクリート中に水分が多くあると炭酸ガスが拡散しにくくなるので常時乾燥している場合より中性化速度は遅いです。適切です。

選択肢3. コンクリートの中性化深さは、一般的に構造物完成後の供用年数の二乗に比例すると考えて良い。

×コンクリートの中性化深さはと耐用年数に依る判断基準は確定していません。設問中の構造物完成後の供用年数の二乗に比例するは間違いです。不適切です。

選択肢4. コンクリートの中性化深さを調査する場合は、フェノールフタレイン溶液をコンクリート割裂面に噴霧し、コンクリート表面から、発色が認められない範囲までの深さを測定する。

〇コンクリートの中性化深さは、フェノールフタレインを散布して変色する度合いで進行度合いを判断します。適切です。

まとめ

コンクリートの劣化の原因としては、大気中の二酸化炭素が内部に侵入しコンクリトが中性化することにより鉄筋が腐食して異常拡張することで爆裂欠損等をおこします。

また鉄筋の腐食の原因には施工不良によるジャンカや養生不足のよるヘアークラックやコンクリート中の塩分など、様々な原因が考えられますので、コンクリート劣化の特徴をしっかり把握して予防処置を講じることが大事です。

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