一級建築士の過去問
平成28年(2016年)
学科4(構造) 問88

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問題

一級建築士試験 平成28年(2016年) 学科4(構造) 問88 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨構造における建築物の耐震計算に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 「ルート1-1」の計算において、標準せん断力係数C。を0.3として地震力の算定を行ったので、水平力を負担する筋かいの端部及び接合部については、保有耐力接合としなかった。
  • 「ルート1-2」の計算において、標準せん断力係数C。を0.3として地震力の算定を行ったので、層間変形角及び剛性率の確認を行わなかった。
  • 「ルート1-2」の計算において、冷間成形角形鋼管を柱に用いたので、柱梁接合形式及び鋼管の種類に応じ、応力を割増して柱の設計を行った。
  • 「ルート2」の計算において、冷間成形角形鋼管を柱に用いたので、建築物の最上階の柱頭部及び1階の柱脚部を除く全ての接合部について、柱の曲げ耐力の和を梁の曲げ耐力の和の1.5倍以上となるように設計を行った。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.不適当です。
鉄骨造の建築物において「ルート1」とする場合
全ての耐震計算ルートにおいて
水平力を負担する筋かいの端部及び接合部は
保有耐力接合とします。


2.適当です。
耐震計算ルート1-1及び1-2については
層間変形角及び剛性率の確認は不要です。


3.適当です。
耐震計算ルート1の場合
冷間成形角形鋼管を柱に用いる場合は
地震力による柱の応力に割り増し係数を乗じて
許容応力度計算を行います。


4.適当です。
耐震計算ルート2において
BCP材(板厚6mm以上)を柱・梁に用いる場合
柱・梁の接合部については
柱の曲げモーメントの和が
梁の曲げモーメントの和の1.5倍以上になる様に
設計する必要があります。

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02

1. 誤り
水平力を負担する筋交いの端部及び接合部は保有耐力接合とします。また、標準せん断力係数Coを0.3以上とします。

*「ルート1」では、地震力(主に水平力)に対し各部材の強度で耐えられることを確認します。

2. 設問の通り
解説1の通り、標準せん断力係数Coを0.3以上とします。また、その場合、層間変形角及び剛性率の確認は行わなくてもよいです。ただし、偏心率は0.15を超えないことを確認します。

3. 設問の通り
冷間成形角形鋼菅は塑性変形能力が低下しているため、地震力を割増して柱の設計を行います。

4. 設問の通り
 
*「ルート2」では、剛性の変化や偏心を小さくすることで、強度・靭性を確保していることを確認します。

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03

正解は1です。

1:誤りです
ルート1-1で計算を行う場合はC。の値に関わらず水平力を負担する筋かいの端部及び接合部が保有耐力接合であることを確認する必要があります。

2:設問通りです
ルート1-2の計算では層間変形角及び剛性率の確認事項はありません。

3:設問通りです
ルート1-2の計算では冷間成形角形鋼管を柱に用いる場合、柱梁接合形式(ダイヤフラム)及び鋼管の種類(BCR,STKR等)に応じて、地震時応力割増係数を用いて応力を割増しします。

4:設問通りです
ルート2の計算では冷間成形角形鋼管を柱に用いる場合、建築物の最上階の柱頭部及び1階の柱脚部を除く全ての接合部について、(柱曲げ耐力の和)≧1.5×(梁曲げ耐力の和)となるように設計します。

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