一級建築士の過去問
平成28年(2016年)
学科2(環境・設備) 問29

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問題

一級建築士試験 平成28年(2016年) 学科2(環境・設備) 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 人の可聴周波数の範囲はおよそ20Hzから20kHzであり、対応する波長の範囲は十数mから十数mmである。
  • 拡散性の高い室に、音響パワーが一定の音源がある場合、室の平均吸音率が2倍になると、室内平均音圧レベルは約3dB減少する。
  • セイビン( Sabine )の残響式によると、残響時間は、容積が1,000m3で等価吸音面積200m2の室より、容積が500m3で等価吸音面積120m2の室のほうが短い。
  • アナウンススタジオの室内騒音のNC推奨値は、一般に、NC-35とされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 適当です。人間の可聴周波数の範囲は、20Hz~20,000Hzです。

2. 適当です。室内に音源がある場合、室の平均吸音率が2倍になると、室の音の強さは1/2になり、室内平均音圧レベルは約3dB減少します。

3. 適当です。セイビンの残響式
T(残響時間)=0.161×V(室容積)/A(等価吸音面積)で表されます。残響時間の長短は、V/Aで比較することができます。

T1 = 0.161×1,000/200=0.805 sec

T2 = 0.161×500/120=0.671 sec

よって容積が500㎥で等価吸音面積120㎡の室(T2)のほうが残響時間は短くなります。

4. 不適当です。アナウンススタジオの室内騒音のNC推奨値は、一般に、NC-15とされています。NC-35は小会議室・応接室レベルとなります。

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02

正解は4です。

1.設問の通りです。
人間の可聴範囲は、概ね20Hz~20kHzです。波長はλ【m】は、λ=C/f【m】で求められます。
C:音速【m/s】 f:周波数【Hz】

2.設問の通りです。
室内音圧レベルLp【㏈】の式は
Lp=Lw−10log₁₀A+6 です。
Lw:音響パワーレベル【㏈】
A:室内の等価吸音面積【㎡】
設問の室内の平均吸音率が2倍になると、等価吸音面積Aは2Aとなります。計算すると、Lp−3【㏈】となるので、3㏈減少します。

3.設問の通りです。
残響時間T【sec】の式は
T=0.161V/A【sec】です。
V:室容積【㎥】A:室内の等価吸音面積【㎡】
設問の場合、残響時間の大小なので、V/Aを比較します。
T₁:1000/200=5【sec】
T₂:500/120=4.17【sec】
よって設問は正しいです。

4.設問の記述は誤りです。
アナウンススタジオの室内騒音の許容値は、NC‐15です。同じ許容値として、音楽堂、聴力試験室があります。

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03

1.設問の通り
 人の可聴周波数の範囲は、およそ20Hz(低音)〜20000Hz(高音)で、
 3000〜4000Hz付近が最も聞き取りやすいとされています。
 対応する波長は、十数m(低音)〜十数mm(高音)となります。

2.設問の通り

3.設問の通り
 セイビンの残響式:
 残響時間T[sec]=0.161xV/A
   V:室容積[㎥]
   A:総吸音力(等価吸音面積)[㎡]

 上記式より、
  T1=0.161x1000/200=0.805秒
  T2=0.161x500/120=0.671秒
 よって、正しい記述です。

4.誤り
 アナウンススタジオのNC推奨値は、一般に15〜20程度とされています。
 NC推奨値は、値が小さいほど静かさを必要とすることを表し、設問の
 NC−35は小会議室や病院の検査室レベルとなります。

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