一級建築士の過去問
平成28年(2016年)
学科2(環境・設備) 問30
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問題
一級建築士試験 平成28年(2016年) 学科2(環境・設備) 問30 (訂正依頼・報告はこちら)
遮音・吸音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 重量床衝撃源による床衝撃音については、カーペット等の柔らかい床仕上げ材を用いても、遮断性能の向上はほとんど期待できない。
- 壁に多孔質吸音材料を使用するに当たり、表面を孔あき板やリブ等で保護する場合、開孔率が小さいと共鳴器型の吸音特性が現れることがある。
- 単層壁による遮音において、同一の材料で壁の厚さを薄くしていくと、コインシデンス効果による遮音性能の低下の影響範囲は、より低い周波数域へ拡大する。
- 窓に複層ガラスを用いると、共鳴周波数付近においては、同一面密度の単板ガラスより、遮音性能が劣ることがある。
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この過去問の解説 (3件)
01
カーペットなどの柔らかい床仕上げ材は足音等の軽量衝撃音には効果的です
が、子供の飛び跳ね等の重量衝撃音への効果は少ないです。
重量衝撃音へは、床スラブ面密度や厚みを増すと効果的です。
2.設問の通り
孔あき板等の背後に空気層がある場合、開孔率が小さければ孔と空気層が
共鳴器として機能し、共鳴的特性の吸音効果が現れます。
3.誤り
コインシデンス効果による遮音性能の低下は、同一の材料の場合、
厚みが薄くなるほど、[高い]共鳴周波数に影響します。
よって設問の記述は誤りです。
4.設問の通り
複層ガラスの中空層が狭い場合、周波数によっては同一面密度の単板ガラス
に比べ、低音域(500Hz以下)の遮音性能が劣ります。
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02
1.設問の通りです。
じゅうたんを敷いても、子供の飛び跳ねなどの重量床衝撃音の低減にあまり効果はありません。重量床衝撃音の低減には、床スラブを厚くするなどの対策があります。
2.設問の通りです。
多孔質材料の表面仕上げ材料として、穴あき板やリブ構造を使い、多孔質材料の吸音特性に影響を与えないようにするには、穴あき板やリブ構造の開孔率を大きくします。小さいと、共鳴器型の吸音特性が現れます。
3.設問の記述は誤りです。
コインジデンス効果の現れる下限の周波数は壁の厚さに反比例します。よって、壁の厚さを薄くしていくと、高い周波数域へ移っていきます。
4.設問の通りです。
複層ガラスは、周波数域(500Hz以下)の低音域で透過損失が低下し、単板ガラスより遮音性能が劣ります。
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03
2. 適当です。壁に多孔質吸音材料を使用するに当たり、表面を孔あき板やリブ等で保護する場合、開口率が小さいと共鳴器型の吸音特性として機能し、共鳴的特性の吸音効果が現れます。
3. 不適当です。コインシデンス効果による遮音性能の低下は、壁の厚さを薄くしていくほど、高い周波数の音が壁を透過しやすくなります。
4. 適当です。複層ガラスは周波数域(500Hz以下)の低音域において、同一面密度をもつ単板ガラスよりも遮音性能が劣ります。
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